WLBなんのため⁑ 新米パパの子育て時間と、独身女子のヨガタイムはどっちも大事。
米国在住スミさんが、東京の友人コイさんと、毎週Facetimeで色んな話題をトークします(第34回)。
(…Facetimeの呼び出し音)
ーもしもし。
こんにちはー。
コイさん、最近毎日違う場所にいますね。
ー今日は六本木のワーキングスペースだよ。
お洒落だし人も少ないし、いい感じ。
職場も選択肢の一つとして、自由に働けるのはいいですね~
ーそうだね、もうコロナ前に戻れないよ。笑
私が最近、ちょっとモヤッとしたこといいですか?
ーはい、どうぞ。
今進めてるプロジェクトのメンバーの一人が、新米パパの話なんですけど。仮にBさんとしましょう。
ーほう。
Bさんは、普段は普通にチームとして仕事する人なんですが、週一回のミーティング忘れてたり、皆でスケジューリングした日に「やっぱり無理」とか、みたいなことが多いんです。
ーなるほど。
子育てで忙しいらしくて。
ーふむふむ。
私も含めて5人のチームなんですけど、他のチームメイトも仕事できるし性格も良いんです。「Super Dad!」とか常に気遣ってて。
でも、これ自分でも本当に性格悪いなあって思うんですけど・・・
ーどうぞ続けてください。
・・・私は内心、いくら子育てで忙しくても、週一のミーティングの30分くらい出れるだろ?ってついBさんに対して思っちゃうんです。
夫婦で自宅でテレワークしてるんだから、奥さんに子供預けたりできるでしょ、みたいなどす黒い感情が…
ーははあ。
そりゃ、私のように独身で自由がきく人も含めて、「お互い助け合いながら社会はまわっていく」っては頭ではわかってるんですけどね…。
自分が子育て経験してたら、あるよね、忙しいよね、とか理解できるのかもしれないですけど。
ーなるほど。
これはただの大学のプロジェクトの話ですけど、実際の職場でも同じようなことが起こってるんじゃないかなあって。
ー同じようなこと?
つまり、時短で帰る子育て中の同僚に対して、残っている人達が「なんかズルい」って心のどこかで思ったりするんじゃないか、って。
もちろん、頭では大事だってわかってるし、絶対口には出さないんだけど。
ーふむ。
逆に言えば、早く帰る側も、なんとなくそれを感じて肩身が狭い。
私の親友も時短なんだけど、そんなことを言ってました。
ーなるほどねえ。
っていう、自分でも自分が嫌な人間だなあと思いつつ、最近のモヤりです。
ーまあまあ。
個人的には、スミさんの趣味の時間も、Bさんの子育ての時間も、平等に大事ってことだと思うけどね。
どういう意味ですか?
ーたとえば、バリキャリ独身女子が仕事帰りにホットヨガしにいくのも、新米パパが仕事後に子育てするのも、どっちも同じように大事ってことじゃないかな。
そうですか?笑
私の趣味の時間より、子育てのほうが余程大事な気もするんですが…
ーいや、それはイーブンでしょ。
個人が自分の自由時間をどう使うかは、個人が決めるもの。本来的に、その価値に優劣はつかない、つけちゃダメと思うよ。
そうかですかね。
ーうん。
今は、そこに優劣をつけてる感じがするから。モヤモヤが発生するんでしょ。
まあねえ。
私の時間も、Bさんの時間も、同じように大事、なのかも。
ーそれはそうだよ。
問題は、Bさんとスミさんの自由時間がゼロサムゲームみたいになっちゃうことじゃない?
それはある、てかそれがモヤりの根源かも。
私だって、暇は暇なりに、一応自分のライフがあるのに、って。
ーだから、「みんなの自由時間がちゃんと確保される」、つまりワークライフバランス(WLB)が大事なんだと思う。
皆が早く帰れるようになったら、時間の使い方はあとは個人の自由。
確かに。
今は、しわ寄せが自分に来てるって思っちゃうから、モヤってする
ーワークライフバランスの本質的な価値は、そこにあると思うな。
誰かが特別なんじゃなくて、皆の時間を、平等に大事に扱うってこと。
そうか。
新米パパの子育て時間と、独身女子のヨガタイムも、両方とも同じように大切。
ーそうそう。それが多様性を認めるってことでしょ。
確かに、それだと子育てしてる方も、自分だけが特別なわけじゃないから、肩身狭くない。
コイさん、それ良い考え方ですね。すとんと来ました。
ーでしょう。
みんなを大事に扱うための唯一の解は、みんなが裨益する働き方改革をするっていうこと。
そうか。
こんなこと考えちゃう自分が嫌で、コイさんから軽蔑されるかも、と思ったけど吐露してみてよかった。笑
ーそれは何より。
じゃあ、私はプロジェクトがんばります。
ーがんばってください。私はこの個室スペースで集中します。
はーい。ではでは。
(…Facetimeを切る)