平和を願う、てるてる坊主のラブレター
糸子は、1年ほど前から、仕事と家事育児の合間にコツコツと、てるてる坊主を作り続けていた。
どれも、真っ青な生地で作ってあり、
黄色い蝶ネクタイをつけていて、その数は30を超えていた。
そんな時、10年ぶりの同窓会があった。
糸子は、そのてるてる坊主を一列に竿にかけて、同窓会会場にオブジェとして飾った。
当日は、梅雨時だったにもかかわらず、いい天気だった。
このてるてる坊主のおかげかな?
すると糸子は、
このてるてる坊主は、ウクライナの青と黄色なの。
世界中から戦争や紛争がなくなり、人々の顔が晴れますように、
涙の雨が止みますように、
そう思って作ったの。
その日、アメリカに住む同級生も来ていた。
今度アメリカ全土やヨーロッパの人がたくさん集まる会合があるの。
その時に、皆に配ってもいいかしら。
糸子は、
この子たちに平和の使者になってほしいわ、
と言った。
大丈夫。
平和を願う糸子からの、てるてる坊主のラブレター
きっと世界中の人の心に届くはずよ。
本文ここまで 410文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
のお題に参加したものです。
お題は、【てるてる坊主のラブレター】でした。
実は先日、妹がたくさんのてるてる坊主を作っていました。
そのてるてる坊主は青い布で作られていて、黄色い紐で結ばれていた。
妹は、これはウクライナの青だよ。
世界中の人の心が晴れて、涙が止まりますように、と願って作ったんだ。
と言いました。
私はちょっと感動してしまいました。
そしてそれをある人が、欧米の多くの友人に配りたいと言って、持っていきました。
そんな事があったばかりでのこのお題でしたので、日本のてるてる坊主が、人々の平和を願う愛を世界に伝えるラブレターになったらいいな、なんて思い、このお話を書きました。
ただし、お話はフィクションです。
世界に平和が訪れますように