ひぐらしのなく頃に業卒・残る謎

「ひぐらしのなく頃に卒」は第13話でようやく、作中の時間が前作「ひぐらしのなく頃に業」の猫騙し編終了の時点まで進んだ。
前作「猫騙し編」途中の各カケラでの赤坂・茜・公由・圭一の発症の経緯などは結局は「卒」においても触れられないままであり、描写不足の印象の否めない状況であると感じられるが、その他、前作鬼騙し編~猫騙し編について、なお残る謎のうち、3点について第14話放映を前に考察したい。

鬼明し編・沙都子の持っていた包丁の血

卒第3話のラストで梨花が自死の為に使った包丁を沙都子が手に取った時、包丁にはまだ梨花の血が付着していた。ところが、沙都子が画面を背にするアングルでは沙都子の持っていた包丁には血が付いていなかった。

https://www.youtube.com/watch?v=jqLu4rKv0q4

この場面はPVにもあったもので、PV公開当時、沙都子の持っていた包丁に血がついていないことから、沙都子は梨花を殺していないという考察がなされていた。
しかし、沙都子は梨花を殺していなかったのは正しかったが、この包丁は確かに梨花が自死の為に使ったものであり、沙都子が手に取った時には確かに梨花の血が付着していた。
ところがPVにあった、沙都子が画面を背にするアングルでは沙都子の持っていた包丁には血が付いていないというおかしな状況になったのである。シナリオがPV公開当時と変わったが、該当場面の書き直しをしていなかったのだろうか。

祟騙し編・祟明し編・圭一の見た鉄平の幻の謎

業第13話、祟騙し編終盤において、圭一は鉄平に襲撃された後、鉄平からバットを奪い取って反撃したように描写されていたが、卒第11話で、実際には鉄平は既に沙都子に拳銃で殺されており、圭一をバットで殴ったのは沙都子であることが明らかになった。
業第13話では、圭一は一度何者かにバットで殴られてから、振り返ると鉄平がバットを持っていたと描かれていたから、鉄平は圭一が殴られた後に見た妄想か夢であったことになる。
問題は鉄平は「上手いことワシをハメれたと思たんねや」と言っている。これが圭一の妄想か夢であれば、圭一自身が鉄平を不当に陥れた自覚があることになるが、圭一が虐待がなかったことに気付いている描写はない。

警察が鉄平の遺体を調べれば、拳銃で殺害されたことは発覚する。沙都子が大石を殺害したことは少なくともレナが目撃しており、警察は沙都子が鉄平を殺害したことを把握していると思われる。
業第13話でレナは沙都子が拳銃で大石を殺害して自らも自死したことには触れていないが、別の場面で語っていてもおかしくない。熊谷は圭一の質問に言葉を濁していたが、圭一は何らかの機会に真相を知ったかも知れない。
圭一が見た鉄平の幻は、圭一が何らかの機会に真相を知った後で遡って改竄された記憶であろうか。

全編・梨花と富竹と鷹野

梨花は祟騙し編のカケラ(猫騙し編の最初の場面)や、猫騙し編最後のカケラでも富竹を探していたことから、この時点でも鷹野が黒幕ではなくなっていることに気付いておらず、猫騙し編最後のカケラで富竹と鷹野の話を聞き、ようやく鷹野が改心したことを知ったことになる。
鷹野が黒幕であると認識している以上、綿流しの祭り以降入江診療所に行かず、診療所で入江や小此木から事情を聴くことができなかったことはおかしなことではないが、最後のカケラを除いて、富竹の依頼を受けた番犬あるいは入江側から梨花に伝言はなされなかったことは不自然である。
郷壊し編を除き、綿流しの前も後も、入江診療所の様子は全く描かれていないが、番犬が入江診療所を制圧するまで入江自身は終末作戦関連の案件についても、沙都子の陰謀についても完全な蚊帳の外だったのだろうか?

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