勝手に読後レビュー【いけないⅡ】 ~これはもう上質なホラーじゃないですか?~
どうも、みことのは です。
最近、読書熱が高まって、結構速いペースで読了できています。読書の秋・・・というほどまだ秋の感じは無いですが。
とは言っても、また悪い癖でミステリーばっかり読み続け、自分の中の暗黙のルール【小説と学びを交互に】が瓦解しかけています(汗)
そんな中、今回も新作ミステリー小説。しかも、シリーズものです。
前作も読んでいますが、特に登場人物のシリーズ化ではなく、【物語のスタンス】のシリーズ化ですので、この新作だけを読んでも、面白く読めます。
好きで読んでいる作家さんが何名かいらっしゃいますが、
道尾秀介さんもその一人で、【カラスの親指】や【カエルの小指】、本作【いけない】や【N】など、物語の中のトリックはもちろん、【小説の中の+αの遊び心】もあって、一味違う感じが面白いです。
尚、今回もなるべくネタバレが無い様に留意して書いていますが、ストーリー・流れ等に触れる事もありますので、その点はご容赦ください。
1、 ミステリー小説?【いけないⅡ】の概要
そもそも、タイトルにも書いています通り、【これはミステリーか?】と疑問を投げつけたくなるくらい、めちゃくちゃ怖いです!私がビビりなのかもしれませんが、書籍の文字を読んでいて【怖さ】を感じてしまうほどの本です。なので、この小説は上質のミステリーでありながら、上質のホラーでもあると思います。
お話は4つの短編で構成。
文庫化された前作【いけない】とはストーリーは繋がってはいません。では、なぜシリーズ化されているのか?
この【いけない】シリーズは、ただの短編集ではなく、【1つ1つの短編の最後のページに写真(画)が差し込まれている】、いわば体験型ミステリー小説とでもいうのでしょうか?そんなスタンスの小説です。
そして、その最後の写真を見る事で、【読み終わった内容との違和感】にゾクゾク騙されるという手法。ミステリー小説としても面白いのに、その仕掛けも謎解きみたいで面白い!そんな作品です。
しかもその写真、一見するだけでは理解できにくい、少し作者からの挑戦的なレベルでもありますので、理解できた時のどんでん返し感はさらに高まると思いますよ。
2、 各章の感想を少しずつ
ここからは、各短編について1つ1つ少しずつではありますが、感想を書いていきたいと思います。なるべく中身に触れないように(笑)
・明神の滝に祈ってはいけない
お話の中で語られる、暗さ、冷たさ、匂いが非常に怖い作品でした。
・首無し男を助けてはいけない
ひとつ前のお話に比べたら暗さも無く、でもなんだか蒸し暑さを感じる様なお話でした。
・その映像を調べてはいけない
全4編の中では、一番ミステリー小説っぽい内容ですね。【あぁ、ミステリー読んでる】感を一番感じました。
・祈りの声を繋いではいけない
読後、いろんな感想と怖さを感じさせられました。点は線で繋がります。
もう一度、前作も読み返してみようかな と思わせる面白さでした!
怖いんですけどね(汗)!
ですが、次に控える書籍も買ってしまっているので、またの機会に。
ご興味あれば、是非ご一読ください。
では、また。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。