[OldCityBoy的「カルチャー」考察] "YOASOBI"のビジネス戦略は、実は、SONY Musicのお家芸
2023年の年末に、
妻が、"YOASOBIにはまった~"、と突然言い出し、
娘と自身からの、"今更~!?"、のツッコミ後、
"アイドル"が家庭内で頻繁に再生され、紅白鑑賞に至る、
という、あるあるな年末を過ごしたゴリゴリ理系です。
ということで、新年一発目のカルチャー考察は"YOASOBI"の"アイドル"がいいかな、と思いつつ、直接的な考察は方々にお任せするとして、自身はいつも通り少し違った目線で。
まずは、最近の音楽ビジネスの動向に関してですが、サブスクで音楽を聴くのが当たり前になったこのご時世に、音楽で大きなビジネスを行うには以下の2通りがあります(andでもorでも良いが、当然andの方がよい)。
1. ライブチケット・物販販売による収入
2. 国内だけでなく海外市場を取る
1.は当たり前として、2.をどう戦略的にやるか、がプロデューサーの腕の見せ所になります。
で、現在の市場環境としては、下の動画にもあるように、K-POPと異なりJ-POPは音楽分野として世界では認識されていないので、ピュアに音楽だけで勝負すると負けます。
じゃあどうするかというと、世界で通用する強いコンテンツと抱き合わせます。つまり、アニメ主題歌です!
当然ですがアニメは言葉の壁を越えやすく、また、日本のアニメのレベルは世界的に非常に高く、また音楽との相性も非常によく、これを使わない手はなく、今後J-POPとアニメとの連携はより強くなると思われます。
とまあ、"YOASOBI"の戦略を知ったかのように書きましたが、上記の戦略は特に新しいわけでなく、実は約20年前に実戦したユニットがあります。
"Boom Boom Satellites"です!
世間的にはあまり認知されていないが、ミュージシャンからは実はとても尊敬されている"Boom Boom Satellites"ですが、
・音楽はテクノのロックの融合
・歌詞はすべて英語
の、当時としては非常に先進的で、初めは日本ではなくヨーロッパで評価されました。
さらに、攻殻機動隊で有名な士郎正宗原作の"APPLESEED"というアニメ映画の音楽を担当しており、その主題歌の"dive for you"は今聞いてもカッコイイです。
まあここまで書くと、
・音楽はテクノのロックの融合 →"アイドル"はよくよく聞くとピコピコしてますよ
・歌詞はすべて英語 →"アイドル"歌詞の英語対応
・アニメとの抱き合わせ →言わずもがな
で、今の"YOASOBI"の戦略そのままやん!、なのですが、これを20年前にやり世界にチャレンジした"Boom Boom Satellites"はやはり偉大だった!、な話です。
が、この話にはオチがあり、それは
"YOASOBI"も"Boom Boom Satellites"も所属がSONY Musicで、この戦略はSONY Musicのお家芸!
でございます。(よって、一番偉大なのは、この戦略を20年以上やり続けているSONY Music…)
最後に、
日本の音楽・アニメは世界でもっと売れてもいいのに…、と当時思っていた自身からすると、
20年かかってようやく時代・環境が追いついた~、
な印象で、2024年は、
今度こそ日本の音楽・アニメを世界へ!
を期待する年となりそうです。
(期待ではなくお前がやれ!、な声が聞こえてきますが、それはご勘弁あれ~)