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初めての山下達郎ライブ体験について

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2022年8月27日土曜日、私は初めて山下達郎のライブを体験することとなった。忘れられない日だ。

ライブレポの前にまずは私と山下達郎のうすっぺらい歴史を辿ってみよう。
いいからレポを読ませろという方は飛ばしてね。

初めて山下達郎の音楽に触れたのは幼少期、テレビ番組「ポンキッキーズ」でかかっていた「パレード」だ。幼少期といっても小学校低学年くらいか、その頃この楽曲についてどう思ったかは覚えていない。でも嫌いじゃなかったはず。ポンキッキーズいい曲いっぱいあったよね。

時は過ぎ私は高校生になった。その頃好きだった音楽は奥田民生(これは今でも)・木村カエラ・くるり・ビークル・cupsuleなど・・・立派なロキノン厨だった。
そんなとき同級生で仲の良い友達からなぜかアルバム「COZY」を貸してもらった。私が何かのCDを貸したお返しだったのだろうか、経緯はさっぱり覚えていないけど、貸してもらったことだけは強烈に覚えている。そして、当時は全くピンと来なかったということもハッキリと。それからこのアルバムをちゃんと聴いたことはないから今聴くとどう感じるか気になるところ。この間、1曲目の「氷のマニキュア」だけ聴いてみたら、好きだった。やはり感じ方は変わるのね・・・。

さらに時は過ぎ2020年、未曽有の時代がやってきた。突然だけど私はTHE COLLECTORSというバンドが大好き。その大好きなバンドの大好きなギタリスト古市コータローと、SMILEのボーカル浅田信一の二人でやっているアナログモンキーズというユニットが、配信ライブを行った。二人のお気に入りの歌謡曲のカバーを中心に披露されとても素敵だった。その中でひときわ「この曲いいな~!!なんて曲だろう!!」とひっかかったのが「RIDE ON TIME」だった。聴いたときは山下達郎の曲だと分からなくて、調べてからは何回も動画サイトなんかで聴いて「めっちゃいい曲だ~!!!」とテンションがぶち上がった。それからつらつらとインターネットに甘んじて主に80年代のノリノリの曲を聴いて楽しんだ。
それからぼちぼちアルバム「RIDE ON TIME」「NIAGARA TRIANGLE Vol.1」を入手し楽しんでいた。この2枚についてもいろいろ言いたいことはあるけど今回は割愛。(RIDE ON TIMEについては以下のレポでも少し触れる)

その頃からたまにサンソンことサンデーソングブック(ラジオ)を聴くようになった。かかる曲のことは何も分からないけどやはり達郎さんの選ぶ曲だけあって聴くだけで日曜日の質がぐっ!!!と上がる気がした。ボヤきも最高。

そして2022年。このときまでに山下達郎の掘り下げは全然進んでいなかった。持っているオリジナルアルバムは変わらず「RIDE ON TIME」だけ。そこに突然新譜の「SOFTLY」が加わることになる。新譜が出るんだー!へー!買うかあ!くらいの感覚で別に待望の、とかではなかった。
発売日数日後に実店舗で購入。なんとなく通販ではなくて店で直接買いたかった。直接手に取って買いたい、ってあるよね。新譜が!!良い!!近年の山下達郎の楽曲を聴いたことがなかったけど、新譜めちゃくちゃ良い!と思った。お気に入りはリード曲の「LOVE'S ON FIRE」最初に聴いたときは面食らってしまい、なんだこのイケイケのアパレルショップでかかってそうな曲は・・・?と思ったけど、聴いてる内にだんだんハマってしまいもう最高に好き。だって
「いつまでも待ってる 独り占めに出来るなら 何度だって言える  『愛してる』って叫びながら 火に包まれ 夜を照らし 焼き尽くして 灰になって 降り注ぐよ あなたへと」
だよ??こんな情熱的な・・・!もうめっちゃ好きです。

とにかく総じて新譜がよかった。
から!ツアーの情報を聞きつけ申し込んでみた・・・のかと思ったら遡ると順序が逆だった。ツアー申し込んでから新譜を買ったようだ。既に記憶がごちゃごちゃ。
全国ツアーで地元に来てくれるなら一度は生の声と演奏を聴いてみたい、というとてもピュアな気持ちでファミマ先行なるものに申し込んでみた。当たったらラッキーだな~くらいの気持ちで。外れても新譜が良いからいっかあくらいの。それが当たった。やったー!!!!!完全なるビギナーズラック!

ライブの日までとにかく新譜を聴いた。あまり時間とか気持ちの余裕とかがなくて(ただの不真面目)ほかのアルバムは全然聴けなかった。途中で達郎さんご本人がコロナにかかってしまったり、メンバーの方がコロナにかかったり・・・公演日一週間前にそのニュースを聞いて、ハラハラ、ドキドキ(負の)、気は休まらなかったけどなんとか無事開催されることとなった。本当によかった!!

そんなこんなでやっと当日。
バス停にはちらほらタツローファンらしき人々。ライブ前まで付き合ってくれた友達はファンの人がバッグにつけているタツローくん人形を見て「思ったよりかわいかった」と。どんなリアルな山下達郎人形を想像してたんだw
バス停で友達と別れていざ会場へ。
今回の会場は奥田民生・ユニコーン・スピッツなどで行き慣れていた福岡サンパレス。すり鉢状になっていて見やすいホールだと思う。こんな自分が行き慣れたホールで初山下達郎が観れるだなんて!と参加が確定してからとても楽しみだった。

会場に着いたらとりあえずグッズでも・・・とグッズを眺める。Tシャツがかわいい!クマのキーホルダーかわいい!記念にツアーパンフも買うか!と3点購入。知り合いもいないので席へ直行。今回当たっただけでも超ラッキーだったのに席も超超ラッキーでなんと1階9列目。いや、今までサンパレスで観たどのライブよりも近いんですけど!!!スピッツなんて3階席でちょっと眠たくなったこともあったし!初めてのくせにとんでもなく良い席で申し訳なささえ湧いてきた。まあでも私の席なんで。上手寄りだけど寄りすぎでもなくちょうどいい感じ。ひまだしツアーパンフでも見るか。いや、年表がとんでもない。この時間に読み切れない。歴史がやばい。
そうこうしていたら開演時間に・・・。

ここからがやっとレポです。(上の2500字は何)
開演のビーーーーーッて音が鳴った・・・のかな・・・(曖昧)ステージにぞろぞろとバンドメンバーが登場。いや、ステージの人多っ!このぞろぞろに紛れて達郎さんも出てくるのかな・・?どれだ・・?とぞろぞろを目で追っていたら、少し遅れてひときわまぶしいオレンジのシャツで達郎さん登場。スポットライトに照らされてほんとにまぶしかった。そして何も言わずに、1曲目「SPARKLE」のイントロのカッティングが響き渡った。達郎さんのカッティング。もうこれだけで、感情が爆発しそうになったのか、濃縮されたのか、涙がこみあげてきてしまって意味が分からなかった。本当に初めての感覚で、どうしたらいいのか分からなくて、険しい顔で聴いた。事前にセトリはぼんやり見ていて、この「SPARKLE」が定番曲であることは知っていたし、やるんだろうなーとは思っていた。まさか歌声を聴く前に、ギターの音だけでこんな気持ちになるなんて・・・ただただびっくりした。初めての体験。もう、あの「初めて生のSPARKLEを聴いた」ときの感覚ってあれきりだと思うとさみしい。すなわち最高だった。

それから立て続けに!演奏を途切れさせることなく!「あまく危険な香り」と「RECIPE」が演奏されてほんっとーーーーーに最高だった。勝手なイメージで大御所でしかもバンドメンバーがめちゃ多いから曲と曲の間の転換が長いんじゃないかな、と思っていたのだ。それを華麗に裏切る頭の3曲の流れるような演奏!あまりにもホットな構成でハート鷲掴み。特に「RECIPE」がめっちゃくちゃよかった、音源とは違ってグルーヴ感が増しているというか、こんなにライブ映えするんだ!!とさらに好きな曲になった。これはほんとにまた聴きたい。来年のツアーでもやってほしいなあ。

「人力飛行機」こぶしを握って歌う姿が印象的だった。こんなに感情込めて歌う人なんだなあと笑 そもそも動く山下達郎を初めてみるもんだから、その姿ふるまいすべてが新鮮。
最初の3曲は続けて演奏したけどそれからは1曲終わるたびに達郎さんのひとりMCが入る。ラジオばりにしゃべる笑 細かいニュアンスは忘れたけど、「こんな鬱屈とした世の中だから、明るい歌を。これは自分も気に入っている明るい歌です」と紹介された「MUSIC BOOK」、好きな曲だからめちゃうれしかった!めっちゃよかった~!!達郎さん自身も好きな曲なんだなと知れてさらにうれしかった。しみた~。ほんっとにいい曲だよね・・。

レポが一生終わらない気がするのでちょいちょい端折るよ・・。
「君は天然色」カバーは会場が盛り上がった!!隣でちょっとねむそうにしていた男性も飛び上がって喜んでいた。私もまさか聴けるとは思ってなくてラッキー!めちゃよかった。

夏フェスでもやると聞いていた「クリスマス・イブ」きた~!!ステージ後方にリースが下りてきて会場はこのときだけ完全にクリスマス仕様に。8月終わりのクリスマス。山下達郎と過ごす初めてのクリスマス(?)。生で聴くのは初めてだけど安心感さえ覚えるような・・・職人の熟練の技を見た、という感じだった(曲の感想?)

「シティポップやります」からの「BOMBER」~「SILENT SCREAMER」はかっこよすぎて!!さいっこーーーの最高。語彙力を失う。ベースもギターも最高。
「LET'S DANCE BABY」が始まると客席がそわそわし始める。ここからメドレー・・・に入る前に例のクラッカー鳴らしが入ったかどうか失念。そう、この曲では客が手持ちのクラッカーを鳴らす、というとんでもないイベントが発生するのである。このことは事前に知っていたけど私はクラッカーを用意できず手ぶら。またこのクラッカーを鳴らすタイミングが難しく、けっこうみんなずれてて「パパパアン!」くらい鳴ってたw自分は鳴らせなくとも会場に響き渡るクラッカー音と立ち込める火薬の匂いだけでなんともエキサイティングな気持ちになった。次は絶対鳴らしたい!!

ここからのメドレーが目まぐるしくw詰め込みまくり。「高気圧ガール」フルで聴きたい!
この日いちばんの盛り上がり「ハイティーン・ブギ」「アトムの子」もう会場大爆発という熱気に包まれた。私はどちらの曲も知らなかったのだけど、とにかく盛り上がっている!!すごい!!ということだけは分かった笑
「アトムの子」の間に「鉄腕アトム」を挟むお茶目な達郎さん。「ARTISAN」まだ買ってないので買います!!

アンコール。アンコール1曲目は「THE THEME FROM BIG WAVE」これまた知らない曲だったんだけど、「夏の終わりを惜しむ曲です」との紹介通り季節にぴったりで流れるような曲調が切なくてとってもよかった。アルバム「BIG WAVE」買った!すっごいよい。

「RIDE ON TIME」山下達郎を聴き込むきっかけとなった曲だったから聴けてよかった~!もう貫禄がすごい。このときマイク通さず生声披露だったかな。ステージ後方のお立ち台みたいなところに立って、生声で歌う!これがこちらに届くんだからとんでもない。ひえ~~~となった。すげえ・・・(語彙)

このあたりで、あれ、もしかして私の大好きな「LOVE'S ON FIRE」やらないのかな~?絶対やると思ってたのに?もはやこの曲で踊るためにお気に入りのピンクのコートを着てきたのに?とぼやあ・・と思い始めたところに、「この会場のみなさんひとりひとりに向けて、この曲を歌います」と「いつか(SOMEDAY)」が歌われてさっきの気持ちは払拭された。この曲ほんとうに好きで・・・初めて買った山下達郎のアルバム「RIDE ON TIME」の1曲目なんだけど、もうほんとうにいい曲。たまたますごく落ち込んでるときにこの曲を聴いて、「だからいつまでも顔を曇らせ つらい日を送る事はない」という歌詞と、寄り添って歩いてくれるような曲調に心が救われた。この曲が聴けてよかった・・・。

「Your Eyes」でライブは終了。トータル3時間弱!ほんとうに夢のような時間だった。
全然書き切れてないけど、ドゥーワップもよかったし、鍵盤の弾き語りもよかったし、ハンドマイクで客を煽る達郎さんもよかったし、バンドメンバーの演奏めちゃめちゃやばかったし(ソロ回しがえぐかった!いつまで回すんだ~?!となった笑)、めちゃくちゃ濃厚な3時間だった。
達郎さんは「皆さんがまた1年間、元気に過ごせるような、日々の活力になるような、そんなセットリストを考えてきました」と仰っていたけどほんとうに言葉通りのパフォーマンスだった。

頑固な職人、であるのは間違いないけど、ライブでの出し惜しみなしの全力のパフォーマンスは全ては会場に足を運んでいるお客さんのためで・・・こだわり抜かれた音、楽曲、その歌声、そしてその「すべてはお客さんに楽しんでもらうために」という姿勢に完全に心を打たれてしまった。そんな人だと思ってなかったから(笑うとこ)

てか69歳めちゃくちゃ元気。声めーーーっちゃ出る!すっごい!!!絶対またライブ観たい!!
ここまで読んでくれた奇特な人ありがとう。ラブ。

ここのとこ元気なかったけど、ファンクラブ入会を検討し始めたよ。

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