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映画

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[映画]記事を年代順にまとめたもの
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#映画紹介

[理系による「映画」考察] 首(2023) ➡死も衆道もお笑いにする北野武

北野初期作品のようなアート性はあまりないですが、2時間があっという間に過ぎたお笑いエンターテインメント映画でした。 全体的に絵がちょっと安っぽかったのが残念でしたが、脚本はとっても良かったので、その内容を中心に考察しますね。 まず、表題の"お笑い"に関して説明する必要があり、記載します。 人が笑う状況の1つとして分かりやすいのが、緊張と緩和、になります。もう少し具体的に説明すると、緊張状態において急激な緩和が起こると人は笑います。例えば、とても重い空気の会議の場で偉い人が

[理系による「映画」考察] ゴジラ-1.0(2023) ➡"シン・ゴジラ"の後ゴジラを作ったことに賛辞を贈る

冒頭からカッコよく、2時間があっという間に過ぎる、とても見やすい映画でしたよ。 で、自身が賞賛したいのは、映画の内容よりも、"シン・ゴジラ"の後にゴジラを映画として作った山崎貴監督の勇気、になります。 "シン・ゴジラ"と比較されるのはもう明白で、庵野監督と比較されると思うと自身だったら絶対にやりたくないです…。それでもやり切った山崎貴監督に賛辞を贈りたいのですが、さらに、ヒットさせるために庵野さんに試写会でみてもらって、その後の対談をyoutubeで流すということまでやり

[理系による「映画」考察] 欲望という名の電車(1951) ➡女優を極めると大妖怪に...

1951年のアカデミー賞は"巴里のアメリカ人"で、それを見ようとしていると、そんなんいいからヴィヴィアン・リーを見るべし、と妻から勧められ、2度目のアカデミー主演女優賞作品ということで、女優として、"風と共に去りぬ"、以上に何かありうるのかしら?、と思ってみていたのですが、 妖怪っぷりにさらに磨きがかかってるやん!!! しかも、クラーク・ゲーブル級の相手役でなくても物語をエンタメにできるまでレベルアップしており、マーロン・ブランドが妖怪に立ち向かう勇者にしか見えない始末(

[理系による「映画」考察] 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語(2013) ➡女の情念系映画、ここに極まる!!!

この映画は凄いです!!! "女"というものを描いた作品としては、"黒蘭の女"は優に超え、"風と共に去りぬ"級の世界的な名作として歴史に名を刻んでもよい!と思うのですが、悔しいかな、アニメ教養がある人以外ではいまいち理解されないでしょう…。かつ、男性には異常に評価されると思いますが、女性にはそれほど評価されない気がしています(この点で"風と共に去りぬ"は超えない)。 具体的に何が凄いかというと、男なしで女の情念を描き切った!、ところなのですが順序立てて説明します。 魔法少

[理系による「映画」考察] オール・ザ・キングスメン(1949) ➡リスクを取って政治を批判するという行為を始めて映画化したことが評価されたのかな...

権力に固執することによる悲劇的な最後、を演出した映画になります。 ただ、ストーリーの演出に無理がある気が…。具体的は、"勝ち方さ"、というセリフと共にダークサイドに落ちる瞬間で、それが急すぎて、展開が早すぎない?、とツッコミを入れました。 権力に固執することによる悲劇的な最後、をエンタメ化しているので、ダークサイドに落ちるくだりは端折っても映画的には楽しめるのですが、なぜサニーサイドだった人間がダークサイドに落ちたかの背景説明をもう少しすると、映画としても深みがでて良かっ

[理系による「映画」考察] 女相続人(1949) ➡最後で帳消しにしたとしても、女性にとってあんな屈辱的なストーリの映画をよく撮れたな...、と感心する映画

財産目的に結婚を言い寄ってきた男に対する復讐劇、なストーリーに見えますが、そんな単純なものではなく、実は"女性"という存在に対して、深く鋭くえぐっている映画です。 主人公の女性はそれなりに美人なので、分かりにくいのですが、 実際の設定は、 ・特段、異性から好まれる容姿ではない ・容姿をカバーできるほど頭が良いわけでも、社交的でもない ・華やかさもなく、とても地味で、強いて特徴があるといえば、刺繍ができるぐらい といったところです。 よってその時代の"女性像"からすると、な

[理系による「映画」考察] ハムレット(1948) ➡映像化が非常に困難なシェイクスピアの戯曲を見事に映像に落とし込んだ映画

シェイクスピアの戯曲を映像化するのは至難の業です。理由は、あらゆる時代・国に適応できる人間の本質が描かれており、映像化するには演技・脚本・美術とも緻密なところまでモーレツに作り上げないと、そのメッセージを伝えることができず、また、エンタメとしても成功しないからです。 例えばシェイクスピアの"リア王"を映像化した黒澤明の"乱"を観れば分かりやすいのですが、役者の選定やその演技、また美術まで、ものすごいお金をかけて作りこんでます。 では、シェイクスピアは舞台ではよくやってるが

[理系による「映画」考察] 紳士協定(1948) ➡人種差別という難しいテーマをエンタメとして成立させつつ、大衆にカウンターを入れた映画

差別する側への嫌悪だけでなく、それを気付いているが、無関心を装う・大勢側に沿う・表面的には差別を嫌うことを発言するも本質的にはそうではない、大衆に向けたカウンターがメッセージの映画です。 人が敢えて見たくない・聞きたくないテーマを、料金を取るエンタメ映画として成立させるには、かなり難しいモノであり、自身だったらどうするかな?、と自問自答ですが、何もよいアイディアが思い浮かびませんでした。 そもそも、日本人が人種差別的なことをする・される機会が少ないため(基本的には単一民族

[理系による「映画」考察] 我等の生涯の最良の年(1946) ➡"戦争からの帰任"とはどういうことなのかが非常によくわかる映画

1946年の映画なので、終戦直後の映画です。やっと戦争が終わった!、な時期だったと思われるので、題名からもそれなりに明るい映画かな?、と思いましたが、実際には結構社会派の要素を入れており、でも最後はハッピーエンドで、その辺のバランスがとてもうまく、とても良い映画でした。 具体的には帰還兵3人の物語なのですが、 自宅に帰ること自体が、"戦場に行く気分"、とセリフにあるように、戦闘員として戦争、という状態に慣れてしまうと、日常の生活、はあまりにも違う状態で、なかなかそれに馴染め

[理系による「映画」考察] わが谷は緑なりき(1941) ➡画がとても美しく、非常に良い映画ですが、ゴリゴリ理系の第二の苦手分野である"家族ヒューマンドラマ"。

ベストセラー小説の映画化とのことで、小説の映画化は大体失敗する中で、とても綺麗な画で構成されており、ドラマとしても色々な要素を組み合わせて、感情・イベント起伏にも富んでおり、一気に観れるとても良い映画でした。 恐らく、 "ニュー・シネマ・パラダイス"、の基礎はここであり、 "アルプスの少女ハイジ"、もここから来ているのでは? *** ここからはゴリゴリ理系的サイコパス文章になるので、不快になられた方はごめんなさい。 *** とても良い映画なのですが、個人的には、"家族ヒ

[理系による「映画」考察] 君たちはどう生きるか(2023) ➡宮崎駿の私小説であり、大学入学試験の小論文の題材に最適な映画

実は、ジブリはあまり観ていないのですが("千と千尋の神隠し"以降、観ていない)、"君たちはどう生きるか"は評価が完全に二分されていることを聞き、そういう映画は自分好みの可能性が非常に高いので、観に行きました。 一言で言うと、宮崎駿の私小説、で(映画ですが)、大変自分好みでした。 また、事前に宣伝しなかった理由も分かりました。結局、個人の私小説で、マスに向けて作られたものではないので、宣伝できないのです。 もう少し言うと、宮崎駿自身がピュアに自身の作りたいものを作った、の

[理系による「映画」考察] シン・仮面ライダー(2023) ➡"オタクの心象風景の再現"という、今までの映画にない新しいジャンルの誕生

Amazon Primeで公開になったので、観てみました。 面白い・面白くない、は、さんざん語られてきたと思うので、いつも通り、別の切り口で考察します。 そもそも、この映画をどう観れば良いかですが、通常のアクション映画として観ると失敗します。なぜなら、この映画は、"オタクの心象風景の再現"という、今までの映画にない新しいジャンルだからです。 具体的に説明する前に、まず自身の仮面ライダーに関する体験から。 自身が子供のころリアルタイムで見た仮面ライダーは、下記の"スーパ

[理系による「映画」考察] 市民ケーン(1941) ➡描かれている独断的暴君なキャラの人、程度の差はあれ、実世界に意外と存在しますよ。

いい人なんだけど、言ってることは大体正しいんだけど、歳をとるたびに独断的暴君なキャラが強くなり、徐々に人が離れていき、最後は一人になってしまう男の一生を描いた作品、になりますが、演出がそれまでの映画にないやり方になっており(当時はとても斬新だったと思ます)、面白い映画ですよ。 子供のころから我が強く、親でも手を焼き、言うことを聞かすには暴力に訴えるしかないが、それでもまったく意味がなく、母親が手放すことを決断し、資本管理兼銀行員に育てられる。が、いくつかの大学で退学するほど

[理系による「映画」考察] レベッカ(1940) ➡同一女優の"娘から大人への変化"を演出するのに成功した映画

監督がヒッチコックなので、サスペンス・スリル、な観点の考察は多々されていると思うので、異なる視点で。 2時間のストーリーの中で、ヒロインである女優の顔つきを、こうも変化させることができるのか!、と唸った作品でした。 前半では、ヒロインの ・綺麗だけど垢ぬけない ・王子様と出会い、選ばれてしまった夢心地 ・ドレスが全く似合わず、テニス用のポロシャツ姿が一番似合っている な、引っ込み思案の田舎娘感満載が見事に演出されていました。 極めつけは、鼻をかませる演出をしており、綺麗