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小説における身体性

コロナ(オミクロン株)に罹った話。

去年の三月。
自分は大丈夫。なんて根拠のない自信が私にもあったのだが、罹る時はあっけなく罹る。即座に定職はストップになり、自室に缶詰。

大きな声で言えないが、こんな執筆チャンスが他にあるだろうかと秘かにほくそ笑んだが、甘かった。

症状が出て、陽性判定になり、そこからがキツかった。無症状なんて人もいるらしいが、とにかく目玉の奥を貫くような頭痛がして、悪寒と倦怠感で目をあけてられない。執筆どころではなく、本も読めず、映画も観れない。ひたすら眠い。ので寝た。

くっそー書きたい。とようやく起きあがったのが四日目。

怠さが残る身体をくったりと持ち上げて、机の前に座らせるが、書いているとすぐにしんどくなって続かない。

発見。けっこう執筆って体力使うのだなと。

病苦に苛まれながらも書いた人は凄いなと思う。身体が不調だと、なんだか文章も散らかってしまう。

身体で書くってのとはちょっと違うのかも知れないが、私も身体が不調だと筆もダメ傾向。これは関係あるようだ。

考えてみると文士なんかは、芥川に代表されるような、痩せ型の病弱の文弱派が多いようだけれど、たまーに、壮健、闊達な肉体派がいる。そんな肉体派をあげていくと面白い。

--肉体派。え、、っと、じゃ誰が強ぇーんだろ? なんて熱がある頭が『刃牙』みたいなことを考えはじめる。

三島由紀夫は肉体を鍛え上げたが、運動神経の方は絶望的になかったそうな。そう評した石原慎太郎先生(合掌)はスポーツマンで、強そうだ。

強いということで、思いつくのは中上健次。冷蔵庫を投げ飛ばすらしい。マジかよ。電子レンジならわかるけど、冷蔵庫って投げ飛べるんだ。スゲェな。ゴリラみたいで強そうだもんね。あと坂口安吾も強いよな。運動神経抜群だったみたいだし。まぁまぁデカい。あ、田中英光を忘れちゃいけない。なんてたってオリンピアン。そりゃ強い。なんて考えていくと、どうしても無頼派の系列になる。でも、たぶん最強は今東光だと思う。チンピラみたいにめちゃくちゃ喧嘩してたみたいだし、大山倍達仕込みで、極真カラテもやるようだ。

最近の人だと花村萬月先生も、なんか強そう。あ、丸山健二先生も、ごちゃごちゃ説明するより殴り倒す方が容易いのだ、なんて小説家らしからぬことをよくエッセイで書いている。故車谷長吉先生も匕首を部屋に秘蔵していたというから相当だ。(身体と関係ないなコレは)エンタメ界にまで広げると、、今野敏先生などの師範クラスや、「木村雅彦は何故力道山を殺さなかったのか」の増田俊也先生など、ホンモノの武術家も出てくるから、この辺にしておこう。

すまん、タイトルは冗談だ。熱があると、この様におかしな思考になる。やっぱり健康は大事だねって話。好き勝手に書く日乗なので許してほしい。小説に於ける身体性については、また元気な時にでも。

最近また流行ってから
皆さんもコロナに気をつけてね。

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