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リスティング広告運用で成果改善のためにチェックすべき15個の設定
リスティング広告は、検索結果に広告を掲載できる広告メニューです。特定の検索語句に絞って広告掲載することができることから、コンバージョン獲得を目的とした広告出稿先として優先度高く検討したい広告メニューに位置付けられます。
リスティング広告の強力な機械学習機能によってパフォーマンス改善は広告媒体任せにしていればある程度は良くなっていきます。ただ、そのパフォーマンスを最大化していくには、設定可能な項目や機能を適切な方法で最大限活用して適切に広告媒体設定を行う必要があります。
現在、日本ではGoogle社とYahoo社とMicrosoft社の3社がそれぞれ独自のリスティング広告メニューを提供しています。機械学習の性能差が大きいのはたしかですが、設定する項目や機能の差はほとんどありません。そのため、この記事では「リスティング広告」と3種類の広告メニューを一括りにしてパフォーマンス改善のために見直すべき設定について整理してみました。
※前任者から広告運用を引き継いだばかりの人や停止していたリスティング広告運用を再開したい人向けの内容になります。
リスティング広告で見直すべき設定
業界・業種にかかわらず意図しない設定ミスを防ぐために見直しておくべき設定を挙げていきます。
1. 計測タグに最新版のものが使われているか
何年も前のタグを使ったままにしていると正しく計測されない可能性があります。データの欠損は媒体の学習機会の逸失につながるので最新版のタグを埋めることはもはや必須です。
2. コンバージョンタグの発火条件が正しいか
コンバージョンタグの発火条件が間違っている可能性を一度は疑って確認しておくべきです。一度確認しても後日になってページ構造が変わって発火しなくなっていることも連携ミスがあればありえるので定期的なチェックをしておきましょう。
3. 入札戦略が広告の成果目標とずれてないか
キャンペーン別に確認することになりますが、入札戦略が広告の成果目標と異なるものが設定されてないか確認してください。過去に一時的にクリック最大化や目標インプレッションシェアを入札戦略に使用してそのまま広告配信を停止したなんてことも可能性はゼロではないので要注意です。
4. 自動タグ設定は有効になっているか
分析目的に近いですが、自動タグ設定が有効になっているか確認してください。Google広告ではGA4と連携してGA4のオーディエンスデータ利用ができるようになりますし、Yahooではコンバージョン補完機能を利用できるようになります。
5. 拡張コンバージョンは有効化されているか
Googleでは拡張コンバージョン、Yahooではコンバージョン補完機能と呼ばれる機能です。cookie制限によって欠損してしまうコンバージョンを補える機能なので、事業のデータポリシー上問題なければ必ず設定してください。
6. ターゲット言語に不要な言語が含まれてないか
最初に広告媒体を立ち上げたときしか意識することのないターゲット言語設定に、顧客の使用言語としてふさわしくないものが含まれていたら削除してください。
7. 配信地域に不要な地域が含まれてないか
配信地域については商圏やユーザーの検索行動傾向に合っているかだけでなく、配信実績のコンバージョン単価やコンバージョン件数を比較したときに顕著に悪い地域や時間帯がないかも含めて配信設定として適切かを評価するのが良いと思います。なんとなく日本全国を配信地域に設定するよりもメリハリをつけた方がうまくいきやすいです。
8. 配信曜日と時間帯は意図通りの設定か
全曜日と全時間帯に配信する設定がデフォルトですが、閑散期や休業日での広告配信を停止するためにこの設定を編集して元に戻すのを忘れてしまっているケースはたまに見かけます。念のため見ておいた方が良い設定です。
9. GA4、Search Consoleとの接続切れがないか(Google広告のみ)
Google広告のみですが、GA4とSearch Consoleとの接続切れがないか確認してください。オーディエンスリストとしての活用ができますし、レポートで「有料とオーガニック」の実績を確認することができるようになるので良いことしかありません。
10. ディスプレイ広告ネットワークへの配信が本当に必要か
ディスプレイネットワークにリスティング広告から配信することが可能ですが、実績が伴っているかどうかを改めてチェックして不要であればディスプレイネットワークへの配信を停止しましょう。
11. 除外キーワード登録内容が適切か
除外キーワード登録内容はリスティング広告運用者の出稿管理スキルが表れやすい部分です。きれいに除外キーワードリストで管理されていることもあれば、不要な検索クエリが特にルールなく乱雑に登録されていることもあるので除外キーワードの精査はかなり時間と労力がかかります。
もし前任者の独自の判断基準で不要な検索クエリが登録されていた場合に、その判断基準がよくわからないのであれば、除外キーワードを一度全削除して絶対に除外したいキーワードだけ登録するのは手段として有効です。
除外キーワードリストの推奨設定についてはこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
12. キャンペーン数と広告グループ数が多くなりすぎてないか
統合できるキャンペーンや広告グループがある場合は統合して学習データを集約した方が良いと思います。1つの広告アカウント内で多くてもキャンペーン数は5個以内、キャンペーン配下の広告グループ数も5個以内にできないかアカウント構造自体の見直しを検討してみてください。
13. 指名検索キーワードがキャンペーンとして独立しているか
自社名や自社サービス名を含む指名検索キーワードが独立した指名検索用のキャンペーン内に入稿され、なおかつ他のキャンペーンでは指名検索には反応しないようになっているか確認してください。指名検索は自社サービスを利用する意向の強いユーザーであるため予算設定や入札単価も独自に設定できるように設計しておくのが運用改善に有効なセオリーの1つとなっています。
14. 広告・広告表示オプションの内容に間違いや抜け漏れがないか
現在の広告文や広告表示オプションの設定内容となった背景や経緯が分からない場合、その設定が適切かどうか判断するものさしはありません。今の設定を一新する必要まではありませんが、新任者としての客観的な視点で広告と広告表示オプションの設定内容を見直すべきです。
現在のランディングページの内容に合わせて適切な見出し・説明文に修正し、設定に抜け漏れがあれば追記していくことで広告の有効性や広告ランク改善を図ることが重要です。
15. キーワードの重複がない、マッチタイプやステータスは適切か
キーワードの重複は、学習データの分散やアカウント内での競合につながりデメリットしかありません。キーワードの重複がないようにキーワード登録内容を必ず確認してください。
また、キーワードのマッチタイプやキーワードのステータス(有効か停止)が現在の広告運用戦略や予算に合うように調整するのもパフォーマンス改善に有効です。例えば、予算が少ないにもかかわらず部分一致キーワードが使われ続けているのは無駄なクリックコストを発生させてしまいます。本来ステータスが有効となっているべきキーワードが過去の何らかの施策経緯で一時的に停止され、再有効化されずそのままになっているのも機会損失が大きくなります。
やり込めばもっと見直すべき点はある
上記に挙げたのは、リスティング広告運用改善のための基本~中級レベルのほんの一部です。業種やビジネス目標ごとに見直すべき設定はまだまだたくさんあります。
さらに深掘りしてパフォーマンス改善をしていく場合は、リスティング広告運用の上級者への外注をおすすめします。
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