◤プレゼント◢ 贈り物をする時って、もうお返しをもらっていたんだ。[#48]
同僚へのプレゼントを買いに、数ヶ月ぶりに大阪へ。
平日の昼間なのに、どこから湧いたのかと思うほどの人、人、人…。
地元では出遭わない人混みに揉まれ、若干気分が滅入りながら、デパ地下を巡った。
目的のお店は決まっていた。
残念ながらお目当ての商品は売り切れていたけれど、他の詰め合わせを買うことができた。
わたし自身が前の職場の先輩にいただいて嬉しかったお菓子なので、同僚も喜んでくれるといいな。
そして、せっかく大阪まで出てきたんだから、ということで、今月退職する職場への御礼もあわせて買うことにした。
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目が回るほどお店が立ち並んでいて目移りしそうだけれど、ピンとくるものって実は限られている。
部署の人数、年齢層、雰囲気、男女比など。
頭の中で瞬時に計算して、当てはまるか否かを決める。
例えば、リハビリテーション部は40人以上所属していて、20歳代前半が多いフレッシュ感溢れる部署。上は40歳代。男女比はほぼ半々。幅広い年齢層が食べられそうなもの。賞味期限は今月中。
そこで今回選んだお菓子は、『ハッピーターン』。
駄菓子として長年親しまれている身近なお菓子なんだけれど、少し贅沢に。フレーバーがいろいろあるので、甘い系が好きな人もしょっぱい系が好きな人も食べられるはず。
看護部や相談員さんへの御礼も、こんな風に部署の人の顔を思い浮かべながら購入。
全ての御礼を購入し、「さあ、帰ろう」という時に、ふと思った。
「わたし、自分へのお土産買ってないな」。
特に欲しいものはなかったのだけれど、「せっかく大阪に来たんだし」という“お上りさん”的思考が働いた。
今晩のおかずに合いそうなお惣菜、美味しいと評判のパン屋さん、ショーケースの中でキラキラ輝くケーキ。
どれも美味しそうだったけれど、結局何も買わなかった。
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その時気が付いた。わたしは「人が喜ぶものの方が選んでいて楽しい」んだと。
「これ、〇〇さんに合うだろうな」とか「〇〇ちゃんは普段こんな感じだから、これ喜んでくれそう」とか。
その時間、とてもワクワクしていて、気持ちも高揚している。きっと、いい波動も出ている(笑)
自分へのご褒美を買う時よりも気分が良い。
だから、時間も費やせるし、お金も惜しまない(常識の範囲内で)。
相手が喜んでくれたら、それでいい。
まるでこの歌のよう。
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退職時の「御礼」は、なんだか義務的と言うか、しきたりと言うか。
そんなイメージがある。
でも、今日は「本当にありがとう」の気持ちいっぱいでお店を巡った。
こんな気持ちにさせてくれた職場には感謝しかない。
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