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ハイセンス具体例とハイセンス比喩

私が「この人、頭いいなー」と思う指標はいくつかあるが、そのうちの1つに「具体例がハイセンス」と「比喩表現がハイセンス」がある。

ハイセンスな具体例を提示するということは、物事を噛み砕き、よく理解し、さらにそれを分かりやすく面白く料理し、提供することだ。

ハイセンスな比喩表現は、一瞬でその特徴を捉え、短い言葉でその全てを表現する、という至難の技だ。

しかも瞬間的にそれらができなくてはならない。

それらがシュパッ!!っと決まる人に出会うとなんとも言えない快感がある。

最近出会った面白い比喩表現を2つ紹介したい。


秘伝のタレ

色んなプログラムを作ることが(多分)趣味な人がプログラムの提供渋りをした時、

「ケチ!みんなに提供した方が効率化するのに秘伝のタレみたいに出し惜しみしてケチ!」

と言っていた人がいて、「秘伝のタレ」って面白いな。と思った。
一子相伝なのかな。とか、プログラムを継ぎ足し継ぎ足しするのかな。とか色々想像してクスッとなった。

一升瓶片手にあぐらをかかないでください。

私は小鼓を習っていて、今、「紅葉狩」という曲をやっているのだが、この曲には簡単に言うと、紅葉が綺麗な山の奥で鬼が美女に化けて、重箱広げて上品ピクニックをしているところにもののふが通りかかり、「ちょいとそこのお兄さん、こちらにお掛けなさいな。一緒にお酒をおあがりなさいな。」と誘う場面がある。

上品に誘うシーンで私は大層荒々しく掛け声を掛け、荒々しく打ってしまったところ、先生が言った言葉がそれである。

「そんなに荒ぶらないでください。中川さん。それでは綺麗な女の人が上品に誘っているように聴こえません。一升瓶片手にあぐらをかいて『こっちにいい酒あんぞ!』と呼んでいるように聴こえます。一升瓶片手にあぐらをかかないでください。」

と注意された。

注意されたことよりもその比喩表現すごいな、と震えた。

「先生、本当ですね。私、今、一升瓶片手にどっこいしょしてました。」

と知らないうちに言っていた。

***


その他にも、地名や他人の名前などを漢字でどう書くか聞かれた時に上手く説明できる人も頭が良いと思う。

自分の名前は説明しなれているので、簡単に分かりやすく説明できるが、地名や他人の名前は慣れていないから、思考の瞬発力が求められる。

普段から気心の知れた人と「この漢字、どう書くんでしょうか?」と不意に聞く特訓をしておくと、もしもの時に役に立つかもしれない。

A「『よしたかゆりこ』ってどう書くんですか?」

B「吉祥天の『吉』に高嶺の花の『高』、理由の『由』にたけのこの里の『里』に子どもの『子』ですよ。」

という思考の瞬発力筋トレが効果的かもしれない。

言葉と思考のアスリートいいな。憧れるなー。

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