【リスティング広告】除外キーワードの登録・管理の最適化のための3つのヒント
リスティング広告ではGoogle検索広告を筆頭にキーワードのマッチタイプを部分一致にしての入稿が主流になりつつあります。
以前は部分一致といえば、コンバージョンにつながらない検索クエリにも繰り返し広告表示されて無駄なコストが発生しやすいので敬遠されがちでしたが、媒体社側の仕様アップデートによってそれはかなり改善されました。部分一致以外のマッチタイプでは使用されないシグナルも考慮されるため、むしろ部分一致キーワードで入稿した方がCPAが安くなることも多くなってきています。
とはいえ、部分一致キーワードでの出稿で不要な検索クエリにも広告掲載される以上は、定期的な除外キーワード登録とその管理が必要になります。もし管理を怠れば、
実はこのキャンペーンでは除外したくなかったけど除外されていた
運用担当者が変わって除外登録内容がブラックボックス化した
のよう広告運用上の不都合が起きてしまいます。こうした事態を避けるためにも除外キーワード登録の管理はきちんと行う必要があります。
前置きが長くなりましたが、今回はリスティング広告での除外キーワードをどのように登録・管理した方がよいのか、その最適解について書いてみます。
1. 除外キーワードリストのみに登録する
除外キーワードリストだけを使うことが崩壊させないための第一歩です。除外キーワードリストを使わない除外キーワード登録は、何の目的で除外したのか分からなくなるだけでなく、複数キャンペーンへの適用ができなかったり、除外キーワードリストとの重複登録が起きたりして運用管理を複雑化させてしまいます。
除外キーワードリストへの登録に一本化すると、特定の広告グループごとのキーワード除外はできませんが、広告グループにどうしてもキーワード除外登録したいような場合には広告キャンペーン・広告グループの構成を見直した方が良いと思います。
2. リストは除外目的別で分ける
キーワード除外の目的はさまざまです。大きく分けると、
他社要望による除外
自社都合による除外
政治・宗教・思想関連クエリの回避のための除外
ネガティブな意味を持つクエリ回避のための除外
パフォーマンス改善のための除外
の5種類あります。基本的にどんな広告アカウントでも除外キーワードリストは少なくとも5つは作成することを推奨します。この内、上4つは広告アカウント全体でキーワード除外となるリストなのでアカウントレベルで設定します。パフォーマンス改善のための除外は
各リストの使用目的について補足説明します。
他社要望による除外
同業他社からの要望でキーワード除外登録するときに使用します。基本的に他社の商標名やサービス名が入り、要望があったキーワードのみを登録します。
自社都合による除外
自社が複数のサービスや商品を持っていて別の広告アカウントですでに広告を出稿している場合は、キーワードの競合を防ぐために除外登録を行います。また、重要な取引先名や業界団体名も営業活動上の悪影響を考慮して除外登録しておきます。
政治・宗教・思想関連クエリの回避のための除外
政治・宗教・思想と自社サービスとが関連付けられないように、あらかじめ政治・宗教・思想に関連したキーワードは除外登録しておきます。
ネガティブな意味を持つクエリ回避のための除外
事故や災害を想起させるキーワードの除外登録を行います。
例:地震、台風など
もし過去にニュースにもなった事案がある場合は、そうしたクエリでもヒットしないように除外登録しておきます。
パフォーマンス改善のための除外
上記4つに該当しないキーワードのうち、広告配信目標につながりにくいキーワードを除外登録するときや他のキャンペーンとのカニバリの回避の目的で使用します。
通常、各キャンペーンごとに1つ以上リスト作成することになります。キーワード除外する目的別で複数にリストを分けたり、除外登録キーワードの種類別にリストを分けたりするとどのリストにどんなキーワードが登録されているか管理しやすくなります。ただし、1つのアカウントで作成できる除外キーワードリストの上限が20個なのでその点は注意してください。
3. 除外登録のマッチタイプを上手に使い分ける
除外キーワードのマッチタイプには、完全一致とフレーズ一致と部分一致がありますが、これらを一定のルールを定めてうまく使い分けることができれば除外キーワードリストの中身は管理のしやすさが格段に上がります。
部分一致・フレーズ一致で除外する場合
部分一致あるいはフレーズ一致で除外するにあたって、除外キーワード登録における部分一致とフレーズ一致の除外のされ方は
語順に限らずその語が含まれていたら除外するなら部分一致
語順を限定してその語が含まれていたら除外するならフレーズ一致
と覚えておくことは大前提です。とはいえ、語順が変われば除外する必要がないようなケースは日本語の場合にはあまりないため、基本的にはフレーズ一致は使わずに部分一致を使った方が混乱は少ないかと思います。
完全一致で除外する場合
上手に除外キーワードリストを管理していくためには、なるべく完全一致による除外を減らすことを考えてください。
除外登録したいキーワード群を見たときに頻出する語の組み合わせがあればそれは部分一致での除外登録を考えるべきですし、
なるべく完全一致での除外を減らすことで、
除外登録の頻度が減っていく
除外キーワードリストがシンプル化する
除外キーワード登録数の上限に到達しにくくなる
といったメリットもあるため、全体の1割未満が完全一致で除外登録されている状態が理想です。
まとめ
最後に整理すると、
除外キーワードリストにのみ登録
リストは除外目的別で分ける
除外登録のマッチタイプを使い分ける
ことができれば、除外キーワードに何を登録しているのかよく分からない、説明できない、引継ぎもできないといった事態は回避できます。
大規模アカウントともなると除外キーワードの棚卸は一大プロジェクトにもなります。そうしたときにルールに基づいてきちんと管理されていればかなりの工数を削減できるはずです。今回の記事が参考になれば幸いです。