口移しサドル競争
美奈子の学校の運動会には、自転車の部品を使った種目がある。
昔のPTA会長が自転車屋で、廃棄自転車の部品を使って何かできないかと学校に持ちかけ、始まったらしい。
1年生は、ハンドルを先頭に電車ごっこ。
色々な動物のお面をつけて、パレードだ。
6年生はよく見る輪回し。
他の学年も、チューブを引っ張りあったり、
その他の部品で作ったロボットを披露したり。
中でも盛り上がるのが、美奈子達5年生の
口移しサドル競争
選手がサドルを持ち、サドルの細い部分に大福を乗せて、リレー形式で競争する種目だった。
サドルの広い部分の両側には目が書かれ、顔のようになっているので、大福を次の人に渡す時に、サドルがキスしているように見える。
その為
口移しサドル競争
と言われるようになった。
美奈子は、哲也に大福を渡す時なんだか急に恥ずかしくなった。
哲也は大福を落とさないように必死だ。
美奈子は、サドルを手に走っていく哲也を見ながら、
いいなあ、サドルは…
と呟いた。
ここまで 本文409文字
これはたらはかにさんの
#毎週ショートショートnote
に参加したものです。
今回は裏お題
「口移しサドル」
どういうこと?
難しくて、頭を抱えてしまいました。
実はその前に書いていたお話があったのですが、書いていて恥ずかしくなってしまったのでやめました。 笑