ものが たりき った。
きのう目がさめてしまった。
ぷつんと、とぎれた。
会いたいのに会えない。
向けられた優しさを突っぱねる。
優しさを同情に誤認して
赤信号をむりやり暴走。
「こんなに速く走れるよ」
微笑みを憐憫に勘違いして
みんなが遠くへいってしまうようで。
沿道からもう遠い山奥の
塗装もされない岩肌の上に
座ってられない傾斜の先で
つま先はだしで踊って見せる。
「こんなに上手に舞えるんだ」
あら落ちないかと心配されて
目をそむけたくなるその
かなしさの
その切り立った心のやいばで
傷ついて切り裂いているときも
わたしがいつも見てるのは、本当に好きな人。
本当に好きな人。
本当に好きな世界。
信じたくないと突っぱねた
あの本当の世界だった。