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トレード・ファイナンス・ギャップ

 一般的に貿易金融が何を指すかと聞かれれば金融機関や商社を主体とした貿易取引への金融と説明がなされている。しかしながら、具体的にその意義について多くは説明されていない。
 そもそも貿易金融は13世紀ごろからイタリアにて発祥し、その後形を少しづつ変えながらも存在している貿易に欠かせない長い歴史を持つ取引形態である。日本では16世紀の南蛮貿易においてマカオを中継貿易地としたポルトガルとの取引において活発に貿易に関わる金融取引がなされている。20世紀に入り日本の高度経済成長をもたらしたのも加工品の輸出であり、そのために多くの企業が原材料の輸入と加工品の輸出において貿易金融の恩恵に預かっている。
 貿易金融をいま最も必要としているのは新興国である。一昨年アジア開発銀行の調査において貿易金融が何らかの理由で受けられない取引の総計(トレード・ファイナンス・ギャップ)が1.5兆ドルあると推計されている。その背景には金融機関においてバーゼル3の導入により、コンプライアンス・コストの上積みにより大企業優先の取引に傾斜していること、新興国向け銀行のコルレス契約縮小・廃止などがあげられ、世界の90%を占める中小企業の多くが貿易取引への参画に金融面で高い障壁があると言われている。

こうした中で世界的なコロナ感染症による経済停滞が金融機関の慎重な姿勢に拍車を掛け、世界商業会議所(ⅠCC)ではトレード・ファイナンス・ギャップが5.4兆ドルまで拡大していると推計している。これに国際金融機関などが様々な対応を講じてはいるが、緊急対応品や生活必需品向けが多いため、早急な対応とは言えないのが現状。

いま取り組んでいるトレード・ファイナンス・ファンドは少しでもこうしたトレード・ファイナンス・ギャップの解消をすべく、日本・アジア・欧米の金融機関や投資家のからの出資を仰ぎながら、貿易商社や製造企業から貿易金融債権を保険付きで買い取りをしていく形で進めている。 

トレード・ファイナンスはSDGにおいて17項目のうち7項目に寄与しており、投資家の方々にとっても投資目的の一つの理由となり得る。特に世界的なパンデミックにより経済が停滞しているいまでこそ、特に日本の投資家からの投資を期待したい。

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#貿易金融 #SDG #トレード・ファイナンス


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