どんぶり専門店の総料理長
う〜ん
これじゃ、総料理長は納得しないだろうな。
そうですねえ
もう少し味薄くしますか?
少しとろみをつけたらどうでしょう。
料理長と先輩たちが、新メニューを考えながら唸っている。
ここには料理長とは別に、総料理長がいるらしい。
数日後
総料理長に見てもらおう!
ということになった。
僕は初めて会う総料理長に、緊張した。
先輩たちは、厨房の隅に向かった。
彼らはおもむろにお釜の蓋を開け、丼に白米をよそい、彼らが考案した新メニューの汁をかけた。
どうでしょう…
料理長が一口食べた。
ダメだ、これじゃ総料理長は納得してない。
僕が目をシロクロさせていると、お前も食べてみろ、どうだ!
と、先輩がどんぶりを持ってきた。
美味しいけど、これじゃ、ご飯のおいしさが活きていないような…
総料理長納得してないだろ?
総料理長はどこに?
僕がキョロキョロしていると、
これが総料理長さ。
渡されたお碗の中で、真っ白な粒状の総料理長が、自分と最も合う新製品を待ちかまえていた。
本文ここまで 410文字
これはたらはかにさんの
#毎週ショートショートnote
の企画に参加したものです。
今回は裏お題の【粒状の総料理長】をお題に書きました。
みなさんはどんぶりと言えば、最初に何を思い浮かべてますか?
親子丼
天丼
牛丼
うな丼
カツ丼
マーボー丼とか、豚丼とか、
いろいろありますけど、
どれも美味しいですよね。
だけど、時折おいしくない丼に当たることがあります。
べちゃっとした親子丼
衣がふにゃふにゃの天丼
揚げたてのカツではないカツ丼
お店でそれにあたるとがっかりしますが、自分で作るのも、美味しいものを作ろう思うと、簡単なようで意外と難しいものです。
蕎麦屋の天丼は美味しい
って昔からよく聞きます。
確かに美味しい。
おそばに、ミニ天丼のセットとかあると、つい食べてしまいます。
親子丼は、汁だくが好きな人も多いと思いますが、私は、具がふわふわでちゃんと味が染みていたら汁は少なめがいい派です。
うなぎは高過ぎて、もうずいぶん長く食べていませんが、たまには食べたいです。
さて、お話に書いた丼屋さんは、新製品を開拓中のようです。
一体どんなどんぶりができるのでしょうか?
ゴーヤ丼なんてどうでしょう?
私の頭の中には、すでにゴーヤ丼の完成図が浮かんでいる。
この夏、挑戦してみようかしら😄
粒状の総料理長が、うんと言ってくれるかわかりませんけどね。