私のセカンドキャリア③~ある高校球児との出会い~
こんにちは、こんばんは。小枝未森です。
先日、春の高校野球“センバツ”の出場校が発表されましたね。
昨年の夏はありがたいことに大好きな高校野球に携わらせていただきました。
夏の素敵なエピソードを紹介したいと思います。
☟私の今の仕事について
甲子園への道
「甲子園への道」は、夏の甲子園を目指す地方大会に焦点を当てた番組です。過去には、松坂大輔さんや大谷翔平選手など、多数の有名な選手がこの番組に出演しています。
私は、ディレクターとして和歌山県の高校の取材、企画を担当することになりました。
春季大会での取材
まずは企画にする学校・選手のリサーチのために春の大会の取材から始まります。その日は準決勝が行われており、智辯和歌山高校・市立和歌山高校・箕島高校・和歌山南陵高校が勝ち残っていました。
和歌山県の強豪校と言われる智辯和歌山高校・市立和歌山高校に注目選手がたくさんいる中で、目についた選手がいました。
箕島高校のキャプテン、澤 虎太郎選手。
この日はピッチャーとして、キャッチャーとして、そして4番として試合に出場していました。大事なポジションをすべて担う四刀流。
この春の大会も澤選手がチームを引っ張り、9年ぶりのベスト4に導きました。監督も、「このチームは澤のチーム」と言うほどチームに欠かせない存在です。
先輩ディレクターと相談し、澤選手の企画をすることになりました。
澤選手はお父さんも箕島高校の出身でお父さんに憧れ箕島高校を選んだそうで、親子に密着することにしました。
親子の“約束”
夏の和歌山大会が始まる前に、箕島高校の練習と澤選手に自宅に取材に行きました。
練習では率先してチームを引っ張りながらピッチャーの練習、キャッチャーの練習、打撃の練習、と、フル稼働の澤選手。
野球をする姿はとても楽しそうで、生き生きしていました。
練習後、インタビューを終え、澤選手の自宅へ。
お父さんとは取材の前から連絡を取らせていただいていて、写真ではスキンヘッドのコワモテな印象があったお父さん。笑
ビビりながら家に行きましたが実際お会いしてみると、とても優しくて息子想いのお父さんでした。
小さいころから、練習から帰宅後には毎日家のベランダで親子で練習していると聞き、その風景も見させていただきました。いいバッティングがあると時々「いいね~」と声をかけてあげている姿にとてもほっこりしました😊
澤選手とお父さんの最後の夏の約束─────
「夏終わるまでにホームラン1本打つから、スタンドで見といて。」
「よっしゃほんまやな、絶対打てよ。」
「ボール渡すから。」
「そのボール持って棺桶入るわ。期待してます。」
私は聞いてみました。
どういうホームランを打ちたいですか?
「レフト方向へ打つのが得意なので、レフトを狙ってホームランを打ちたいと思います。」
打てそうな感じはありますか?
「あります。初戦から(打てる感じは)あったんで。次大丈夫です。」
澤選手の最後の夏
自宅取材を終え、次は試合の取材へ。
箕島高校は順々決勝まで勝ち進むという前提で、試合の取材日を7月23日、準々決勝の日に行く予定にしていました。
その一つ前の試合。7月19日。和歌山大会3回戦。
箕島-南部龍神
相手の南部龍神分校は、わずか12人の部員。
春の大会でベスト4に入っている箕島高校は絶対に勝たなければいけない相手です。
取材は23日の予定だったので、その試合を私は会社で見ていました。
1回ウラ
ランナー1人置き3番・ピッチャー澤選手。
変化球を捉え、そのまま打球はレフトスタンドへ。
約束どおりのホームラン。しかもレフトに。
やばい!!!!!!!!
有言実行。かっこよすぎるやろ。お父さんどんな気持ちやったやろう。
え、私なんで球場行ってないの!?
澤選手はホームランを打ちましたがチームは負けてしまいました。
この日は勝つと思い、現地に行っていなかったのは本当にやらかしてしまいました。今から行って撮れるもん撮ってこい!と怒られ、大急ぎでカメラを担いで和歌山へ。
箕島高校に到着すると保護者も含め、最後のミーティングをしているところでした。ずっとテレビで見てきたラストミーティング…泣ける…。
箕島のみんなは、負けてしまったけどすがすがしい表情でした。
澤選手と澤選手のお父さんにもお会いできました。
ほんまに打ってくれました。と目を潤ませながら話してくれました。
「今までありがとう」
「有言実行ホームランおめでとう。宝物にします。」
澤選手にとって野球人生最後の夏。
私は初めて高校野球の取材をした夏。
大好きな高校野球に関わることができて、親子のあたたかい物語に少しだけ携わらせていただくことができて、特別な夏になりました。
この取材以来、澤家にとても仲良くさせていただいています。笑
そしてなんと、澤選手の弟が春のセンバツに出場することに!
嬉しいです😭✨
取材で出会えたご縁を大切に、これからも澤家を追っかけていきたいと思います!
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました☺︎