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だれがだれをってはなし。

不憫な人を救いたいと願うとき、
現実を救えない無力なじぶんに絶望するじぶんが
そこから救われる日がくることを願っていて


楽しい企画を妄想するときは
疲弊する現実から目を背け
どうにか明るく過ごしたいときであり


人生が変わったから広めたいと意気込むときは
変わる前のじぶんの人生と何が違うか確かめていて

だけど変わってないから、確かめずにいられなくて。


人を癒すといいながら
癒されているのはいつもじぶんで


あなたに必要なことだからと 言い放っては
その言葉は じぶんに向けている。


あげるといいながら その実もらっていて
お返しといいながら 奪っている
優しくするつもりが チャンスを潰し
あなたのためにと じぶんを愛している。

してくれた人に感謝を伝え
恩に報い
みなさまに日頃の還元を奉仕し
提供しただろうものの循環を維持しようとする。

その姿は
作り上げた王国が崩れる音が
聞こえないよう
おくびにも出さず
風吹き抜けた荒野に一人遺されることを、恐れる
ひとりのひと。


耳障りがよく
だれにも疑われない条理であり
常識的で
また美しく
見えづらく
イディアに満ち
苦厄を凌駕し
ほんとうのこと を カモフラージュするには
これ以上ない 効力がある。


なにもかも、その一歩は、すでに鏡になっている。
受け渡すな じぶんを。
明け渡すな 体内を。

堪え立ち
眼を閉じ
耳をふさぎ
なんびとにも触れさせぬ
門番を置き


奥座に たてまつりたもう 
たったひとつ 
このこころ。

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