恋愛に向いていない。
昨年の今頃は大好きだった人に振られた。
今年はと言うと、その後付き合った人と昨日別れた。
大学生の頃にmixiで繋がっていた人だった。
mixi時代にも「会いませんか」と言ってくれたけど、そこまでやり取りもしていなかったし、当時の私は「IT化社会怖い」(IT化社会は怖くない)という考えの人間で、ネットで知り合った異性と2人きりで会うなんて狂気の沙汰だと思っていたので
「私、ネットで知り合った人とは2人きりでは会わないようにしているんですよね。あなただけじゃなくて、誰とでも。」
と言って断っていた。
(今となってはつい最近までマッチングアプリをブンブンと回していたので、人って変わるものだなと思う。)
そんな彼が5年ほど前にマッチングアプリで私を見つけてくれて、その時に一度会った。
お茶をしただけだったが、相手があまり話さないので私はひたすら話しては飲み物を飲み、あげく飲み物を飲み干してしまい、気まずくて追加でポットの紅茶を頼み、お腹がタプタプになってしまった。
そして「もう会わん」と思った。
何やかんやあって連絡を取らずにいたところ、今年の夏ごろに「元気ですか」とLINEがきた。
「もう会わん」
そう思っていたけれど、ちょうどその頃仕事でボロボロで、婚活もうまく進まず、「もしかして人生って難しいのでは?」と感じていたため、「元気です!」(嘘)と返し、会うことになった。
その時は彼からも結構話してくれて、私は紅茶を追加で頼むこともなく、楽しいと思った。
「好き」とまでは思ってなかったし、自分のタイプである「ユーモアのある人」って感じでもなかったけれど、居心地が良かった。
2回目に会った時に告白された。
されると思ってなかったのでびっくりしたけれど、すごく勇気を振り絞ってくれたのだということが伝わってきた。
「私、ご存知のとおり年齢的に結婚に焦っています。それからまだあなたのことほとんど知らないし、私のことも知ってもらえてないと思うんですけど、それでもいい?」
と聞いたら「はい」と返ってきたので付き合うことになった。どこか他人の出来事のように感じた。
「緊張した・・・『今日、絶対に告白するんだ』と心に決めてきた・・・口の中カラッカラ・・・」
と言っていた彼の横顔を「尊い」と感じたことは今でも変わらない。
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その後何度か会ったが、付き合っているという実感が全然なかった。
すごく好きになってくれたことはありがたかったし、今までにない経験だったので、それに応えたいと思ってどこかで無理をしていた気がした。
彼も私に遠慮をしているみたいで、彼氏じゃないみたいだったし、付き合っていなければしないようなこともしてみたりしたけれど、心で繋がったりお互いを理解しているような実感は全然なかった。
相手が何に対して傷つくのか、何をされたら嬉しいのか、何を楽しいと感じるのか、何も分からなかった。
察するにはあまりにも会う回数が少なく、言葉で言って欲しかった。
小さな違和感はその都度潰したい派なので、強硬手段に出たこともあったが、結局理解できなかった。
理解するために色んなことを計画するのはいつも私の方だった。
会いに来てくれるのはいつも彼の方からだったから、どっこいどっこいかも知れないけど、この人は私のことを知りたいって思わないのかな。と不安になった。
彼の大切な人たちに会って彼のことを理解したいと思ったし、私の大切な人たちに彼にも会ってもらって「私はこんな人です」と言うことを知ってもらいたかった。
一度大きな危機を迎えた時、直接会って考えを伝え、仲直りした。
今となってもその時も向き合おうと思ったのは私だけだった気がした。
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先日、彼と今までで一番長く一緒にいた。
私が全てセッティングした県内プチ旅行だった。
なんだか楽しそうじゃなかった。
(じゃあ自分が企画したらいいのに)
と思っていた。
いや、いつもその気持ちがあった。
旅行から帰ったあとはどちらともなく連絡が少なくなった。
「全然自分が好かれてるという実感がなくて、どこか遠慮してしまって、それがストレスになって疲れてしまった」
「○○ちゃんは結婚を早くしたいって言ってたよね。でも、この旅行で2人でいるのって疲れるなと思ってしまってこの先結婚のことを考えると憂鬱になってしまった」
というLINEがきた。
「疲れる」「憂鬱」という言葉を選んできた時点で完全に冷めてしまった。
私は結婚に焦ってはいるけれど、心を通わせた人と結婚したい。
心が通ってない人のことは好きになれないし結婚まで考えられない。
つまり、彼のことはまだ「心を通わせたい」「知りたいし知って欲しい」という段階だった。
それに、大切な話はLINEですることじゃない。
もう完全に冷めてしまった。
私の好意と彼の求める好意の形が異なること、どうなっていきたいのかというビジョンが分からないことなどが原因だったけれど、好きになろうとした努力を全然見てくれていなくて、それを疲れると感じたのならもう相性が悪いとしか言いようがなかった。
「直接話したい」を3回スルーされたけれど、「会っても多分気持ちは変わらないからもう会うのいいです」と言ったら「そうだね」ときたので(なんなん?)と思った。
それでいて、決定打は自分では打たなくて私に打たせた。
もうどっちでもいいよ。私が打つよ。と思った。
好きになってくれたことへのお礼だけしてさよならした。
前の人に振られた時は泣いて、泣いて、竹内まりやを聴いて、泣いて、大黒摩季を聴いて、泣いて、藤井風の「帰ろう」を聞いて胸を掻きむしったが、今回の結末はむしろスッキリした。
長いこと悩み続けていた魚の目が取れたような爽快感だった(例えがひどすぎる)。
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LINEでの解散宣言の後、1日経って目覚めたとき、ふと彼に告白された日の翌日に大好きな先輩と会ったことを思い出した。
付き合い始めはルンルンなはずで、「綺麗になった?」なんて言われるのが定番じゃないですか?(知らんがな)
それなのにその日先輩は「なんかちょっと今日元気なかった?」とLINEをくれた。
私をよく知っていてくれる人の目にはそう映っていたみたいだ。
「先輩、すごいな」
思わず布団の中で呟いた。
先輩に会いたいな。
結婚に対する焦りと、卵子凍結を本気で考えるほどの恐怖と毎日一緒に過ごしているけれど、お互いに向き合える人と一緒に人生を歩みたいと思う。
恋愛に向いてないけれど、
結婚の前段階で恋愛が不可避なのが辛くて、
人生って難しいと思う。
でも、向き不向きより前向きに生きたい。
まだちょっと胸がヒリヒリするけれど、前向きだ。
今度先輩に会った時に「綺麗になった?いい恋愛してる感じ?」と言われるくらいになれていたらいいな。
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