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スナイパーの意外な使い方

近頃人が増えて、定員オーバーになりつつある地獄で、閻魔大王がなんとか人を減らせないものかと頭を悩ませていた。

地獄に送られた人間の中から、49日の間に人の為になることをし、認められたものは天国へ送ることにしよう。

あるスナイパーが、私にキューピットの矢を射させてください。
と閻魔大王にお願いした。

私は今まで殺した人の何倍も、人がたくさん生まれるように、
キューピットの矢を射ろうと思います。
天国のキューピットときたら、度々矢を外して、別の人間に当ててしまうものだから、近頃地上では離婚率が増えている。
正しく矢を当てることができれば、人々が本当に結ばれるべき人と結ばれて、子供もたくさん生まれるはずだ。
私の射撃は百発百中。
けして外したりしません。

閻魔大王が彼にキューピットの矢を渡すと、地上は愛で溢れ、出生率が上がり、犯罪者も減った。
こんな、スナイパーの意外な使い方があったとは…

彼はその後天国に昇り、キューピットに転生した。


本文ここまで  409文字

これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加した物です。

本日のお題は「スナイパーの意外な使い方」 
あんまりひねってはいませんが、福島太郎さんの
「地には平和を、人には愛を」のキャッチフレーズのように、
世界が平和と愛で溢れることを祈って、書きました。

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