30歳独身女、舌ピアスを開ける③

今回は「なぜ30になるまで開けなかったのか」を書こうと思う

①校則の厳しい学生時代だった

私が行った高校は当時県内で「少年院」と揶揄されるレベルの校則が厳しい学校だった。通学バスから降りたら教員たちが見張っておりスカートの丈や髪の長さ、髪の結び方などの指導が入る。浮かれて彼氏と手を繋いでいるところを見られようものなら呼び出されて説教である。ピアスを開けたら内申に響きまくるにちがいない。バイトも禁止だった

最初は嫌だったが、慣れとは恐ろしいもので「まあすっぴんでいいし服もダサいけどアレ着ておけばいいからギリギリまで寝られる、ラッキー✌️」ぐらいに思っていた。

高校を出て看護学校へ入学した。比較的服装規則がゆるいバイトをしていたため耳たぶのピアッシングには成功した。(左2つ、右1つ)しかし、1年生後半から実習が始まるとまたもや厳しい規則に制約される形となった。ここでも服装の自由は剥奪された。しかし結果的に私は良かったと思っている。その理由は②に書こうと思う。

②職業への自覚

地獄の実習を切り抜け、テキトーに勉強して国試に受かり看護学校を卒業し、奨学金の返済のため附属の大学病院に看護師と勤めることとなった。就業規則はここでも厳しい。病棟ごとに緩いところもあるがうちの師長は厳しかった...たまたま機嫌が悪い時にちょっと髪色が明るい人が通りかかろうものなら「ちょっとアンタ!その髪は何よ!!」と檄が飛ぶ。

しかし、個人的には師長の主張は正しいと感じていた。今時入院している人は基本的に厳しい昭和を生き抜いてきたご老人がほとんどである。若者のオシャレに迎合してくださる心優しい方もいるが、過度な染髪やピアスにたいしてあまり真面目な仕事人をイメージしない方が多いと思う。

私たちのする仕事は人に対して優しくケアするだけのものばかりで無い。人に対して針を刺したり1mlで致死量に至る薬を厳密に投与したりする、相手に対し辛い思いをさせてしまうこともある仕事だ。

看護師がパッと目につく過度なおしゃれをしていて不真面目な印象を与えることは、辛い思いをして闘病されている方にとっては健康な時よりも非常にストレスになると私は思っている。

仕事はまだまだポンコツだが、職業人としての自覚とプライドで今の職場ではOKな耳たぶピアスは基本的に外している。

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