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【ShadowCorridor2】禍津分神 神話 全まとめ

禍津分神 神話

禍津分神 神話 1

太古の昔
人々がまだ神を知らず
岩を砕いて道具とし
精霊を畏怖し巨石を崇めていた頃
山影にひっそりと湧き出る美しい沢をみつけて
人間たちが村落を作った

その湧水をたたえた美しい沢は
時折美しい龍となって人前に現れた

禍津分神 神話 2

人間は龍を敬愛し
龍は人間を優しく見守った
龍と人間は巫女を通して心を通わせ
龍と巫女はやがて夫婦となり子宝にも恵まれた

禍津分神 神話 3

ある時 厚い雲が山々を覆い
雨が延々と何年も降り続けた

止まぬ雨は花を腐らせ種を腐らせ
飢えたる屍の山を腐らせ
人の心を腐らせた

禍津分神 神話 4

山が死臭に満たされ沢は穢れ
そして疫病が村に蔓延すると
多くの村人と同じくして
巫女とその子供達も病に伏した

巫女は最期に龍の立派な鼻下の髭をひと撫ですると
愛の言葉を囁いて永遠の眠りについた

禍津分神 神話 5

龍は悲しみ山々に咆哮を響かせながら
巫女の亡骸に手向ける花を探した
しかし探せども探せども
花はどれも長雨で腐り落ちていた

禍津分神 神話 6

然れども龍は咆哮を響かせ花を探し続けた
龍は巫女が花を愛することを誰よりも知っていた
そしてついに龍は山間の影の中に
鮮やかな青を見た

禍津分神 神話 7

それは長雨にも腐ることなく
凛と咲き誇る最後の一輪
美しい四葩の花であった

龍は四葩の花に恭しく首を垂れると
その花に誓いを立てた

禍津分神 神話 8

龍はこの恩を忘れない
龍はこの罪を忘れない
龍はこの悲しみを忘れない
龍はこの美しさを忘れない

そして龍は四葩の花を摘み取ると
横たわる巫女の胸元に添えてやった

禍津分神 神話 9

巫女を四葩の花と共に埋めてやると
龍から一季の涙が落ちた
すると巫女を埋めた土からみるみると若葉が芽吹き
あっという間に成長していった

若葉はその勢いのまま龍の体に根を伸ばすと
龍の体に根付いてしまった

禍津分神 神話 10

龍に根付いた四葩の木は青く輝く美しい花を咲かせ
その輝きに触れた者の病魔を払った
巫女との子供達 そして村人達の病魔を払った龍は
降り続く長雨を治めるため
山奥の水鏡をくぐり 禁足の地を訪ねた

禍津分神 神話 11

その地で龍は精霊を訪ねた
精霊は災いと恵の力が混濁し渦を巻く
途方もない水の力そのものだった

渦は恐ろしい穢れをまき散らしたが
龍の体に宿る輝く四葩が
穢れを浄化し龍を守った

龍は雷鳴を呼び矛に纏わせると
大渦の中心を貫いた

禍津分神 神話 12

大渦の勢いが衰えたとみるや
龍は渦を残らず飲み干して
自らの体の中に封じ込めた

そして龍の身に宿る四葩の木は
龍の中の大渦から湧き上がる
途方もない穢れを吸って巨木となった

巨木はあまりの大きさに龍を飲み込み
龍と一体となると その地に根付いた

禍津分神 神話 13

龍は二度と此度のような災が起こらぬよう
顎の髭から無数の分身を生みその力を借りようとした

しかし分身のほとんどは巨木に縛られた
龍の言うことを聞かず方々に散ってしまった

次に龍が鼻下の立派な左右の髭から分身を作ると
それぞれ力ある立派な分身が生まれた

そして龍は自ら鱗を剥ぎ 涙を一雫流すと
それぞれを募下の髭の分身に託した

禍津分神 神話 14

分身が1つを右ノ八文雲継といった

龍は右ノ八文雲継に剥いだ鱗を持たせ
それを楔として禁足地の各地に打ち付けさせた

楔は結界となり龍をその腹の中の大渦ごと
巨木の中に封印した

その仕事を終えると右ノ八文雲継は
龍と大渦の封印を守るため
禁足地の境界の守護者となった

禍津分神 神話 15

分身が1つを左ノ八文童子護といった

龍は左ノ八文童子護に涙を一雫持たせ
それを巫女の子に代々継承させた

龍の涙を受け継いだ巫女の子は神子となり
巨木の結界から漏れ出る穢れの浄化を担った

禍津分神 神話 16

そして龍は最後に右ノ八文雲継と
約束を交わした

遠い未来 龍が長えれに支配される日が来たなら
その時は龍を殺し その力を受け継いで
再び大渦を治めよと

それを最後に龍は結界に閉ざされ
二度とその姿を見る者は無かった

禍津分神 神話 17

そうして龍は大渦の災厄を治め
長く降り続いた雨は止んだ

それからといもの
災いは転じて恵となり
雨は適度に大地を潤し
人々は繁栄を謳歌した

禍津分神 神話 18

龍が眠る清浄なる四葩の巨木
そして降り続ける恵の雨を讃えて
禁足地と忌避されたその地は
いつの頃からか雨ノ四葩と呼ばれるようになった

禍津分神 神話 19

今も彼の地に龍は座し
荒れ狂う腹の内は休まる時を知らず

龍は誰が為 その身をす
その穢れに塗れた御身こそ
禍を分かつ津の神なり

最後に

本記事は画像からテキスト読み込みしたものなので、
もしも誤字があったらすいません。🙏

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