#理系
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[OldCityBoy的「映画」考察] ティファニーで朝食を(1961) ➡脚本・演出・ファッション・題名、と全ての要素でお洒落を極めた名作
今っぽく言うと、港区女子からの解放、がテーマですが、あらゆる要素がお洒落に演出されており、名作です。 あらゆる要素がお洒落過ぎるので、1つずつ説明していきます。 ■ファッション メンズファッションを言葉で表すならば、ザ・トラッド、になり、具体的に言うと -全身グレーのセットアップに黒いニットタイ -ブレザーにスラックスにレジメンタルタイ が代表的なところです。 この、ザ・トラッド、を新しく解釈したのがトム・ブラウンですが、そのぐらい現在のメンズファッションの原型とも言う
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[OldCityBoy的「映画」考察] 恋の手ほどき(1958) ➡"ローマの休日"をカラーにして、さらにポップにしたお洒落映画、そしてフランス絵画のオマージュあり
"ローマの休日"をカラーにして、さらにポップにしたお洒落映画、の印象でした。 ただし、ただ"お洒落"なだけではなく、フランス絵画的のオマージュを入れており、ただのお洒落映画ではない!、な意図も見え隠れします。 分かりやすいのは、出てくる部屋が真っ赤であることです。この色彩どっかで見たことあるな~、と記憶をたどってみるとマティスでした。 ということで、芸術的な絵画要素のある教養も含んだ映画だ!、がメッセージとしてあるのでしょう。 ということでよくよく見てみると、 ルノア
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[OldCityBoy的「映画」考察] 八十日間世界一周(1956) ➡カラー映像なる技術革新により、今後の映像表現が変わることが確信できる映画
Wikiによると、日本で海外旅行が一般に普及したのは1964年以降だそうです。よって、この映画が公開された1956年当時は、日本だけでなく世界でも海外を旅行するなんて夢のまた夢だったように思われます。 ただし、海外の情報は入ってくるはずで、 ・ロンドンの近衛兵な風景 ・パリの風景 ・スペインのフラメンコ・闘牛 ・アジア・インド・中国・日本の風景 ・アメリカの風景・インディアン のような今も観光の目玉となる上記は皆憧れたものと思われます。 そんな皆の憧れを、当時の最新技術で
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[OldCityBoy的「映画」考察] グランド・ブダペスト・ホテル(2014) ➡"シャイニング"に"チャーリーとチョコレート工場"を混ぜてお洒落なブラックコメディにしてみました映画
POPEYEを目を皿にして読んでいる妻から見てほしい、と言われて年末年始にみてみました。 ミクスチャー(色々混ぜた)映画で、映画の冒頭でそんな映画であることを自ら宣言しています。 ということで色々混ぜてますが、ベースは"シャイニング"と"チャーリーとチョコレート工場"ですかね。 やってみたかったことは、 "シャイニング"をお洒落なブラックコメディにしてみる でしょうが、具体的に、 絵を左右対称にして人間に違和感や緊張感を与える"シャイニング"の手法に、"チャーリーとチョ
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[OldCityBoy的「映画」考察] ジャイアンツ(1956) ➡ジェームス・ディーンがこの撮影直後に亡くなった理由がなんとなく分かる映画
アメリカ合衆国の歴史をドラマチックにたどる大河ドラマな映画で、悪くない映画ですが、とにかく長い…(約3時間半)。 そんな長い映画でスパイスになるのがジェームス・ディーンの演技になるのですが、それを観ていると、この撮影直後に亡くなった理由がなんとなく分かったので、それを解説しますね。 この映画自体はアメリカの大河ドラマなので、主人公の20代前半から老人になるまでを辿ります。よって、役者としても若者から年寄りまで演じる必要があります。 そんな条件下でのジェームス・ディーンで
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[OldCityBoy的「映画」考察] 宮本武蔵(1954) ➡漫画"バガボンド"を映像化したような映画(当然、順序は逆ですが)
1954年のアカデミー賞(名誉賞)を受賞したとのことで、見てみました。 https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00ZZ0OBKA/ref=atv_hm_hom_c_TEdR0r_2_2 あの"バガボンド"を映像化したような映画でしたが、当然順序は逆で、この映画を井上雄彦さんが漫画化した、と言う方が正しい表現です。 漫画を映画化する(そしてがっかり)、 はよくありますが、 映画を漫画化する、 は自身は聞いたことがなく、そんな意
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[理系による「映画」考察] 陽のあたる場所(1951) ➡ストーリー自体は悪だが、演出に宗教的な要素を絡ませているので、結果、感情がうまく処理できず、なんとも後味が悪い…
なんとも後味が悪い映画で、これほど後味の悪い映画はデヴィッド・フィンチャーの"セブン"以来でした。 が、"セブン"もそうでしたが、後味が悪い分、印象に強く残ってしまい、一生忘れることができなくなりそうな映画です。 ざっくりした流れは、下記となります。 1. 社内恋愛は禁止であることを事前に認識しているはずなのに、平然とそのルールを破り、妊娠させる。 2. 出世と、身分の高い・より美しい女性との結婚のため、妊娠した女性が邪魔になる。 3. その女性を殺そうとするも、事故か他