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[理系による「映画」考察] プレデター(1987) ➡技巧派による狩りの2重構造
少しリラックスした気分で映画が見たくなって。
子供の時に見たときはただただ衝撃でしたが、今見ても、とても勉強になる、かつ子供心に戻れる、とてもよい映画でした。
敢えて自身から説明する必要もないですが、
狩る側から狩られる側になった人間、
のアクション映画ですが、構成が下記のようにしっかりしていることが名作たる所以だと思われます。
初見、ゲリラ映画に見せかける。
↓
上位の武器と身体能力を持った人間による狩り。
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さらに上位の武器と身体能力を持ったプレデターによる狩り(繰り返し)。
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サーモグラフィーで見え方を変えることで、"狩り"が2重構造になっていることを観客に無意識に気付かせ、"繰り返し"に深みを与えると共に、観客に狩られる側へ感情移入させる。
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上位・上位と続いた武器に対して、最下位の武器による"窮鼠猫を嚙む・柔能く剛を制す"の、狩られる側に感情移入させられた観客にとってはうれしい展開。
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意味深な笑いによる自爆で、印象強く何かが残るよう仕掛ける。
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ゲリラ映画で始まったことを思い出させて、初めと終わりの整合性をきれいにとる。
ちなみに、"なぜ、笑いながら自爆したのか?"、の考察ですが、
プレデターは、人間よりもはるかに高度な武器と身体能力を有しており、しょせん獲物である人間ごときに負けるのは屈辱である。そのような屈辱を受けるくらいならば、プライドのため自決する。また、笑うことで、上位を維持していると(つまり、獲物ごときに決して負けていない、イーブンでもないと)、自身を無理やり思い込ませ、かつ、納得させる。
といったところでしょうか。
最後にカッコよかったセリフを書いて終わりにします。
If it bleeds, we can kill it. 血が出るなら殺せるな。