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FINCAで推し+夢女香水作りに行ってきたレポ


推しの香りにひとひねりほしいと思ったのがキッカケ

私とFINCAさんの出会いは数年前に遡る。
オリキャラの存在を香りで体感したくて、ネットで調べてサービスを比較した上で来店。
その時はオリキャラの香水、その次の来店時はとある版権ものの推しの非公式香水をオーダーした。

それから1,2年経ち、別の界隈で推しが2人できた。
どちらも某ゲームのパイロットキャラで、彼らが堪らなく気になる。
一人目の神推しキャラはたまたま概念が被っている香水を見つけたので、納得して(自称)推し香水として使っている。

二人目の推しはどんな香りなんだろうと考えている中で、ある閃きがあった。
これまでは推しから漂ってくる香りを見つけていた。
次は、その推しと一緒にいる夢女の香りを作ってみたら面白いのでは? と。
幸いFINCAさんは丁寧なカウンセリングと懐の深さに定評がある。
ということで、「夢女の香り+推しの香り」を作るべく構想を練ることにした。

オーダーシートについて

香水をオーダーする時には、前もって希望シートを記入する必要がある。
オーダーシートは店頭でも貰えるが、書く内容が多いため私は事前にダウンロードして記入した物を持ち込んだ。
シートのテンプレートは主に以下のようなもの。

・初回来店かリピーターか
・既に持っているFINCAの香り
・香りのイメージ(自分用なのかキャライメージの香りなのかなど)
・好きな香り
・苦手な香り

特に詳細に書くべきは香りのイメージについてだ。
これらを記入しておけばコンセプトが伝わりやすくなり、狙った範囲内の香水を提案してもらえる確率がアップする。
なお版権キャラの場合、キャラ名や画像を見せるのは絶対NGだ。
それを作ってほしい時はキャラ名や作品内の固有名詞を使わず、語彙力をフル発揮して人となりを説明しなくてはいけない。

夢女のオーダーシートの内容

私の推しは言ってみればボイスくらいしか公式情報がない。
顔や年齢すらも一切不明(この時点で分かる人には界隈特定されそう)。
以下に挙げる容姿や生活ぶり、キャラクターのバックグラウンドの大半は私にだけ見えているものだ。

【推しの要素】
男性
20代前半
不良
喫煙者
体育会系企業の社員。主要パイロットのひとり
息抜きは酒かナンパ
ボロくて汚いアパート(社宅?)に住んでる
モテない
仕事ができなくて格下にナメられる
パッと見陽キャ(ヤンキー系)で内面が超陰キャ
キーワードが「陰湿」

【夢女の要素】
年齢不詳
無機質的
外見はとても女性的
甘い香りがする
シゴデキだが仕事以外が壊滅的にだらしない
色気がある
クーデレでギャップがデカい
押しに弱い

【お互いに対する感情】
男→女で一方的に粘着。LOVEではなくスペックへの憧れや共通点への執着。
女は男をどうでもいいと思ってる。寧ろ嫌い寄り。でも粘着されるので離れられない。
男女の意味の遊び相手なだけで交際はしていない。その関係には嫌々しつつ満更でもない。

今回の香水はあくまでも夢女が主役なので、まずはその香りから組み立てることに。

早速香りを作ってみる

色気のある感じや無機質的な感じなど様々なアプローチから提案してもらった。
FINCAさんでは基本的にひとつの香水ともうひとつの香水を重ね付けして新しい香りを生み出すので、特に理由がなければペアでの提案がされる。
そこで「バニラカフェ」を使った組み合わせで理想に大幅に近づいた。
元々私はグルマン系の香水を愛用していて、中でもヒプノティックプワゾンやロストチェリーのような重たいものが好きだ。
「もう少しフルーツ感を抑えたい」「もっと甘くても大丈夫」などやり取りを重ねて、やっとひとまずのゴールが見えた。

夢女の香水は「バニラカフェ」「ホワイトココナツ」を重ね付けしたもの。
「バニラカフェ」はバニラやキャラメル、ホワイトココナツはその名の通りがっつりココナツの香りなので相当甘く重い。
実は既にバニラカフェはテスターで香りを知っていたのだが、ホワイトココナツと組み合わせると香りにより奥行きが生まれるのが新しい発見だった。

「やっぱり推し要素がほしい」

夢女の香りは「バニラカフェ」と「ホワイトココナツ」の2本に決まった。
しかし店員さんに勧められて店外に出て、寒空の下でムエットを嗅いでいたら推し要素がないのは寂しいなとふと思った。

それを伝えたところ、「彼を表す1本を追加してみてはどうか?」と提案された。
そして推しを探す旅が始まった。

推しの香りは方向性がわかりやすい気がする。
酒やタバコなどの嗜好品、20代前半の程よい未熟さ、見栄っ張り、凄まじい陰湿さ。

いくつか提案を受けたものの中で、目に止まったのが以下の3つ。

「シャイガイ」
シトラスとハーブとウッド系の香り。
爽やかだけど明るい印象ではなく、口数少ない感じの渋さがあるのが印象的。
ナンパ中の推しから漂ってきそうなイメージ。

「ガラムショックマイルド」
甘さのあるタバコ系の香り。
スモーキー感は◯でも、ちょっと落ち着きすぎている印象。
硬派系で人を寄せ付けないアラサー男性のイメージ。

「オヴェルタ」
重厚感のある酒とタバコの甘い香り。
空気の籠もった密室のような印象。
成熟した違いのわかる大人のイメージ。

この3種類をひとつずつ、夢女の香水に重ねていく。
「ホワイトココナツ」+「バニラカフェ」+「シャイガイ」を試した時に、確かに推しがいる感覚があった。
しかしながら、香りの雰囲気としてはかなり健全だなと。
外でデートしたり純粋に愛し合う一般的なカップルの関係なら有り。
けど私が求めているのは人目につかないように男のボロアパートに連れて行かれて、短時間過ごした後の香りなので少しニュアンスが異なる。

次に試したのが「ホワイトココナツ」+「バニラカフェ」+「オヴェルタ」の組み合わせ。

これだ。
ひと嗅ぎしてぶっ刺さった。
オヴェルタは男性的ながらバニラやトンカの香りが目立つので、同じく甘い香りと調和する。
それでいてミドルからスモーキー感が強まるため、調和しすぎることなく推しの存在も感じられるという。
正直、安酒と量産型タバコをのんでいる推しには勿体ない上質な香り。
しかし目当ての女と会う時、普段よりも少し良い嗜好品を見せつける格好つけな姿がありありと目に浮かんできた。

重ね付けのベースであるココナツとバニラの香りが目立つので、そこに推しを突き放す自立した夢女感がある。
でも底抜けに明るいいかにも女子な香りではなくて、仄かに籠もった煙さが利いているところに男の影を感じさせる。
一言で表すと闇のバニラ。
店員さん曰く、比率はココナツ1:バニラ2:オヴェルタ1が「それっぽい」とのこと。

変哲のない女が男のヤニ臭いボロ1Kアパートにコソコソ連れ込まれて、そこで2,3時間ぐちゃぐちゃにされた後――
そんな背徳感のある香り。
タバコを吸わない夢女からは普段絶対にすることがない香りなので、後まで引きずるタバコの残り香が異質感・非日常感を演出してくれる。
ラストはアンバーを思わせる、こってりとした重みのある甘さだけが残る。
そこにはもう男の影はなく、数刻前に乱れたことも忘れてすっかり普段の日常に戻ったかのよう。
トップからミドル、ラストで香りの変化がとても大きく、その流れにストーリー性がある。
もはや嗅ぐ官能小説。


グルマンの極地のような組み合わせ

香りを見つけた感想

今回は香水3本の購入なので、そこから2本を組み合わせたりつける順番を変えたりと試行錯誤が楽しい。
けれどもやはり提案されたレシピが最もしっくりくる印象。
オードトワレとはいえ普段の私よりも香水のプッシュ量が増えるため、今は足首や服の下につけて様子を見ながら使用している。

「推しに粘着される夢女の香水ってアガるのでは?」という閃きがキッカケで作ってみたら大成功だった。
その推しは1年以上推しているので、もっと早くに作っておけばよかった。

後から気付いたが「オヴェルタ」の香りのフレーバーテキストは、かなり推しみがある。
〈赤い掟〉そして、成れの果ての美しさ。
推しとハッピーエンドを迎える世界線は公式にはないし私も考える気はない。
だからこそ限られた僅かな時間の中で、暴力的とも言うべき甘い夢を見たくなるのだ。

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