服の大量生産の代償、払う価値あり?なし?
先日、『私服の制服化』についてのnoteをあげました。
メリットモリモリなので、興味ある人には全力でおすすめしたいのですが
少ない服にとどめよう、と思ったのにはもう一つ理由がありました。
どちらかというとそちらが動機としては先にあり、
やってみてのメリットは実は副産物的に享受したものです。
今日はそっちにスポットをあててみます。
2015年に世に出たものなので見たことある方も多いと思いますが
『トゥルーコスト』
というドキュメンタリー映画があります。
公式HPはこちら↓
トレイラーはこちら↓
大量に作っては売り、買い、流行が終わったら簡単に捨てる。
大量生産により服のコストや価格は下がっている。
日本だって給与水準は下がっているし、日用品である服が安いに越したことはない。
それもこれも企業努力でしょ?
それに見た目を綺麗にしておくこと、は社会で生きる中で必要なことだし…
でもその生産過程を見ると、
本当に負担しているコスト=トゥルーコスト
は価格と見合うのか?
という問いかけをしています。
バングラディッシュ、ダッカの縫製工場で起きた建造物倒壊による大規模な事故。
それにより1000人以上の人が命を落とし、
一瞬の間に人々は親や子供、友達、一家の働き手を失いました。
建物の老朽化は前々から従業員により指摘されていましたが、雇い主が無視し続けた結果でした。
雇い主が悪い!金に目がくらみやがって!というのは少し短絡的で、
この縫製工場は先進国のファストファッションの大量に来る受注をこなしていました。
一義的には雇い主の倫理観やそれを結果的に放置してしまった国にも責任はあるでしょうが、
雇い主をかばうわけではないが、こういう仕事を受けることがおそらく会社として維持するため、国の産業をなんとか維持するために、避けられなかったという見方もできます。
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オーガニックコットン製品はわりと普及し、さほと特別ではなくなってきたように思います。
オーガニックコットンって何がどういいの?手触り?食べるわけじゃないのにオーガニックである必要あるの?
と思ったとしても無理はありません(そんな疑問を持ってたのは私だけか?)。
私もつい数年前まではそれを選ぶ理由をよくわかっていませんでした。
綿を大量に栽培するには、大量の農薬が必要になります。
これを維持しようとすると、人が死にます。
死ななくていい人がです。
若くてまだまだ人生を謳歌できる人がです。
オーガニックコットンだと、大量には作れません。
でも大事に使えば服は何年も持ちます。
少ない量を着まわせばたくさんの服はそもそも必要ありません。
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私たちはそんなことなど知る由もなく、
仮にダッカの事故のことを知ったとしても、
インドの綿農家のことを知ったとしても、
その国の問題、その会社の問題、
として片づけることもできます。
実際そういう側面もあるからです。
そして変わらず買って飽きては捨て、また新しいものを買う、というプロセスを続けることもできます。
でも少し工夫して消費者としての行動を変えることもできます。
先進国が消費社会に突入したのは、歴史的に見て必然であったようにも思えます。(大きなトレンドを見ると大量消費→清貧を繰り返すようにも見えるので最近の日本は清貧寄りなのかも)
世界は大きく変わらないかもしれないけど、少なくとも自分の行動は変えられます。
私は私の決断に、結果とても満足しています。
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後記
最近、D to Cというコンセプトが一般的(?)になりアメリカではもうブームが去りつつあるようです。
D to Cとは、Direct-to-Consumerの略で、
製造元がお店などの小売店を通さずに、直接顧客に直売する、という販売方法のことです。
ECサイトが充実し、購入ルートとして当たり前になったからこそ実現しやすくなった方式だと思います。
(そう考えるとZOZO前澤前社長の功績はやっぱりすごいなと思う)
服も野菜と同じように、生産者からの直売が可能になってきたっていうことですね。
こうなってくると、もちろんデザインもしかりですが、
どうやって作っているかのストーリーも乗せやすく、
最後の結果(デザインなど)だけではなく、途中の経過も込み込みで、こういう思想の製造者だから買う、というストーリー込みでの購買が起きやすくなると思います。
今までも、Factelierのようなアパレルの流通に切り込みD to Cを実現したブランドや、People TreeやPristineのようなエシカルなストーリーも含めてブランド化しているものもいくつかはあったけど、
どちらかというとコアなファン向けというイメージがあったのが、
セレクトショップなどと並んでくるとなるととてもおもしろいなーと思っているところ。
D to Cについて参考にした、図解付きでわかりやすい本はこちら↓