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星屑ドライブ【毎週ショートショートnote】

街灯もない真っ暗な一本道。
する違う車もほとんどない。
その一本道を走る車の後部座席で、私は上を向いて寝転んで、窓から見える星空を眺めていた。
それはまるで、星空を切り取ったキャンパスのよう。
キャンバスは、無数の星で埋め尽くされ、白い帯のような天の川もはっきりと見えた。

毎年盆と正月に必ず行っていたおばあちゃんの家。
そこで大勢のいとこたちと会うのも楽しみだったけど、その帰り道の夜のドライブが何より大好きだった。

車のエンジン音が眠気を誘い、
私は星空を眺めながら寝てしまう。
家に着くとお父さんは、寝ている私を抱っこしてベットまで運んでくれた。
それがまた嬉しくて、その後は寝ていなくても寝ているふりをした。

しかしある時、抱っこしてもらえず車に放置された。
私が大きくなって、重くなったからかな?
それでも淡い期待を抱いて、私は真っ暗い車の中でしばらくじっとしていた。
諦めて車から出て見上げた空は、飲まれそうなほど美しい星空だった。

ここまで  本文408文字

たらはかにさんの、毎週ショートショートnoteの企画ですが、今回は、裏お題「星屑ドライブ」に挑戦してみました。
ショートショートというより、ほぼ思い出かな? 笑

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