ドラマと原作の分岐を探る~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい第1話編~

 こんばんは。霧海さと(きりゅ)です。『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』通称『チェリまほ』のドラマをより理解するために、ドラマと原作の分岐点を第1話から探ってみることにしました。

 といっても基本的にはドラマと原作の違いを1話ずつ記事にまとめていき、最終的にどうだったかを総括する予定です。原作・ドラマ共にネタバレしていく予定なのでよろしくおねがいします。特にドラマ第1話と原作第1話についてネタバレしていきます。

 序盤は割と原作に忠実に作られているように感じていたのですが、改めて見てみると、意外と異なる部分があります。大筋は合っているので気づきにくいのですが……ドラマの流れに影響しそうな部分について上げていきたいと思います。(オリジナルキャラや予算の関係で変更されたと思われるところと人物紹介部分は除きます)

2021/01/14 「安達の自己評価の低さを黒沢が気にしている」を追加しました。
2021/01/16 安達の優しさと自己評価の低さについて原作6巻を参考に追記しました。
2021/01/17 原作のツイートを追加しました。

安達が純粋

 第1話の段階では安達がピュアな感じです。原作では魔法使いになってしまった後に風俗で脱童貞しようとする描写があるのですが、ドラマの安達は風俗のふの字も出ない感じです。(これはもしかするとテレビのコードの引っかかるからかもしれませんがその辺は良くわかりません……でも同じテレビ東京のドラマで風俗に関するものがあるので問題ないと思うのですが……これもコロナ対策かもしれません。)

 後、原作では「そもそも気になる女の子(※藤崎さんを見ながら)に触れられる人間ならこんな年まで童貞こじらせてない」というように女の子に触れようという話が出てくるのですが、ドラマでは「今まで好きになった子はいたし藤崎さんだっていいなって思う。けど、思うだけ。それだけ」と、気持ちが向くだけで触れて心の声を読みたいというようにはならない感じです。どちらも結果的には内気には違いないのですが。

 原作での発言はこちらの1ページ目をご参考ください。

安達が極度に優しい

 原作でもそこそこのお人好しなのですが、それは真面目さ故で、ドラマのほうは浦部さんが心の声で「安達優しいからなー」と言ったり黒沢が「本当はめっちゃ優しくていいやつで」とこれも心の声で言ったりと、優しいことを強調しているように思います。優しいのはエレベーターで人に譲ったり先輩に仕事を押し付けられても結局嫌な顔をせずに引き受けたりする部分からもわかります。

※2021/01/16追記:原作6巻でも柘植が安達のことを優しいと言っていますが、その優しさを1巻の段階ではあまり強調して描かれず、ドラマは万人がはっきりと分かるようにその度合いを強くしているように感じたので、こう書きました。

黒沢が安達のことを「可愛い」と言わない

 これは初回視聴時にも気になっていたのですが、第1話の段階では安達のことを「可愛い」と心の声でも実際の声でもドラマの黒沢は言いません。原作では初めて黒沢の心の声が聞こえてくるときに「あーでも寝癖ついてるすげー可愛い」「すげー近いすげー可愛いすげー好き」と可愛いを言いまくっているのですがドラマではそれがありません。そういえば「好き」という言葉も言っていませんね。ドラマ制作陣のこだわりなのでしょうか。

 原作での発言はこちらの4ページ目をご参考ください。

安達の自己評価が低すぎる

 これは黒沢が「安達、自己評価低すぎ」と心の声で気にしていることからもわかりますが、安達自身が「あの黒沢が俺のことなんて好きになるわけが」と言うことから自己評価が低いことがわかります。後はマフラーのところで「黒沢が風邪引いたら、皆困るんだし。俺なんか別に」というところもそうですね。原作の安達はわりとニヒルな感じなのですが、第1話の段階ではあまり自己評価の低さは感じられませんでした。

※2021/01/16追記:原作6巻でも柘植が安達のことを自己評価が低いと言っているので、ただ単に自己評価の低さが表立って出ていなかっただけかもしれません。ただドラマ版は自己評価の低さを1話の段階から強調しており、原作よりその度合いを強く感じたので、こう書きました。

安達の自己評価の低さを黒沢が気にしている

原作の黒沢は欠点も愛してしまう感じなのですが、ドラマの黒沢は安達の自己評価が低いという欠点を気にしています。黒沢が好きな安達を、安達自身が信じていないことを、気にしている様子でした。

安達の適応能力が異様に高い

 原作の安達は心の声が聞こえても満員電車に乗って会社に行くんですが、ドラマの安達は早起きしてラッシュ回避、電子マネー導入となるべく人に触れないように努力しています。初めはコロナ対策でなるべく大人数での撮影とならないようにするためにそうしたのかと思っていたのですが……今思うとそれだけが理由じゃなかったのかなと思います。

想いの描写が丁寧

 黒沢が安達にマフラーを巻いている時の、安達への思いの描写がとても丁寧です。最初は黒沢が安達を好きということを視聴者にわかりやすくするために丁寧にしているのかと思っていたのですが、この後安達が「頭おかしいとか思ってごめん。俺のことこんなに見ててくれるやつがいるなんて思ってもいなかった。やば、ちょっと泣きそう」と思うことから、心が黒沢に惹かれていっていることがわかります。

 安達が黒沢を好きになるきっかけについての描写も丁寧です。原作では黒沢に惚れられていることがわかったときに「不覚にもキュンとしました」と書かれていますが、ドラマではそれはなく、代わりに「もし誰かに心の底から好きだって思ってもらえてることがわかったら」と真むすびのおっちゃんと話しているときにモノローグで言っています。これで黒沢に惚れていく理由がわかります。思いの描写が丁寧です。

黒沢の押しが強い

 恐らく安達の自己評価の低さが影響しているためか(何でも断ろうとするため)残業の手伝いを買って出るところとか、お泊りを提案するところで黒沢の押しが強い感じがします。原作では「俺に頼ってくれればいいのに」と思う程度で、そこまで押しが強い感じではありません。原作の別の話だと押しの強さが出てくるのですが……。物語を進めるためなのでしょうか……?

終わりに

 第8話から第12話まで感想と考察という形で書いていて気づいたのですが、私感想書くの下手だな、と思ったこともあり、総括することも踏まえて、違った視点で見てみることにしました。先日日曜日に実況した時の感想がありますが、まー、酷いです(笑)。多分クリックするとスレッドが見られるかなと思います。

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?