レトルト三角関係
一度でいいから、魅力的な男性2人の間で心を揺らす経験してみたいな
なんてドラマを見ながら考えていた頃、まさか本当に、それが我が身に起こるとは思っていなかった。
背が高くスポーツマンで、爽やかな笑顔のK君と、知的で優しくて、いつも私を助けてくれるM君。
ほとんど同時期に告白され、迷いながらも最高に幸せな気分だった。
その頃巷では、思い出レトルトというものが流行っていた。
その時の気持ちや体験をレトルトパックに閉じ込めておくものだ。
私はこの三角関係をレトルトに閉じ込めた。
何年か経ち、その時選んだ彼とも終わりが来て、今は2年前に知り合った彼と結婚目前だった。
荷物の整理をしていて、このレトルトを見つけた。
もう昔の話だし、捨てる前にちょっと覗いてみよう。
私はレトルトの封を切った。
しかし中身は空だった。
ただ翌日彼から、
実はもう1人付き合っている人がいると明かされた。
レトルト三角関係には
幸せな時に開封しない
と注意事項が書いてあった。
本文ここまで 410文字
コレは、たらはかにさんの企画
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。
今週のお題は
レトルト三角関係(魅力的な主人公を登場させる)
でした。
主人公が魅力的だったかどうかは、わかりませんが、2人の魅力的な男性に同時に思われたのだから、きっと魅力的な女性だったんじゃないかな?
ちなみに私には、こんな経験はございません。
別に経験したいとも思いません。
私を思ってくれる人は、1人いれば十分。
でも、1人もいないのは…
寂しい😅
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