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ブラジル、リオグランデ・ド・スル州大洪水
前代未聞のリオグランデ・ド・スル州における大洪水の被害規模は想像を絶する度合いとなっています。
州全体の総人口は1150万人。ブラジルの総人口の約5%。
同州は、農業のみならず、畜産、漁業においても、国内消費分に限らず
輸出によって世界の食卓を潤す地球規模で大変重要な食糧倉庫である一帯。
現時点で把握されているだけでも、
州都ポルトアレグレ市と隣接するカノア市の州内2大自治体の被災者だけでも、被災者総人口の20%。(180万人)。
州内自治体総数は497。
内、334のそれらが何らかの被害を受けていると現段階で報告されています。
災害の規模があまりにも広範囲に及び、被災者の数が並大抵でないが上に、
公的救助の手がなかなか伸びずという事情もあり、民間企業やジェットスキーをもつサーファーや、ジープ愛好家同好会員などが
力をあわせ、独立系メディアや政府関連ではない保守系の団体や個人が
寄付金を集め、救助物資はもとより、インターネットアクセスを可能すべくスターリンクの衛星アンテナを購入、設置などして
しのごうと力をあわせているものの、
戦場同然の環境の中、また、悪天候が再開する可能性もあり、浸水も刻々と太平洋域の地帯へと進み
非常に緊迫した状況を州民の多くは送っています。
破傷風の予防接種を含む医薬品全般が枯渇寸前の状況に既に陥り、
この10か月で多くの自治体は3度目の大洪水を迎える中、
特に内陸部の被災者は家を丸ごと流された人も多く、
身分証明書も流されてしまっています。
何事も身分証明書を提示して始めて諸手続きがある程度進むか進まないか何かと微妙なこの国において、公的支援は更に
困っている人に届かくなっているという情報もあります。
多くの老若男女が体調を崩していく中、孤児となってしまった子供が身元証明もできず、怪我と空腹を抱え さ迷っているといった情報、また年金受給を懸念する高齢者、救援施設へ身を寄せることができたものの、
人身保護下にあるDV女性被害者が、加害者である元夫と同じ場所に滞在せざるを得ないといった情報だの、女性の身体の安全が守られづらくなっている情報が流れる中、
空き屋窃盗から、民間救助隊に対する銃器所持者による窃盗に至るまで、ありとあらゆる危険な状況が日に日に増していると
いう情報もあります。
被害一帯地では200近い国道が寸断され、
州都の国際空港も浸水被害により今月30日まで閉鎖されており
今朝より州都庁のインフラを管理する全コンピューターシステムが機能不全に陥り、回復のめどは一切たっていません。
洪水の元凶となった内陸部から発生した豪雨による洪水が、
州都ポルト・アレグレ市などが面する湖に流れ込んだものの、太平洋へのその捌け口はそこから数百キロ南下した微々たる開港口からしか
可能でなく、そこに流れこむ想像を絶する水量ゆえ、
なかなか水捌けが進まず、州都の浸水度合いは昨日の段階で更に増し、豪雨は一旦現地の土曜日の朝から止んだものの
州都の被災者の数でさえ昨日月曜の段階で更に増えています。
日本の能登でさえ、なかなか思うように被災者救済が未だに進まないなか、ブラジルで、しかも木造建築がまだ多い内陸部でこの一帯で状況がどうなっているか想像してみてください。
更にいうと、同州における日系移民の数も皆無ではありません。
リンクを貼っておきますが、
2020年7月には、毎年6月20日を同州における「日系人デー」と指定する法案が州内で可決されています。
州内への日本人移民は1956年における23名の若い日本人が発端となっているそうです。
そこから1963年にかけて、州は合計1786名の日本人移民を受け入れ、現在に至っては、
日系人の人口は4,000名以上に達しているそうです。
実際にここ10か月で3度も起こった大洪水でいかほどの日系人が州内で被害を受けているという報道は探しても
見受けられないのですが、
皆無であるとは到底考えられません。
https://ww4.al.rs.gov.br/noticia/321137#:~:text=No%20Rio%20Grande%20do%20Sul%2C%20a%20imigra%C3%A7%C3%A3o%20japonesa%20iniciou%2Dse,um%20total%20de%201.786%20japoneses.
一方、
岸田首相は、今回の洪水が発生した翌日である先週の金曜日と土曜日にGW中の外遊先の一国であるブラジルへ出向いています。
金曜日には首都ブラジリアで同国と30以上もの経済と環境関連提携に両国で署名をし、
記者会見も行っています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/la_c/sa/br/pageit_000001_00618.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/la_c/crb/pageit_000001_00617.html
更に翌日の土曜日はサンパウロ連邦大学で多くの日系人を含む参加者を目の前に、講演を行い、
今後ブラジルの日系人1000名を、交流事業をもって日本へ招待すると発表するに至りました。
同国の大統領との謁見の際に岸田氏が最初に発した言葉は、この大洪水に対するお見舞いの言葉であったとは報道はされています。
大統領自身がそのように記者会見で公言したゆえ、ポルトガル語の解る者は敢えて知るに至ったという経緯です。
ただ、公的な形で、先週金曜日のブラジリアにおける記者会見の場においても、土曜日のサンパウロ連邦大学における講演の場でも
岸田氏本人の口からは、それを私たちは聞き取ることが出来ていません。報道検索をしても日本語でもみつかりません。
日系人を前に、日系人向けの講演をサンパウロでしておきながら、
なぜリオ グランデ ドスル州の日系人に対する慰めの言葉のひとつも、
外務大臣を過去に務めた先進国とされる1国の首脳が発することができないのでしょうか。
未だに断水で困っている能登の被災者を刺激したくないとでもいう憶測があったのでしょうか。
日本には、ブラジルのポルトガル語とそこに纏わる内容を教えるとされる大学が都内だけでも、外語大、上智大, 神田外語大とあります。
ポルトガル語学科が設置されていない大学でも、同好会レベルで
ブラジル文化を擁護している団体は数多くあります。
都内には、少なくとも2-3のブラジル文化関連協会もあります。
浅草のサンバカーニバルに出場する数多くのサンバ団体もあります。
カポエイラ関連グループも日本には溢れかえっています。
何十年とブラジルの文化にかかわってきて、それを生活の糧としている日本人も数少なくはありません。
NHKなどに至っては、ブラジルからニュース番組も購入し、
国際放送班にはブラジルのポルトガル語班も存在します。日本は現在に至っては、
鉄鉱石、鶏肉、パルプなど多くのブラジル輸出品にも頼っています。
ブラジルの前代未聞のこの歴史的な第惨事にこれらの機関や関係者が少しでも現状況を気に掛けることができたら、と
民間の力に期待したいところです。
日本では義援金を募っている機関などは設置されているのでしょうか。調べた限りでは見当たらないのです。
岸田氏自身、この金曜日にブラジルの大統領から、日本に続いて日本人が最も多い国はブラジルであるという言葉をかけられています。
どうか、戦場同然と化した途方に暮れるリオグランデ・ド・スル州民に、ブラジル関係者は特に、目を向けてみてください。
恩返し。ブラジル文化関係者は考えて見られたことがあるでしょうか。
情報量が氾濫、錯綜する中、なんとか要点をまとめる努力をしました。
乱文、お許しください。###