余計なエネルギーを使わない働き方を目指す

「仕事ができない人は、単純な仕事を複雑にする。仕事が出来る人は、複雑な仕事を単純にする」という言葉があります。

要領よく仕事をこなす人は、このシンプル化が出来ている人だと言い換えてもいいかもしれません。

シンプルにするということは、その仕事の目的がどんなもので、その目的を達成するにはどうすればいいかを明確にするということです。

例えば、明日までに今月の部署の営業成果を、資料を付けてまとめておくよう指示されたとしましょう。上司に確認してそれが社内の資料であり、会議ではなく打ち合わせで必要だということであれば、資料の見せ方のこまごまとしたところにこだわるひつようもありません。必要最小限のデータとその結果、結論が明確であればいい。

ところが余計な情報を盛り込んだり、体裁や見え方にやたらとこだわったりする人がいます。仕事を複雑化し、労力を余計にかけてしまっているわけです。

こういう無駄を出来るだけ排除するべく、「仕事のシンプル化」を意識して徹底させることが必要です。

同じことが職場の人間関係についてもいえます。これらの人間関係はとにかくシンプルにすることが第一です。

仕事での目的を達成するのに、相手とどういう関係を持ち、どう協力し合うのが最も合理的か。それ以外の関係性を付随させることは、無駄を生み出すもとになりかねません。

まず大前提は、良好な関係を築くこと。そして信頼関係を築くことです。余計な気を使うこともなく、仕事がやりやすくなります。

よくないのは衝突することです。組織の中でぶつかってしまうと、何かと仕事がやりにくくなります。余計な心的エネルギーも浪費してしまいます。相手に思わぬところで足を引っ張られてしまうリスクもあります。

良好な関係であればスッと物事が運ぶのに、関係性が悪くなると一気に環境が複雑化します。疑心暗鬼になり、同じフロアにいるだけで気になってしまう。この複雑化によって、無駄な労力や仕事が飛躍的に増えるのです。

どんな相手であっても、まずは良好な関係を築くことが大切です。その上で、信頼関係を構築できればさらに自分にとってプラスになります。

組織の中で生き残るには、「味方を増やし、敵を減らすこと」が重要です。敵を減らすためには、戦って排除するというやり方もありますが、それは先ほどのようにかえって事態を悪化させるリスクが高い。仲間になってしまうことが大事だということです。

その意味で、組織の中で敵にしてはいけないのが上司です。

どんなに個人的に好きになれない上司であっても、険悪な関係になり、衝突してしまったらそれこそ仕事の環境は一気に悪化し、複雑化します。

組織というのは基本的に上司の味方だと考えましょう。組織の力がバックにある人物には到底かないません。

最近は、パワハラやセクハラで部下が上司を訴えるケースもあります。だれがみても明らかなハラスメントをしているということであれば、表向きは会社も部下の方を向き、その上司を左遷するなど罰するかもしれません。

しかし、その部下の方も将来的には会社からスポイルされるという現実なのです。そのように直訴するタイプの人間、上に歯向かう人間を、組織は基本的に歓迎しません。

とにかく自分の環境が複雑化しないようにすることを最優先しましょう。

仕事での付き合いだと割り切って、どんなに肌の合わない上司であっても、尊敬できない上司であっても、良好な関係を目指すのです。

私たちが人生を守るためにできることは、出来る限り自分の環境をシンプルにして、仕事や生活がしやすいものにしておくということでしょう。そのためには人間関係もできるだけシンプルにしておくことです。

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