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うまい棒を3本も入れてみた その2

 その1を読んだ人は、このトップ写真を見て、少しは違いが判るのではないか?

 ある漫画雑誌の原作企画として、うまい棒で料理をするというのを提案した私。残念ながら原作は、編集部の会議で△(要するに連載するにはあと一押しという意味)をつけられ、連載とはいかなかった。その時の実験があまりにも勿体ないので、10年近くたったけど、ここで公開することにしたのだ。で、「その1」で試したのは、「うまい棒コーンポタージュ味を1本炊飯器に入れたみた」結果である。その結果は、その1を読んでほしい。

 その2では、2本入れてみることにした。原価は10円だし、それが2本になったからと言っても20円である。これは実験するに優しい値段だなと思いつつも、1合で2本でも大丈夫なのかという思いがよぎる。その1と同じように、炊飯器からのしゅーしゅーと鳴る蒸気音を聞き、前回に比べて少し強くなった気がするコーンポタージュの匂いを確かめながら、出来上がりを待つ。例によって出来上がりは早い。ピピ、ピーと完成音。よし、ふたを開けて匂いを嗅いでみよう。おお、香りが、、、、香りが、、、あれれ、1本とあんまり変わらないぞ!!

こんなんで大丈夫? 本当に旨い料理ができるのか?

 実は割とショックで写真をほとんど撮っていなかった記憶がある。食べてみたけど、やはりコーンポタージュ味が薄い。そもそもコーンポタージュってスープで飲むときに、あの濃厚な味が魅力の一つなはず。個人的にはコーンの粒粒も大好きだが、うまい棒にそれを期待してはいけない。とにかくドロッとしているところが好きなのに(私だけなのか?)、そのかけらも感じられない炊き込みご飯ができあがったのだ。うーん、この企画自体が失敗か。。。と、頭を頭を抱えていると、実験助手がのたまわった。

「コーンポタージュ味、けっこうしますよ」

 え、そうなのか? 私の舌がおかしいのか?  ならばと、うがいをして歯磨き粉なしで歯を磨いて、さらにうがいをして、もう一度食べてみることにした。

 おおお、たしかにコーンポタージュ味がする! 成功だ! 成功だ? こんな、歯を磨いて食べるような炊き込みご飯でいいのだろうか? うまい棒を使うかどうかというより、炊き込みご飯とは何かという問題にもなってきたぞ。そもそもおこげを楽しむなんて趣向も、炊き込みご飯の醍醐味の一つではないか。具がゴロゴロ入っているのもそう。贅沢に味わうのが、ザ・炊き込みご飯ではないのか?

 あえて、ここで言い訳をしておこう。コーポタージュ味なのだから、具としてコーンの缶詰でも入れてみてはどうかと、あなたは思うかもしれない。私だって、今ならそう思う。そうすれば満足のいく炊き込みご飯になったかもしれない。でもこの企画は、うまい棒だけで味をつけるというものだったのだ。もっと正確に言うと、コーン缶を買えない人のための料理なのである。じゃあうまい棒100本買うなよ(実験のために私が購入した数)という突っ込みは無視しておく。

 結論を言おう。結局3本入れたのだ。そうすると、相当、濃厚な味になった。成功である。ちょっとチープな味はするのだが、焦げた感じも(実際は味が染みついた部分の強い香りがそう感じさせたのだと思う)なかなかだ。

写真として、そのあとに、別の種類を使って3本入れたあとの出来上がりをこの下に掲載しておく。同じような感じで出来上がったとご理解いただきたい。                           さらに続く

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