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「もうかりまっか」と「ぼちぼちでんなぁ」のようなもの

我が社によくいらっしゃるお客様がいる。

その方は私の上司とよくこんな会話をする。

お客様「おお!◯◯さん(上司の名前)チビちゃんたち大きくなったか?」

上司「まだまだですよ!(お客様の)娘さんとこのお子さんたちのが大きいですよ!」

お客様「そりゃそうだ!わっはっは!」

***

先ほど「よく」こんな会話をする、と言ったのは、私が現在の部署に異動してきた1年半の間に3回は目にしたやり取りだからだ。

上司はそのお客様と以前の部署でも関わりがあって、聞けばもうその頃から何年にも渡って同じ会話をしているのだとか。

「私ね、何年も◯◯さんと同じ会話してるの」

と笑いを噛みしめるように打ち明けた上司を見て私は「うらやましい」と思った。

おきまりのやりとりがあるのは、
テンポ良いキャッチボールをしながら会話をしているようで、
見ていて私も仲間に入れて欲しくなる。

お客様が話したことをすぐに忘れてしまうから同じことを話すだけかも知れないけれど、
「◯◯さんにはチビちゃんたちがいる」
という情報はしっかりと覚えていて、そのチビちゃんたちのことを気に掛けているという姿勢が嬉しいと思う。

決して相手のパーソナルスペースは侵さない距離感のキャッチボールは、はたから見ていても心地よい。

「もうかりまっか」
「ぼちぼちでんなぁ」

みたいだ。

***

昨日そのお客様がいらっしゃって、ご挨拶をしたところ、

お客様「おー!中川さん(私)あんた背が高いなぁ!俺より高くないか?170センチくらいあるか?」

私「163しかないですよ。私、上げ底(ヒール)履いているから高く見えるのかも知れませんね。」

お客様「はっはっは!そうか!俺も170あっただけどなあ、歳を取ったら2センチくらい縮んじまった!はっはっは!」

という会話になった。

最後の「はっはっは!」で「ん?」と思った。

なんだろう、この既視感。

そうだ、前にも同じやりとりをした。

私も知らないうちにキャッチボールをしていたのだった。

#日記 #エッセイ #キャッチボール #もうかりまっか #ぼちぼちでんなぁ