君の姿に夏を見る
シロツメクサの花が咲いたら
さあ、いこうラスカル
六月の風がわたる道を
ロックリバーへ、とおのりしよう
えぇ。名曲ですよね。
ラスカルめっっっちゃ可愛いですよね!!!(圧力)
夏、
君と出会った夏
今後幾度となく訪れる
君が居る夏。
君は突然僕の目の前に現れて
僕の生活に混ざり合って溶け合って
君と出会う前の僕の事なんか
1mmも思い出せない程に
僕を侵食していく。
心地のいい侵食。
一度街で友人にばったり会った事がある。
その時の彼女ときたら、借りてきた猫よろしく
「……こんにちは…..」
それはそれは小さな声で言ったきり
だんまりを決め込んでしまった。
「彼女人見知りなんだね〜」
友人は少し気まずそうに言った。
「また今度、ゆっくりなー!」
そう言い去っていく友人の背中を見送る僕に
「あー!緊張した!!挨拶できてよかったー!」
とぴっかぴかの笑顔の彼女。
「今更元気な声出して。猫被りめ。」
「えへへ〜」
「えへへじゃないよー。友達困ってたじゃん」
「でも偉いでしょ!?」
口では困ったように装っている僕だが
実のところ困ってなどいない。
彼女の愛らしいところや素晴らしいところは
僕だけが知っている特別なものなのだから。
「もう、次はちゃんと挨拶してよー?」
「善処します!!!」
二人で笑い合った。
あれもいつかの夏の出来事だった。
あと何度君と夏を過ごせるのだろう。
君には白髪が増えていくし
僕の顔はしわくちゃになっていく。
でも信じられる。これは永遠だ。
出会いはさよならのはじまりだって
思っていた僕にとって、君との出会いは
永遠の始まりそのものだから。
永遠なんてキザな台詞、
口に出して言ったら君は大笑いするに違いないから
心の中で何度も唱えるよ。
今日も僕はぼんやりとそんな事を考えながら
「ご飯まだー?今日はお魚がいいな♡」
と無邪気に言う君に
「たまには手伝えばかやろう」
いつもの相槌を打ち夕飯の準備に取り掛かる。
お腹を満たし、髪を撫でられ
だらしない顔をして眠る君に
つられるように僕も眠りについた。