一日一つ機械の小ネタ 六粒目「エンプラ」
機械の小ネタ六粒目です。
今日は「エンプラ」について。
サムネイル画像は佐津川モールド株式会社さんより拝借しています。
さて、エンプラについてですがそもそもエンプラは「エンジニアリングプラスチック」の略語です。直訳すると「工業用樹脂材料」ですかね。工業の分野でも使えるように改良したプラスチックのことを指します。
ただのプラスチックのどこら辺が工業に向かないかという話をする前に、コンビニのプラスチックの弁当ガラを思い出してください。あれって、強く握るとすぐベコベコにつぶれるし、レンジで加熱しすぎると溶けますよね。つまり普通のプラスチックって力と熱に弱いんです。くちどけ柔らか系アイスみたいな感じです。スプーンもすぐ刺さるし、すぐ溶けます。材料としてよわよわなんですね。ここら辺が工業に向いてない理由になります。
対してエンプラは耐熱性や強度を向上させているので、握ってもつぶれないし(もちろん限度はある)、レンチンしても溶けづらくなっています。くちどけ柔らか系アイスから新幹線のすごく固いアイスくらいに改良されています。あのアイス、スプーンも刺さらないし、全然溶けないですよね。そんな感じです。
エンプラは耐熱性や強度が向上したことで、様々な機器部品に組み込まれることとなりました。そもそもプラスチックは金属に比べ軽い物体なので、エンプラに進化したことで、用途の幅が格段に広がったのです。
例えば耐熱性が向上したことで、自動車やバイクのインテークマニホールド(エンジンの吸気口)に利用されることとなりました。それがサムネイル画像のやつです。
また、強度の向上で歯車にも利用されるようになりました。歯車は歯かかる力(正確には応力)が大きくなりがちなので、エンプラ技術の進化による賜物だと思います。
めちゃめちゃ詳しい話は下のリンク先が大変参考になるかと思いますので、興味のある方は是非リンク先に飛ばれてみてください。
近年では身近な色んな所にエンプラが生息しています。ビニール袋などのような柔らかいプラスチックではない硬いプラスチックはだいたいエンプラに属していると思いますので、見かけたら「おうおう暑い日にもヘタらずやっとんのう」などと声をかけてあげてください。
主観と偏見に満ちた今日の一言:
「インマニに就職したエンプラはボンネットへの日射とエンジン熱でたぶん地獄の日々」
六粒目は「エンプラ」についてでした。
非常にざっくりとしたnoteではありますが、機械や製造の分野に興味をもっていただければ幸いです。