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雀荘で見かけた面白い人3

CASE3 あれは止めないと…!おじさん

特定されないようにお話します。池袋に昔、ある雀荘がありました。
そこの特徴は必ず卓に1人女の子が入って麻雀が打てるというもの。
私も20代半ばに入り彼女が欲しいなあとか邪な気持ちがだんだん芽生えてくる頃でした。そんな中ネットを検索してお店に向かいました。
やっぱり女の子と麻雀を打つのは楽しいものです。
学生の頃から麻雀で勝負の世界にどっぷり浸かっていました、いつもギリギリで生きていたいからアーアーでした(cv亀梨さん)
そんな私がノーレートでも楽しいなぁと思えるくらい女性スタッフの接客が素晴らしく可愛かったのを覚えています。
そんなこんなであっという間に私は通い詰めることになったのです。
総合で7~8年ほど通いました。それだけ通えば顔なじみのお客さんとも友達になりセットをしたりご飯に行くなど雀荘が居場所になりました。
仲良くなったおじさんが居ました、小顔の眼鏡でガタイは良さそうですがめちゃくちゃ面白いおじさんでした。30代くらい?でも笑顔が素敵なニコニコした人でした。ミッキーさん(仮)と呼ぶことにします。

ミッキー「植田くん、その一打はね~素晴らしい!!
そこは立ち見もオッケーでしたので麻雀を褒めてもらえて嬉しかったことを今でも覚えています。
ミッキーさん・女の子と同卓するときはミッキーさんを弄ることが多かったです。
女の子「ミッキーさんってどんなお仕事なんですか?」
ミッキー「えぇ~公務員だよリーチ」
植田「公務員リーチキターーーーじゃあ俺が振り込んだら公務員の中身教えて下さい」

ある日、お店でミッキーさんと女の子と麻雀をしていました。
土曜日のお昼時という事もあって、お客さんは満杯。今もお客さんが来店し次々と並んでいます。
すると並んでいる列から物凄い怒号が聞こえてきました。

男「はぁあああああああ!!!?並んでただろうがよ、てめぇふざけんなよ!!!」

その男は見知った顔でした、名をバーニングさんとします。
バーニングさんは元プロレスラーの40代くらいの方です、ガタイはまるでお相撲さんのようでした。
自分語りが大好きで若干空気が読めなく、女の子に自分の武勇伝やデートのお誘いを卓中に行っており、同卓者の方に白い目を向けられることが多かったです。
でも私は可愛がってもらいましたので仕方のない人だけど悪い人ではないのかなと思っていました。
どうやら店員さんと来店順番の事で揉めているようです。
店員さんも来店処理に苛立っていたようでしまいには

店員さん「今殴るっていいましたね!?はい、じゃあ殴って下さい、はいどうぞ。警察呼ぶんで。ほら早く殴って下さい!?」

バーニングさん「まじで殺すぞてめぇ!!!おい!!おい!!!!」

店内は静まり返って全員が2人を見ています。すると次の瞬間

がしゃあああああああああああああああああああああん

何とバーニングさんが手元にあったレジを持ち上げ地面に叩きつけたのです。女の子のキャア!!という悲鳴は今でも耳に残っています。
あれが殺気でしょうか、バーニングさんの横顔は真っ赤になり憎しみが前面に出ていました。「あ、これ本当にやばい」と自分は感じました。
けれどバーニングさんのガタイをみて「止めたら自分が本当に殺されるかもしれない」と思い身体が全く動かなかったことを覚えています。
女の子の泣く声が静まり返った雀荘に響いています。
その場にいた全員が、動いたら自分が殺されるかもしれないと思っていたのか皆が声を押し殺し身動き一つ取りませんでした。


「落ち着いて」


ミッキーさんがはっきりと2人に向かって言い2人の下に近づきました。
そもそも立ち上がった動作や気配が全くしませんでした。いつの間に…

バーニングさんが怒号で「ああん!!?」と一括。しかしミッキーさんは

「これは本当によくない、落ち着こう」


と鋭い声で二人に言いました。
怒りでもなく大声でもない声でしたが余りに鋭く、うまく表現できませんが殺気に満ちた声でミッキーさんに一番恐怖を覚えました。
それとほぼ同時にサイレンが聞こえ警察が4人ほど駆け付け、バーニングさん・店員さんは警察に事情聴取をされた後どこかに連行された模様です。

その日の夕方にミッキーさんと晩御飯に行きました。

【け、警察!?】


そうなんです、ミッキーさんは警察官だったんです。さっき駆け付けた4人の警察官は部下との事。
しかも聞くとなんと賭博課らしい。え!賭博…いや何でもない(禁則事項です)
ミッキーさんが「あれは止めないとダメだよ~~」
と不敵な笑みを浮かべてた姿を私は今でも覚えています。

警察官ってカッコいいなあ。




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