人生は洗濯の連続
洗濯物を白いものと、色が濃いものに分ける。
白いものを洗濯槽に入れる。
冬場は寒いから粉洗剤が溶けづらく、洗面器に入れた風呂の残り湯で洗剤をとかしてから入れる。
洗い終わると、隣の脱水槽に入れる。
そのまま洗濯液に、色の濃いものを入れて洗う。
こうしたら、色移りもなく、洗濯の水や洗剤の節約になるのだという。
洗剤液を排水してから綺麗な水を入れ、白いものをすすぐ。
綺麗になった白い洗濯物を脱水槽に移して脱水。
色の濃いものでも繰り返す。
下着や靴下は、洗濯する前にタライに洗濯板を漬け、洗濯石鹸をつけてゴシゴシ洗う。
子供の頃、洗濯といえばこんな感じだった。
今はほとんど見ない2槽式の洗濯機。
知らない人も多いだろう。
あの頃から、一体何度洗濯をしてきたのだろう。
今は洗濯がずいぶん楽になった。
でも、洗濯は無くならない。
人生は洗濯の連続だ。
洋服を着る限り、洗濯は続く。
衣類の洗濯をしながら、心も洗濯して、人生の選択をして、私たちは生きていく。
本文ここまで 410文字
これはたらはかにさんの
毎週ショートショートの企画に参加したものです。
お題は、「人生は洗濯の連続」でした。洗濯と聞いて、懐かしいニ槽式の洗濯機を思い出しました。
その昔、全てを手洗いだった頃を知る母などは、もっと大変だったんだろうな、と思います。便利な世の中ですが、便利になり過ぎて人間が退化しないか心配です。