食養生の基礎知識(タイプ別)
前回どのタイプにな手はまるかわかったことと思います。
タイプによって適している食材などを載せています。
参考にしてみてください。
【気虚タイプ】
生命エネルギーである「気」の量が不足しているタイプです。
元気がない、体力がない、だるそうにしているなどが特徴です。
胃腸が弱くてしっかりと栄養が摂れてなかったり、ストレスで精神的に消耗したり生活の不摂生や過労、慢性の病気などが原因と考えられます。
≪おススメ食材≫
玄米、小麦、もち米、かぼちゃ、人参、ニンニク、きくらげ(白)、シイタケ、ヤマイモ、栗、ゴマ、ナツメ、リュウガン、牛肉、鶏肉、羊肉など
≪生活アドバイス≫
胃腸にいい、温かい食事を心がけましょう。
良質なタンパク質を食べることが大切なので、サムゲタンなどの鍋料理は「気」を増やすのに非常に適しています。
反対に脂肪の摂りすぎには注意しましょう。
食事以外にも体を冷やさないよう、衣服にも気を配ることも大切です。睡眠もしっかり取るようにしてください。
【気滞タイプ】
「気」の流れが滞る(停滞する)タイプです。
まじめな人に多く、不安感があり、独り言をつぶやいたり、胸からのどのあたりにかけてつまったようなモヤモヤとした感覚があるのが特徴です。
過度のストレスなど精神的原因や冷え、湿気なども原因と考えられます。
≪おススメ食材≫
金針菜、ラッキョウ、シソ、ウイキョウ、カモミール、シナモン、サンザシ、サフラン、バジル、陳皮、ペパーミント、レモンバーム、八角など
≪生活アドバイス≫
あまり小さいことを気にせず、ストレスを溜めないこと。
旅行やウォーキング、スポーツなどを体を動かすことは「気」を動かすことに繋がり、ストレス解消にもなります。自分の時間を持つようにすることも大切です。
体を温める食材を選び、特にお腹にガスが溜まりやすいイモ類やヨーグルトなどは避けるようにしましょう。
【気逆タイプ】
本来、お腹あたりにある「気」が頭に向かって突き上げているタイプです。吐き気を起こしやすい。
イライラして怒りやすく、落ち着かない、眠れない、上半身(特に顔や頭)に微熱があり、のぼせやすい、動悸があるなどが特徴です。
過度のストレスや、食生活の乱れなどが原因と考えられています。
≪おススメ食材≫
シナモン、シソ、カモミール、お茶、サフラン、バジル、ペパーミント、ローズマリーなど
≪生活アドバイス≫
常に気持ちを落ち着けることが大切です。音楽鑑賞、お香、ハーブティーなどで生活にリラックスタイムを意識して取り入れましょう。辛いものや甘いもの、アルコールの多飲はNG です。また、首と足を冷やさないこと。半身浴はおすすめですが、湯冷めしないようにしましょう。夜の12時から3時は必ず睡眠時間をとるようにしましょう。
【血虚タイプ】
「血」の量が不足して、その働きが低下しているタイプです。
女性に多く、体力がない、顔が青白い、貧血を起こしやすい、寒がりなどが特徴。
胃腸が弱く、栄養が十分に摂ることができない、冷えが強い、女性の場合は月経出血が多い、瘀血がひどく血の栄養機能が低下しているなどが原因と考えられます。
皮膚が青白く、艶がなくガサガサしている。
めまいや立ちくらみを起こしやすい。
≪おススメ食材≫
キンシンサイ、レンコン(煮)、ハスノミ、ゴマ、プルーン、ナツメ、リュウガン、牡蠣、ブリ、牛肉、鶏肉、レバーなど
≪生活アドバイス≫
無理をせずに、自分のペースで生活するように心がけましょう。また、牛肉や鶏肉、ゴマなど、栄養のある食材、補血作用のある食材を選び、3食しっかりと食べるようにします。エネルギー源が不足しているので、体を冷やすことは厳禁です。月経過多などの原因は早く治療するようにしましょう。
【瘀血タイプ】
血流が悪く、滞りが起き、活性を失って血の質が悪くなっているタイプです。
女性に多く、吹き出物が出やすい、足元が冷えやすいのに頭がのぼせる、あざができやすい、月経のときに頭痛やイライラの不調が起こりやすいなどが特徴です。
血流の障害、気虚、気滞、偏食、婦人科系の不調などが原因と考えられます。
肩こりになりやすい。
≪おススメ食材≫
ニラ、シナモン、サフラン、ベニバナ、セリ、セロリ、キクラゲ(黒)、レンコン、ハトムギ、アロエなど
≪生活アドバイス≫
瘀血になりやすいチョコレートなどの甘いものや辛いもの、もち米、えび、かに、魚卵などはできるだけ避けましょう。また、便秘をしないように、食物繊維の多い食材を選びましょう。とくに足元の冷えには注意が必要です。夏でも靴下をはくなどの気を使うことが大切です。また、夜はしっかり寝るようにしましょう。
【出血タイプ】
月経過多や出血性の疾患などで出血が起きているタイプです。
顔色が悪い、肌の張りやツヤがないなど、血虚と同じような症状が特徴。
痔の出血がある、事故やけが、手術で血を多く失った、女性の場合は月経過多や不正出血などが原因となります。
貧血を起こしやすく、血が止まりにくい。
≪おススメ食材≫
キクラゲ(黒)、ほうれん草、セリ、セロリ、レンコン(生)、レバーなど
≪生活アドバイス≫
まずは、出血の原因となっている疾病がある場合はそれを治療しましょう。
止血作用のあるセリ、セロリ、キンシンサイ、黒キクラゲや血を補う効果のあるゴマ、プルーン、ナツメ、リュウガン、牡蠣、ブリ、鶏肉、レバーなどを多く摂るように心がけましょう。体を冷やさないようにすることも大切です。
【津液不足タイプ】
体内の「津液(汗や涙、粘液、リンパ液などの水分)」が不足しているタイプです。
髪がパサついたり、乾燥肌、乾燥性湿疹、呼吸器系が乾燥して口が渇き、声がれやのどカゼをひきやすいなどの特徴があります。
水分を摂らない、汗をかく、激しい嘔吐や下痢などが原因と考えられます。
便秘がち。
≪おススメ食材≫
玄米、豆乳、キクラゲ(白)、大根、冬瓜、ユリ根、イチジク、牡蠣、スイカ、スモモ、梨、マツノミ、レモン、牛乳、はちみつ、ハマグリ、アサリなど
≪生活アドバイス≫
乾燥の強くなる秋から冬は特に気をつけましょう。呼吸器系を乾燥から守るにはマスクをしたり、マフラーなどで首を保温しましょう。また、スモモや梨など津液を補う食材を摂りましょう。大根を生食すると効果が高いです。肌の乾燥には玄米や白キクラゲを。夏場の汗のかきすぎにはレモン、アサリ汁、スイカが有効です。
【湿タイプ】
体の表面や筋肉・関節・胃腸内にガス状の湿気が溜まるタイプです。お腹の張りなど胃腸に現れるタイプと筋肉のだるさなどが体表に現れるタイプがあります。
湿度の高い環境、水分を摂りすぎる、冷たい飲み物を好む、食事の不摂生などが原因と考えられます。
ジュクジュクとした湿疹ができやすい。
ゲップやおならが出やすい。
軟便だがすっきり出ない。
≪おススメ食材≫
アズキ、オオムギ、黒豆、ハト麦、セリ、セロリ、バジル、陳皮など
≪生活アドバイス≫
お腹にガスが溜まりやすい人はヨーグルトや豆乳、さつまいも、ヒジキ、カボチャ、ごぼう、豆類などの多食は避けましょう。筋肉や関節がだるくなる人は、肌を外気にさらさないこと。パジャマも半袖・半ズボンなどは避けます。冷たいものと油ものをいっしょに摂らないようにしましょう。ガスが発生しやすくなります。
【水滞タイプ】
体に余分な水分が溜まっていくタイプです。
口が渇いて尿が出にくい、むくみ、めまい、吐き気、下痢、夜のトイレが近い、冷えやすい、胃にポチャポチャと水が溜まっているなどの特徴があります。
体質的に水分の代謝がよくない、腎臓の不調、冷えなどが原因と考えられます。
尿の出が悪い。
腰痛を起こしやすい。
≪おススメ食材≫
アズキ、ハト麦、エンドウマメ、オオムギ、黒豆、緑豆、こんにゃく、冬瓜、レタス、スモモ、コンブ、ヒジキ、茶、トウモロコシなど
≪生活アドバイス≫
とくに腰から下を冷やさないようにすることが肝心です。適度な運動を心がけ、水分の摂りすぎに注意。水滞タイプは排尿を促そうと水分を多く摂っても、逆に負担になる場合があります。また、冬瓜やアズキなど、利水作用のある食材を摂るようにして、水分代謝を活発させるように体質改善していきましょう。
この記事を書いた人はこちらです↓