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バールのようなチワワ

ポキは、チワワの子供。
辛く厳しい状況から助け出され、浩志に引き取られ、今は幸せに暮らしている。
体が小さく痩せ細っていたので、浩志はポッキーみたいだなと言って、ポキと名付けた。

ある日浩志が、先輩からもらったバールを磨いていると、
ポキが膝に飛び乗ってきた。
浩志は、
今はダメ、ちょっと待ってて!
と言ってポキを退けた。
バールは、
俺の方が大事にされてるだよ!
と、意地悪そうに笑った。
ポキは腹が立ち、いきなりバールに噛みついた。
浩志は怒って、
ポキ、なんてことするんだ!
とポキに怒鳴った。
ポキはショックだった。
僕よりバールが大事なのか…

少しして、浩志の部屋の扉が少し開いていた。

浩史が部屋を覗くと、バールが台から下に落ちていた。
台の上では、ポキが手足をまっすぐ伸ばしてバールのふりをしている。
浩志は、そのバールのようなチワワを見て、そのいじらしさが可愛くて怒る気にもなれず、ポキを抱きしめた。
ポキは嬉しそうに浩志の手をぺろぺろ舐めた。


本文ここまで 410文字

これは、たらはかにさんの企画、
毎週ショートショートnoteに参加したものです。
今回は裏お題【バールのようなチワワ】でした。

ペットにこんな可愛いことされたら、たまらないですね。

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