ダニエルレビンという男 2(2022/10/14追記)
ブラックサバイバルのキャラクター、ダニエルレビンの話をします。
前回の記事はこちら。いや半日前に上げた前回で「時間かかりそうだから一旦終わります」って言ったのに書き始めたら楽しすぎて完成してしまいました。
今回はスキンの話です。
デフォルトスキン
ダニエルの基本となるイラストであり私が世界で一番好きなイラストです。ファンキット(ファン制作コンテンツに公式の画像や音声を使っていいよという趣旨で公開されているデータ集)に印刷にも使用できる超高解像度のものがあるのでぜひそれもご覧ください。
完璧なお顔と完璧なスタイルをしています。ロングコートの裾で途切れるので一瞬誤魔化されますが脚が5kmあります。この画像の半分以上が脚。ありがとうイラストレーターさん。
前回の記事でも触れたようにダニエルの髪は好みで伸ばしている訳ではなく「他人に荒らされたくない」という理由で伸ばしています。そのため服は長髪が不格好にならないものを選んでいる可能性があります。
自分の髪という最も身近な素材を作品として完璧に仕上げる事ができないながらも、手入れされていないだけの醜いものに見せないために努力する美意識の高さが伺えます。
全身をタイトな黒のレザー素材とシルバーで統一した中でロングコートの裏地に髪に近い色味を持ってきてるの最高ですね。頭と下半身に同じ色味のいずれも風になびくものが存在する事で髪色が悪目立ちしなくなり、ただ伸ばしているだけの長髪が完成されたスタイルとして成立します。
このスキンの好き好きポイントですが片手をポケットに入れている事です。
芸術活動が全てでありそのために殺人も辞さないダニエルですが、ちょっと格好つけてポケットに手を入れちゃうんですね……。可愛すぎる……。上記のように作品にできない素材のためとはいえ全身のコーディネートを一生懸命に考えている訳で、血のついたハサミを構えている事すらも自分の演出として自覚して選んだポーズかもしれません。
だいたい私はダニエルの経歴を読み込んで「この人は失った子供時代に今も縛られてるな~」と思っているので、こうやってどこかに勝手に幼さを感じ取るたびにめちゃくちゃになります。なりました。
なお、ブラサバのスキンは1行ほどの解説や台詞が添えられています。
このスキンは「蝶を壁に固定するには鋭いピンが必要だ」です。対戦のマッチング開始の時にボイスも再生されます。
ダニエル関連で蝶という言葉が出てくるのは多分この台詞だけですが、芸術のために殺人を犯して死体を作品と呼ぶ男に蝶の標本はあまりにも美しいモチーフでした。そのため蝶の標本を添えたファンアートが多数存在します。
この台詞を考えた人、生涯何の不自由もなく幸せに暮らしてほしい。
美容師
実装と同時に発売されたスキンです。ブラサバは新キャラクターの登場と同時にスキンがひとつセットで登場します。大体が「そのキャラの象徴的な姿」のスキンです。仕事中とか学生なら部活中とかそういう感じです。ダニエルは仕事中の姿でした。
こちらもエプロンで遮られて誤魔化されますが脚が10kmあります。
このイラスト、原寸サイズのデータを拡大すると分かるのですが、顔の美しさと表情が最高です。
見てくださいこの世界最高峰の顔面。
この表情で見据える先にいるのはお客さんですが、ダニエルにとっては完全に作品の素材です。じっくりと観察してどんな作品に仕上げるか構想を練っている顔です。相手を人間として見ていない目なんですよ。
ダニエルに担当された客はもはや自分の髪が自分のものではなくなる恐怖や諦めを感じながら身を委ね、作業が終わってみると経験した事もないほど自分に似合っている髪型が完成していて衝撃を受ける訳です。そんなギャップ見せられたらどれだけ怖くても次回も指名してしまう。
最初のデフォルトスキンでも語りましたが、この服装も長髪が浮かないように考えられています。インナーのシャツの色を髪色に合わせつつ、黒以外の色を足しています。
更にジャケットの黒はやや軽いもの、裾をロールアップしたデニム、靴はローファーなど、デフォルトスキンと比較して非常にカジュアルになりました。これが店に立って接客する事を考えて少しでも威圧感を減らそうとした結果なのか、エプロンのベージュと合わせるためのコーディネートなのか、単純に本人の趣味なのかはわかりませんが、もう私はダニエルという男が単にクローゼットが真っ黒なタイプではなく色のついた様々な素材の服を持っていて毎日コーディネートを考えている可能性に触れて世界に感謝しています。この世界に洋服があって良かった。ファッションの概念があって良かった。多種多様な服を生み出した歴史ありがとう。
また、特筆すべきは肌の露出の多さです。2022年7月現在、ダニエルのイラストの中ではこのスキンが最も肌が出ています。つまり実質水着スキンです。登場と同時に水着が実装される男、世界に期待されている……。
台詞は「私の目は、貴方の趣味より正確だ」です。
接客業にあるまじき上から目線。先に書いた通り、相手を素材として観察する目が印象的なスキンの台詞として完璧です。
マッドアーティスト
こちらはやや特殊でアグライアパスというコンテンツのスキンです。
最近よくあるログボが豪華になる〇〇パスですが、ブラサバではストーリー要素としての実装でした。毎日クエストをこなすと3人のキャラクターを軸にしたストーリーが解放できて、その内容を反映したような3人のスキンが入手できます。
基本的にデフォルトスキンをベースに描かれたものが多く、ダニエルは黒のレザーとシルバーで統一…と見せかけて白のセーターや結んだ髪などエッチなお姉さんの記号が盛り込まれました。
このスキンは表情がいかにも話の通じない狂人といった感じに描かれてるのが大好きです。
瞳がピンク色に光っているような塗り方ですが、紫の瞳は興奮すると赤くなるらしいので興奮してる状態かもしれません。
台詞は「ただ、ほったらかしにされていた髪の毛に手入れをしてあげようと思っただけだ。」
完全に殺した所ですね。これは興奮してて当然です。
でもストーリーではスキンの印象通りにダニエルの狂気が描かれるということはなく、「一緒に行動しているうちにどう考えても情が移っているダニエル」「実験に対する心情を漏らすダニエル」「仲間をかばおうとするダニエル」「探し物をする時はゴミ箱をすぐに見るので読者に幼少期の経験を想像させるダニエル」などが描かれていて非常に興味深い内容になっています。というか本筋がゲームの世界観の核心に触れかねない内容だったので、何故このストーリーに新参(実装から半年)のダニエルが…!?と私がざわめきました。いつかこれ単体で記事にしたい。
ものすごくどうでもいい話ですが、一時期このスキンを超強い人が愛用していたので、名前が伏せられる対戦コンテンツでこのスキンを使うとびっくりするくらい人が寄ってこなくなりました。虎の威ってすごいなって思いました。
ウェディングスーツ
ダニエルが初めてガチャに登場したスキンです!!!
ちょっとした曰くつきで、本来ならシルエット予告→スキンイラスト→パッチノートという順番で公開されますが、このスキンの時だけは休日などの都合があったのか予告→パッチノート→イラストの順でした。
シルエットでダニエルなのはほぼ確定していましたが、なぜかイラストより先にパッチノートで「ウェディングスーツダニエル発売」の文字だけが発表され、平日しか告知がないためイラストは土日を挟んで月曜日までお預けという、後にも先にもこの1回だけの謎の状況に陥りました。
ダニエルである事は分かってるのにイラストが見れない2日間、余りにも過酷だった…。
このスキンはダニエル初のガチャであると同時に初Live2dスキンでした。
ブラサバのLive2dはガチャの目玉商品とかちょっと入手コストが高いスキンとして実装されています。
販売の前日にプレビューとして、花束から飛び出ている茎の折れたバラを切り落とし、こちらを見て妖艶に微笑むモーションが公開されました。
ダニエルが初めて笑顔を見せた日です。
Live2dスキンには成功・失敗・攻撃・被撃・驚き・睡眠・勝利など様々なモーションがあり、更には対戦中に体力の低下に合わせて苦しげな表情に変化していきます。ゲーム内のダニエルは笑顔以外の表情をも手に入れました。
優勝時の花束を顔に寄せる姿、余りにも美しいので大量のスクショがある。
表情が全体的に幼くて最高なんですよね。体力低下時は今にも泣きだしそうな頼りない顔で、驚きは目を見開いて口を大きく開けて、失敗や成功は自分の感情をそのまま出したような感じでした。他人にどう見せるかを考えない幼さがあるんですよ。
台詞は「傷んだバラに少し手入れをしただけだ。なにか問題でもあるのか?」
マッドアーティストの台詞と似た言い回しなので、ここで「ダニエル構文」が生まれます。
ダニエルは日頃からこういう言葉遣いや思考をしてそうです。あくまで自分は悪くない。自分のしている事は正しい。
ここでボイスの話になりますが、ダニエルは敗北時に「私は間違ってなどいない…間違っていたのは貴方の目だ」というボイスが存在します。殺し合いの実験における敗北、つまり死ぬ瞬間まで、ダニエルは自分を正しいと言い張っているのです。
自分の技術や作品へのこだわりの強さによる発言だと考えられますが、幼少期にヴィクターに受けたいじめを周囲に信じてもらえず助けてもらえなかった経験も影響してそうです。
余談ですが、このスキンまでダニエルは4つ中3つのイラストで血の描写がある男でした。物騒すぎる。
そしてだんだんハサミが大きくなっているので「血を吸って巨大化している……」と囁かれていました。このままスキン7個くらい出たら本人よりでかくなってる可能性、確実にあった。
ファントム
最高~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
何も言う事ないですね…語りますが…世界一好きなイラストはデフォルトスキンですが、「デフォを除くダニエルのスキン」という枠で語るならファントムが一番好きです。全てが最高なスキン。
あ、ハサミの巨大化が止まりました。やったね!
シルエット予告では髪が隠されていたのでダニエルだと断定できませんでしたが、脚の細さでダニエルだと確信したスキンです。もう高速道路建てなきゃいけないくらい脚が長い。ありがとう世界。
芸術作品を作る事に執着して他人の命まで奪ってしまう男のスキンのモチーフとしてオペラ座の怪人を選んだの本当に天才だと思います。これを思いついたスタッフと採用したスタッフと制作したイラストレーターさんとLive2dモデリング担当さん、なんかおいしいもの食べてほしい。
いつもの事ながら顔が美しいんですが、ファントムは何というか、こっちを見ている顔なんですよ。そもそもこっちを見てないデフォ、素材としか思ってない目の美容師、モーションでこっち見るけど基本見てないウェディング、どこ見てるか分かんないマッドアーティストだったので、初めてはっきりと「こちらを見ている」と感じられる描き方のファントムは衝撃でした。
この目線のままLive2dで表情が変化するんですよ。仮面で口元を隠している事が多いのですが、笑ったり肩を落としたり苛立った顔をしたりしてくれて、すみません横顔とはいえその顔を私に向けてくれていいんですか!?!?!?と大パニックです。正面向いてたら表情が変わるたびに命が危なかったかもしれない。
ファントムは成功や勝利モーションで笑う時に顎を持ち上げるのでドヤ顔っぽい含みがあるのがもう強い。仮面を持つ指もピンと伸ばして見せるんですよね。ご機嫌かよ~~~~~~~好き~~~~~~~~~~~
あと画力が凄まじいんですよね…。私はお裁縫をするので若干の布フェチの気質を持っていますが、服の描写がとにかく凄いです。正装に使われる生地の上品なツヤとハリのある質感がめちゃくちゃ丁寧に塗られてます。本当に人間の手で塗ったのか疑うほどです。もはや実写では???裏地も表地が突っ張らないように少し余裕を持たせて縫われているのを忠実に描写されているんですよね。ジャケットのボタンがボタンホールの高さの分だけ浮かせて縫われているのも描写されています。とにかく全てが資料を用意してじっくり観察して丁寧に描かれた事が伝わってくる1枚で、拡大して眺めているとそれだけで1日終わります。
台詞は「早く歌うんだ。私が満足するまで。」
シンプルな台詞ですが、1年後にファントムのボイスが発売されて大変な事になりました。
ダニエルは通常のボイスがなかなかの低音ボイスで初めて聞く人が驚いたりしてますが、ファントムはちょっと芝居がかった感じで高めの声になります。それも全てがめちゃくちゃ最高なのでそのうちボイス記事も書きます。
幼いダニエル
ヴィクター殴る3秒前ダニエルです。いやーーーーーまさか販売されると思わなかった。
幼い〇〇というスキンは何人ものキャラで作られていて人気があるので、ダニエルも可能性はありました。
でもこのスキンが登場するまでの間にヨハンというキャラが実装されてたんですね。ヨハンはやや紫がかった色にも見えるネイビーのショートヘアで立ち上がった前髪で、童顔の青年でした。単純にダニエルの髪を短くして幼くすると、ヨハンっぽい見た目になってしまう可能性が高かったんですね。キャラの判別が戦略上で結構重要なゲームなので似すぎると良くない(と言いつつ他人の激似スキンいくつかあるけど)。なので幼いダニエルは美容師になってから髪を伸ばしているという設定を無視した長髪で描かれるか、販売されないかのどちらかだと考えてました。
なのに……ちゃんと短い髪型で出てくれた……ありがとうございます……。
ちなみにシルエット予告では公開直後は全く分からなくて、まあダニエルの可能性はないでしょくらいの気持ちでいたんですが、足元の破れた紙のシルエットに気付いてからは「絵を破かれてヴィクターを殴った日のダニエルだったらどうしよう」と騒ぎ出して公開の日まで大暴れでした。本当に絵を破かれてヴィクターを殴った日のダニエルだった。今でも信じられない。
とにかく世界一可愛い美少年なのは語るまでもない事実ですが、デフォルトスキンの顔と並べると本当に同じ人物の骨格しててびびります。イラストレーターさんの観察力や描写力が凄すぎる。人間の髪質って成長や生活状況などで大きく変化する可能性があるけどつむじの位置とかはあんまり変化しないらしくて、髪型は変えつつも髪の生え方は変わらないように描かれています。本当に凄すぎる。口座教えてほしい。
折り畳みイーゼルを鞄につけていますが、これがヴィクターのいない場所で絵を描くために日常的にやっていた事なのか、出ていく事を決めて荷物をまとめた後なのか気になる所です。前者ならダニエルが外で絵を描いて帰ってきたら部屋が荒らされていて隠しておいた絵をヴィクターが持っていた、という感じでしょうか。最悪の光景だ…!!後者なら破られた絵や折られた筆を前に淡々と荷造りするという、怒りのオーラが滲み出てるダニエルをヴィクターがヘラヘラと見守っていた事になりますね。これもまた地獄。ダニエルがコートを着て鞄を持って向き直ってきて、それでもまだ笑っているヴィクターに重い一撃をお見舞いしてほしい。これこそがダニエルのスキルである芸術的素材の発動とスケープゴートの追加ダメージですね…。
いずれにしろコートとマフラーを着けているので寒い季節だった事が伺えます。吐く息が白くなるような冬の日に、絵を描く道具だけ持って家に帰らない事を決めていた少年がいたんです。
怖い目や辛い目に遭う前に養父となるオスカーと出会えていた事を祈ります。
台詞は「よくも僕の絵を…。許さない。」です。
この台詞は英語版だとちょっと表現が変わります。「You destroyed my masterpiece…I won't let you go that easily」と、殺意が高くなってるんですよね。「僕の傑作を壊したんだ、逃げられると思うなよ」みたいな感じでしょうか。日本語版が抑えた表現というより英語という言語がこういう表現になりがちって感じではありますが、ダニエルの怒りが感じられてめちゃくちゃ好きです。
スウィート
ホワイトデーに合わせて実装されたスキンです。過去に女性キャラがチョコを持った姿の「スウィート」と名のつくスキンはいくつか出ていましたが、男性初のスウィートスキンでした。
運営の盛大なやらかしの渦中に販売されたので本当に本当に何かするたびに激怒したり絶望したりしてる記憶とセットになっていてつらい。
シルエット予告の時は髪が長すぎるしダニエルじゃないだろうな~と思ったんですが、ダニエルでした。実験体にならず殺人を裁かれもせず23歳よりも1年ほど先というifの姿かもしれません。そういう事にさせてください。
このスキンは絵の上手さも最高なのですがLive2dが面白い事で話題になりました。
まず基本モーションが店のドアだけ表示されてダニエル不在の所から始まります。イラストでは分からなかったけどドアに店の営業時間が書かれてる事が分かる。
ドアが開いてダニエルが出てきて腕時計を見ます。
「まさか閉店時間まで待たされたのか…?」「待ち合わせしたオスカーが来なくてそのまま2度と会えなかったやつでは?」など突然の不穏を受信してウキウキでした。
更に話題になったのが勝利モーションです。ダニエルが立ち去ります。
他のスキンは笑ったりドヤ顔したり可愛いかっこいいポーズ見せたりして「勝った!」って伝わるような姿を見せるんですよ。スウィートダニエル、まず画面にいません。勝利画面になった瞬間に爆速で歩き出して画面外に出ていきます。他のモーションでほとんど顔を上げず腕時計を見たままだったのに、この時だけは強い意志を感じるほどしっかり顔を上げて前を向いて、立ち去ります。画面には店のドアだけが残されます。どれだけ待っても戻ってきたりしません。
待ち合わせしてたのが素材認定してる相手で作品にするために迎えに行ったんだな…と思う事しかできませんでした。ダニエルの早さに世界がついてこれない。人類には早すぎたダニエル。おいていかないでほしい。
台詞は「もう時間だって言うのに…遅いな。」
ごめんな…ダニエルが早すぎるんだよ…。
次回 ボイスとかアグパスの話を書きます多分
追記。ゲームのサービス終了が決定し有料アイテムが購入不可になったので、Live2dスキンのモーション集とファントムダニエルが登場するストーリーの動画を投稿しました。良かったら見てください。