【秋葉神社】火のエネルギーで現状打破
静岡県浜松市天竜区にある秋葉山本宮 秋葉神社を紹介します。この神社は全国の秋葉神社の総本社です。毎年執り行われる「秋葉の火まつり」は全国から多くの参詣者が訪れます。
それでは秋葉神社について書いていきたいと思います。(参拝動画もありますのでぜひご覧ください)
標高866m、天空に浮かぶ杜
秋葉神社は山の山頂近くに鎮座しています。標高866mに位置します。温暖な浜松でもたまに雪が積もることもある場所にあります。参拝に訪れたこの日も暖かい一日でしたが、到着時は肌寒いくらいでした。
境内からの見晴らしはすばらしい!遠くに天竜川や遠州灘が見えます。お昼過ぎの参拝でしたので少し霞んでいますね。残念。
火の神様 火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)
秋葉神社の御祭神は火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)火の神様です。古事記でも良く知られている神様です。
火之迦具土神はどんな神様なのでしょう。それは悲劇の神様。父親に首をはねられて死んでしまいます。とはいえ火之迦具土神の悲劇は人が火を生み出すこと、そして火を扱うことの起源となった物語です。
神産みにより多くの神様を生み出してきた伊邪那岐命と伊邪那美命。最後に生まれた神様がカグツチ(ここからはカグツチで書いていきます)です。最後に生んだ神様は火の神様。つまりカグツチを生んだことで伊邪那美命は陰部に火傷を負い死んでしまいます。
愛する伊邪那美命を失った伊邪那岐命は深い悲しみに包まれます。そして激しい怒りによってカグツチの首を十拳剣(とつかのつるぎ)で切り落としてしまいます。この悲劇はこの世における火の誕生と、人が人の意志で火を扱うことを表現しているのだと思います。人が最初に火を手にしたのは自然災害(火山噴火や落雷による火災)の火とされています。しかしそれは自由自在に生み出すことではありません。その後人は、自らの手で火を生み出す方法を知りました。そのおかげで寒い冬を生き延びることができたり、火を通した食を得ることができました。また科学や工業の面でも火の熱は利用され、文明を発展させることができたのです。
カグツチの誕生と死。火を生み火を制す。古事記の中にある人の叡智を垣間見ることができます。
本殿
幸福の鳥居 黄金に輝く鳥居は必見です。
火防開運の神
秋葉神社のパンフにはこう書かれています。
火の幸を恵み悪かを鎮め、諸厄諸病を祓い除く火防開運の神
秋葉山本宮 秋葉神社パンフより
秋葉神社の御利益は火が生み出す全てのことに由来されます。火災消除・家内安全は火によって起こる災害からの守護であり、厄除開運・商売繁昌・工業発展は火の力による厄除けや恩恵を表わしています。それだけ火の力は偉大なのです。
火は負のエネルギーを焼き尽くしてくれます。ネガティブに陥ってしまった心の闇を炎で焼き尽くします。それが何を意味するのかといえば、罪穢れを清めることを意味します。
コロナ禍で手水舎を一時利用停止にしている神社が増えています。参拝する前の手と口を清めることができなくなりました。しかし秋葉神社では火打石と火打ち金で切り火を起こすお清めを行っています。これも火の力による悪いものを焼き尽くすことからきているのでしょう。
切り火(火花わかりますか?)
神恵岩(この岩に火打ち金を打ちつけて切り火を起こすこともできます)
火のパワーは行き詰まった現状を打破し創造性をもたらします。さらには闘志を燃やし勝ちにこだわる最強の勝負運を得ることができるでしょう。
火の力は偉大なのです。
火の恩恵
人は火を制したことで多くの恩恵をいただいてきました。火は暗い夜を明るく照らします。寒い冬には暖を与えてくれます。食べ物を焼いたり茹でたりすることで食生活を豊かにします。火の熱により物質の状態を変化させます。粘土を焼いて土器を作り、更に高温で焼くことで陶器を作ります。金属の精錬にも火が利用されます。石器から青銅器や鉄器に変わることで発展していきました。工業面での火の熱の活用は今やなくてはならない存在です。
一方で火の存在は恐怖にもなり得ます。火災です。また火を扱う仕事に就く人は常に危険と隣り合わせで仕事をしています。(秋葉神社には火の仕事をしている人が多く参拝されています)
火は創造と破壊の象徴です。心の中にある創造性を活かし、停滞の壁を破壊する。「心の恐怖を炎で焼き尽くし打ち破る」のです。
火を扱う仕事の人だけでなく、現状を打破し飛躍したい人もぜひ参拝してみてください。
神楽殿 秋葉の火まつり(防火祭)の舞台です。
創建は和銅2年(709年)
あなたふと秋葉の山にまし坐せる この日の本の火防ぎの神
この和歌は元明天皇が詠んだとされています。秋葉の山が鳴動し火が燃え上がる様子を詠んだ和歌です。秋葉山は神体山として仰がれていました。これにより和銅2年(709年)に秋葉山頂上付近に建立されたという伝承があります。
山の頂上付近にあります。今でこそクルマで行くことができますが、当時の人たちが参拝するには山を歩いて登らないといけません。山麓には下社があります。5年ほど前に下社を出発し、上社を目指して登山道を歩いたことがあります。細く急な登山道だったことを思い出します。下山中は膝がガクガクでした。体力に自信のある方は登山参拝もいいかもです。
参拝動画を作りました
秋葉神社は全国にあります。それでも総本社に行ってみたいという方のために動画を作りました。動画は2種類あります。15分の動画と、忙しい方用の3分半参拝動画です。どちらを見ても秋葉神社のエネルギーを感じていただけると思います。試しに両方見るのもいいですね。
15分バージョン ゆったりとした音楽と共に参拝してください。
忙しい人のための3分半バージョン エヴァ風にまとめました。
Akiha photo
たくさん写真を撮りました。ぜひご覧ください。
大鳥居 ここから秋葉神社境内に向かいます。
西ノ閽の神門(にしのかどもりのしんもん)
秋葉山本宮秋葉神社の神門
下社から山を登ってくるコースではこの神門をくぐることになります。江戸時代に建てられた神門です。(2015年9月16日撮影)
表参道(ハイキングコース)
かつて登山による参拝の際の一枚です。実は下社から登るこの道が表参道です。膝が笑う道。(2015年9月16日撮影)
幸福の鳥居の向こうに見える浜松市
雲を下に見ることができる日もあります。まさに天空の社。雲海に浮かぶ杜。
幸福の鳥居(裏から見た幸福の鳥居)
幸福の鳥居は平成5年(1993年)天皇陛下(当時皇太子)の御成婚記念として建てられました。この鳥居をカップルでくぐれば恋愛運アップ間違いなしです。
本殿は昭和61年(1986年)に再建されました。
御朱印
秋葉山本宮秋葉神社はここにあります。
下社はこちらです。