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スマイル何円?
結婚はしたいけれど、お見合い写真は撮りたくない私。
先日、ソロハラ(ソロハラスメントの略、独り身でいることを執拗に攻撃してくること)の激しい母に負け、鉄球153個ぶら下げてるくらいに重い足を引きずって渾身の可愛い服を着て、ナチュラルに見える作り込んだ化粧をして写真屋に行ってプロフィール写真を撮ってきた。
(最近は『お見合い写真』ではなく、『プロフィール写真』と言うらしい。時代ですね。)
庭のある写真屋で、自然光の下、緑の木々に囲まれて撮ったり、やたら白い壁の前でユーカリの枝と共に撮ったりしてもらった。
出来上がった膨大な数のサンプルを見て、
「顔、パンパンだな?」
「口の中にコッペパン詰めてる?」
「えっ?妊婦?えっ?これ自前のお腹?」
「いい女風の表情がイラッとするね?」
など、思うところは色々あるが、なんといっても一番強く感じたのは
「私、笑えてない」
だった。
***
元来、私はよく笑う。
目が細いので、笑うとクシャッとなって、「めちゃくちゃ笑ってる」というような顔になるし、幼い頃から習っていたバレエで「笑いなさい」を強要(強要って言うな)されていたので微笑むのも割と得意。
なのに、どの写真も上手く笑えていない。
自分ではギュンギュンに、
否、ギュインギュインに口角を上げていたつもりだったのに、ギュインギュインでやっと真っ直ぐな口になる感じ。
そのことにすごくショックを受けた。
これは、マスク生活が続き、表情を作らなくてもよくなったせいだと思う。
そう、全部コロナのせい。
口が見えていた頃は、
「面白くもないのに口角上げとくのしんどい。めんどくさい。」
と思っていたけれど、今の不貞腐れたような表情はひどい。
心なしか顔全体がだるーんと下がっている気がする。
これは良くない。
とても良くない。
このままでは私の口角はいずれフェイスラインを超え、地面を突き破り、マントルを超え、ブラジルまで行ってしまう。
私の口角を見つけたブラジルの人がたらこと間違えてご飯に乗せて食べてしまうかも知れない。知らんけど。
早速口角を上げるべく、Google先生に聞いてみた。
どうやらマッサージと口を動かすことがいいらしい。
また、これはテレビで見たのだが、「ラナ」「チャタ」「キャカ」「チャタ」「シャサ」をそれぞれ「ドレミファソファミレド」のメロディーで言うといいらしい。
私は「シャサ」がすごく難しく感じた。
だが車で運転している最中にずっとやっていたらフェイスラインがシュッとした。
口角が上がるまでには至らないが、いずれ上がることを信じている。
だが、もっと早く、効率的に上がる方法はないだろうかと思い、検索したら、口角を上げるための器具や美容機器がたくさんあった。
中には3万円を超えるものもあって、椅子から転げ落ちた。
この機器を買って口角を上げた暁には、
「みなさん、ごきげんよう」
なんつって笑っては
(私の笑顔には3万円の価値があるのですわ)
とファビュラスな気分になるかも知れない。
買った人にぜひ感想を聞いてみたいものだ。
コロナ禍で色んな価値観が変わったけれど、自分の口角のお陰で、「スマイルにもお金がかかる時代が来た」と感じた気がしたような気がする(曖昧すぎる)。
追伸。
タイトルの写真はいつも口角が上がっている愛犬 ふく です。
追伸2。
LINEの流れから、お見合い写真撮った時のことを先輩に報告した時の私、可哀想。
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