#6 アフターGIGAと「情報モラル」
2019年にGIGAスクール構想が打ち立てられて、各自治体では、大容量通信環境と1人1台端末の配備が進められてきています。
コロナウィルス感染症の大流行を追い風に加速度的に整備が進められてきていた印象です。
とにかく学校にネット環境と端末を。
おそらくこれをGIGAスクール構想の着地点として、「アフターGIGA」という考え方が出てきたようです。
環境の整備ができたから「GIGAスクール構想」は終わった?
だから次は「アフターGIGA」だ!
そんなわけはない。
#1#4でも考えてきたが、
そもそも「GIGAスクール構想」とは、
これまでの「教育実践」と「ICT」の「ベストミックス」を図ること
にある。
アフターGIGA
「アフターGIGA」を検索エンジンにかけてみても、文部科学省による公式見解は見当たりません。
おそらく、「バレンタインデー」に対する「ホワイトデー」のように、ある企業が言い出した概念なのでしょう。教材会社なのかデジタル機器販売会社なのかは分かりませんが、ある種、「GIGAスクール構想」を廃れさせないためには大切な考え方だと思います。
アフターGIGAの課題として以下のようなものが挙げられます。
・1人1台端末や無線アクセスポイントの保守及び更新
・生徒のリテラシー向上による、教師の「情報モラル」指導
・セキュリティに関する整備
これらはすでに「GIGAスクール構想」の内に織り込まれておりますので、常に意識していかなければならないはずです。
生徒の「情報モラル」
中でも特に注目すべきなのが、
生徒のリテラシー向上による、教師の「情報モラル」指導
簡単に言えば、生徒の方がネットの扱い方が上手で、先生達が追いつけない。と言ったところでしょうか。
ただ、リテラシーと言ってもさまざまな観点があるはずです。
そもそも「リテラシー」とは「読み書き能力」のことで、〇〇リテラシーなどよく語尾につけられることが多い言葉で、今回の文脈の場合は、情報リテラシーやネットリテラシーとなります。
生徒のリテラシーが正しいか正しくないのかは置いておいて、その能力や習得の速さは目を見張るものがあります。
とにかく興味があることに対してのスピードが段違いに早い。
裏を返せば、教師の目が届かない悪行はものすごいスピードで流布していく。
そこで、大切なのが「情報モラル」をどう身につけさせることができるのか、である。
「情報」の授業でも取り扱うが、それでは間に合わないほどのスピードで生徒のリテラシーは伸びていく。
じゃあ、フィルタリングを厳しく設定すれば良いかというと、そうもいかない。
娯楽と勉強の線引きが難しいからだ。
例えばYouTubeなどの動画投稿サイト。
そこには、娯楽コンテンツと学習コンテンツが入り混じって存在している。
そこにフィルタリングをかけた場合、娯楽費は排除されるが、学習の機会も失ってしまう。
かといって、フィルタリングをかけないと、授業中に娯楽に勤しむ輩も出てきかねない。
これは、「情報モラル」以前の「モラル全般」が問題になるはずだが、それさえまた「情報モラル」として扱われる。
じゃあ「『情報』モラル」なのだから「情報科」の先生、ご指導お願いします…
そんなことになってはならない。
学校全体として生徒の「リテラシー」に立ち向かっていかなければならない。
わからないから…で済まないのです。