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investorsarina
天国の蜘蛛【毎週ショートショートnote 】
天国でのアルバイト募集の話を聞き、蜘蛛は天国にやってきた。
仕事内容は、地獄に落とされた人間に蜘蛛の糸を垂らして助ける仕事だ。
その糸は、地獄で深く反省した人のみ掴むことができた。
蜘蛛は、早速地獄に糸を垂らした。
地獄から人間たちが必死に這い上がってくる。
ところがあと少しのところで糸が切れて、人々が地獄に落ちてしまった。
蜘蛛は、その様子が面白くて、次は後少しのところで、わざと糸を切って人を落とした。
神様は、大層腹を立て、蜘蛛に地獄行きを命じた。
蜘蛛は、
もうこのようなことはニ度としません。
どうか勘弁してください。
と必死で命乞いをした。
しかし神様は許してくれなかった。
それならば、私の糸で多くの人が天国に来れるように、誰よりも丈夫な糸を垂らして地獄に行きます。
そう言って蜘蛛は地獄へと降りていった。
その糸で多くの人が、天国にやってきたが、蜘蛛は地獄の火に焼かれて死んでしまった。
しかしその魂は天国に上り、その後神様の使いとなったという。
本文ここまで 416文字
これは、たらはかにさんの企画
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。
今回のお題は、
「命乞いする蜘蛛」
でした。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出し、蜘蛛の気持ちで書いてみました。
蜘蛛が苦手っていう人、多いですよね。
私も好きではないけれど、
蜘蛛も必死に生きているんでしょう。
最後は、蜘蛛を助けたくなっちゃいました。笑