「ひぐらしのなく頃に卒」アニメ放送開始を前に旧作について考察
本日深夜の「ひぐらしのなく頃に卒」アニメ放送開始 (twitter: @higu_anime) を前に旧作について気になった点を考察した。
目明し編
入江・鉄平が平成16年まで生存していることが明言されている(一方、新作では孤独死しているループの存在が示唆されているが、時期は不明である。警官の一人が「まだそんな年でもなさそうなのに」と言っているが昭和58年時点で30代半ばであれば平成16年でも50代半ばとなるから、それくらいの時期でもおかしくない)。しかし、転居先は不明ともある。
これが雛見沢の事件に関する警察内部の資料であれば、警察も生存は確認出来ても居住地を把握出来ていないことになる。
鉄平はシノギが振るわず、また入江は東京の野村一派から終末未遂事件の責任を押し付けられる(また緊急マニュアル34号の効力が喪失したことで東京が雛見沢症候群を危険視しなくなり、3ヶ年計画の終了を待たず研究を終了させられた)形で社会的地位を失い、表社会で職に就くこともかなわず路頭に迷うことになったのだろうか。
皆殺し編
小此木は実は本心では終末作戦自体は失敗に終わることを望んでいたのではないか。任務自体には忠実でも、作戦を成功させることに意欲的であるのか疑わざるを得ない描写が複数見られる。
小此木は22日の梨花への電話で入江が富竹変死の黒幕である可能性が高いと告げ、外出をしないように念押しをしていた。他の世界ではそのような電話をしてきたことはないというから、小此木は梨花が想定外の行動を取って計画遂行に支障を来たす可能性が高いと判断し、そういったことの無いように、梨花の警戒心を入江に向けさせようとしたと思われる。しかし、わざわざこのようなことを告げることで、逆により鷹野と山狗への疑いを強めるとは考えなかったのだろうか。現にこの電話をきっかけに梨花は大石に相談する行動を起こしている。小此木がそのような結果を想定していないとも考えにくく、むしろ、梨花が何らかのアクションを起こすことを期待して敢えて寝た子を起こすような電話をしたのではないか。
綿流し編・目明し編でも梨花の失踪後、村人による梨花の捜索が行われた際に山狗が捜索を行った形跡が見られない。もっともこれは実際には村の一員として捜索に参加していたが描写されていないだけかも知れない。しかし、そもそも梨花を警護(実際には監視)していたのであれば最後に梨花が訪れたのが園崎本家であることは明らかであるのに、園崎本家に潜入した形跡もない。あるいはそもそも梨花を監視していなかったのであれば、近いうちに自らの(あるいは鷹野の)手で殺害する予定であったにもかかわらず、行方をくらませるか、第三者による殺害あるいは事故死の可能性を全く想定してなかったことになる。
これらの要素からして、山狗は野村あるいは鷹野の指示には可能な限り忠実に行動するが、積極的に梨花の殺害を行う意思があったか、終末作戦を成功させる意思があったか、疑わざるを得ないのである。
小此木はこの作戦を戦闘職に相応しい活躍の場が得られるチャンスと意気込んでおり、作戦に参加する意欲は高かったと思われる。しかし、作戦が成功に終わることは実は望んでいなかったのではないか。
祭囃し編では女王感染者死後の集団発症説を「本当かどうかは分からない、クライアントは本当かどうかはどうでも良く、政治的アクションに使えるかしか興味がない」と評していた。小此木自身は集団発症説が説得力を失うことを内心では望んでおり、意図的に隙を作っていたのではないだろうか。
祭囃し編
小泉元大佐(小泉純一郎元首相がモデルとさてているが、作中の人物像はむしろ小泉親彦軍医中将・厚生大臣(1894-1945、第3次近衛内閣と東條内閣で厚生大臣を務める、1945年9月戦争犯罪容疑者として連合国軍から出頭を命じられた際に自死)に近いのではないか)ら東京の古老は戦前日本の再興を目指すことを掲げながら、実際にはそれすらも欺瞞であり、様々な事業を名目に裏金を各所へ流し込み、自らの利権としていた。小泉元大佐はDS版で追加されたシナリオでは海外の製薬会社から賄賂を受け取り危険な薬品とされていたローウェル社のプラシルを認可させ、さらにその改良型である新型プラシルの治験データを同社に売却していた。
この一連の事件には小泉派の政敵である千葉明彦前厚生大臣も関与していた。祭囃し編で赤坂らが捜査を中止させられた事件はこの事件だったかも知れない。小泉亡き後、旧小泉派や奥野・千葉派を失墜させるべく終末作戦を画策した野村(偽名)もこの事件に関わっていないと信じる理由はない。
*この記事中の人名・地名・団体名等は(文脈上明らかなものを除き)架空のものです。実在の人物・地域・団体などとは関係ありません。
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