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2017年11月28日の夢

こんな夢を見た。

最近、暴走車が人通りの多い場所に突っ込んでたくさんの人が怪我をしたり死んだりする事件が多発している。

その場に居合わせながら運良く助かった人たちは
「暴走車を運転していた人は目を見開いていた」
と口を揃えて証言していた。

「気を失って暴走した訳ではないのか・・・」

私はニュースを見ながら歯を磨いていた。

*****

ドラッグストアでお気に入りの柔軟剤をカゴに入れようとしていたとき、近くでガラスの割れる音がして、振り向いたら車が目の前に迫ってきていた。

動けずにいたら、車を運転する中年の女の人は確かに私の方を見ているようだった。

彼女の目は、何かに怯えたような、いや、何か怖いものに既に追いつかれたかのように見開かれていた。

そして右手に何か紙を握りしめていた。

こんなときに人はこれほど冷静に観察できるものなのかと驚いたが、これから「無」になる人間にのみ与えられた特別な力なのかも知れないと今では思う。

暴走車は私の隣にいた人たちを一通り轢いて、一番大きな柱にぶつかって止まった。

油の匂い、煙の匂い、粉々のコンクリートの匂い、生温かい血の匂い・・・

いろんな良くない匂いが鼻をついた。

車に乗っていた女性は亡くなっていた。
後で聞いた話だが、即死だったらしい。

彼女が右手に持っていた紙が私の足元に落ちていた。

「The Beatles」と書かれた紙だった。

その時、全身真っ白な服を着た老婆がニタニタしながら近づいてきて、通りすがりに
「ビートルズの最後の曲を聴くとああなるんだよぉ」
と呟いてどこかへ消えた。

*****

老婆に言われたことの意味が分からなかったが、ずっと心に引っかかっていた。

「ビートルズの最後の曲・・・」

気になった私は「ビートルズ 最後の曲」で検索をしてみた。

「The End」という曲がヒットした。

ビートルズはこの曲を出してから解散したので、実質的に「最後の曲」と解釈されるようだ。

「終わり」を意味するそのタイトルに身震いをした。

あの老婆が言ったことが嘘のように思えなかった。

元々あまり音楽は聴かないが、その日からさらに聴かないようになった。

音楽を避けて生きるようになった。

ただ、ラジオだけは聴いていた。

*****

仕事の忙しい時期が過ぎたので、気晴らしに空気が美味しいところに出かけることにした。

遠くだったけど、車で出かけた。

彼と私で途中で運転を交代をしながら山道を登って行った。

日が暮れてきた頃、ラジオのDJが

「それでは、つぎの曲紹介にいきます。ビートルズの最後の曲と言われている・・・」

と喋ったところで車のオーディオの電源を落とした。

彼は
「え?なんで切るの?ビートルズの最後の曲なんてすっげえ興味あるんだけど」
と残念がった。

「ごめんね、私、あんまり好きじゃなくって・・・」

と言った自分の声があまりにも震えていたので驚いた。

「体調悪い?寝てていいよ。起こしてあげるから。」

彼は心配そうに言ってくれた。

私は彼に甘えて寝ることにした。

肩をポンポンとされたとき、目的地に着いていた。

湖の近くのペンションが私たちの目的地だった。

洋風な作りの大きなペンションは、もうほぼホテルと呼んでもいいほどだった。

どこかのお金持ちが住まいにしていた建物らしかった。

体調が少し良くなったので、建物の中を探検した。

小さな扉を開けたらそこは倉庫だった。
倉庫の真ん中に台に乗った蓄音機があった。

初めて間近に見る蓄音機が珍しくて近づいてみたら、急に音が鳴り出した。

なにかの音楽のようだった。

(ヤバい・・・)

聴いたことのない曲のようだが、鳴り出した時点で危険を感じ、走って逃げた。

逃げた先はたくさんの人が行き交う共有スペースのようだった。

オーナーらしき上品なおじさまとぶつかってしまった。

「ごめんなさい」
と謝ったら笑って許してくれた。

優しい笑顔のおじさまだった。

「何か悲しいことでもありましたか?そんな時はこれが一番。」

オーナーは奥からレコードを持ってきた。

そこには「The Beatles」と書かれていた。

「イヤァァアーー!!!」

私はオーナーを突き飛ばして走っていた。

自分の部屋に戻ったら、彼はおらず、部屋の電話が急に鳴り出した。

恐る恐る受話器を手にした

「次はお前だ・・・逃げられんぞ・・・」

しわがれた老婆の声だった。

恐ろしくなって部屋を飛び出たらまた、共有スペースに来ていた。

自分の手を見たら、先程オーナーが持っていたはずのレコードがあった。

目の前にはレコードプレーヤーがあった。

吸い寄せられるように私はプレイヤーの方へ歩いて行った。

もう、なにも考えられなかった。


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