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愛すべき行きつけたち/それはそれとして

 お気に入りの店がいくつかある。
 行きやすく、雰囲気がよく、色々な面から買い物がしやすい。良い買い物体験を提供してくれる。
 そして何より扱いっている商品が好みに合う確率が高く、価格帯もまぁどうにかなる範囲に収まっている。というとても良いお店たち。

 しかし最近、買い物がオキニの店に偏りすぎている気がする。

 当然お気に入りになる前からある程度下調べしてお店選びをしているし、良い体験の再現が取れたからまた通うことになっている。
 もちろん使える金額の話もある。好きな店で適切に消費活動をした結果、可処分所得の余裕がなくなっているというのもその通り。
 なんだけど、あまりにも自分の行動に変化がないとそれはそれで不安になる。

 当然、抵抗もしている。
 行ったことのない店の開拓をするパートも作っているし、通りすがりで気になった店にもなるべく入ってみるようにしている。
 しかしこう、大体のパターンで「結局いつもの店がいいな」となる。
 初見の店に行ってもバイアスは排除するよう意識して、買い物の吟味はいつも通り行っている。それでもなかなかどうして、自分にとってはいつもの店を超えてこない。

「それなりに良いな」と感じる物があっても「いつもの店で見たアレと比べると……あっちのほうが良いな」となってしまったり、気に入って手に取ってよく見たらいつもの店でも取り扱いのあるブランドだったり。そしてどうせお金落とすなら馴染みの店がいいよね、となったり。
 そうやって結局いつものお店に帰結しがちだなぁという今日このごろ。

 そりゃあこれまでの打率が高かったから「よく行く店」になってるわけで、さすが俺のお気に入りたち、ともなるわけですが。
 お店の価値観と自分のそれが近いというのももちろんなわけで。

 一方でいつも通りの場所でばかりお気に入りが見つかるというのは自分の価値感覚が凝り固まっているのではないかという懸念もある。
 なるべく好き嫌いは固着させたくないし、色々興味を持つ自分は維持していきたい。
 どれほど現状の手札が強くとも、新規開拓はなるべくしていきたいなと思っている所存です。 

 贅沢な話ですねぇ……

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