助手席の異世界転生
大学生になってこんな私にも初めて彼氏ができた。
彼はとても穏やかで優しい人で、いつもニコニコして言葉少ない人だった。
ある日彼が実家から車を持ってくるから、ドライブしないか?と言った。
初めてのドライブデート❤️
彼が家の近くの公園の駐車場で待っている。
彼が助手席に座るように促した。
「彼氏の車の助手席」
その響きだけで、私はドキドキした。
じゃあ、行くよ。
彼はそう言うと、いきなりブォーンとふかして車を発進させた。
しかしそこからの彼は、まるで普段とは別人のようだった。
ノロノロ行くんじゃねーよ。
バイクのおばさん、どけよ。
割り込むつもりか? まじかよ、入れねえよ。
彼は毒舌を吐きながら、急な進路変更を繰り返し、私は前後左右に振り回された。
私は助手席で異世界に転生したような彼を眺めて思った。
いつもの彼がホントなの?
それともこれが本当の彼なの?
着いたよ。
彼が穏やかな声で私に微笑む。
私は彼に言った。
このまま近くの駅まで、送ってくださる?
ここまで本文 410文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。
お題は「助手席の異世界転生」
でした。
車のハンドルを握ると、人格変わる人っていますよね。
私は、穏やかな運転をする人が好きです。
自分も、できるだけ穏やかな運転をしようと心がけています。
ただ自分自身、運転していて、結構独り言は多いです。
ちょっと、出ようとしてんのに、なんで目の前に止まるかな…
とか
まじか、ここで出てくる?
みたいな事言ってます。
気をつけないと😜
なんて、言っちゃったり。
要注意ですね😅