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雑草ウオーズ⑧~抜くのではなく剥がすのだ~

さて、今年も昨年と同じく三角ホ―で草を削っていく。

これが三角ホ―


去年もこんなことやってたなーなどとある種の感慨にふけっていた。
私は、この先一生こんなことを繰りかえすのだろうか。
この雑草ウオーズもいくつまでいくんだろうか。
「今年もかえ?」
自分の世界に浸りきっていると、背後(正確には横だったかもしれない)から声がしてきた。
振り返ると(正確には、横だったかもしれない)、塀越しに見慣れない老婆が立っていた。
(今年も?去年も会ったのかな?)
私には記憶が全くない。
「そのやり方では、草には勝てん」
「え?」
「繰り返すぞ」
「・・・」
「ワシも長く戦ってきた」
「・・・」
「ワシは草の全てを知っている」
「・・・」
「ワシは、その気になれば地球上の草を全滅させることができる」
なんという上から目線の物言いなのだろう。
この間、私が発した言葉は「え?」だけである。
我々の距離は、3メートルほど、しかも壁越し、交わした言葉は「え?」のみ。ほぼ無視に近い。それでも、彼女は語り掛けてくる。
「勝ちたいか?」
「ええ」
私は「はい」と返事ができず曖昧な表現をした。
断定するとなにか危険な香りがしたからである。
「根じゃ!根を刈るのじゃ!」


まさに、こんな感じ


その物言いは、ボアハンコックを思わせた。
「根?根って、、、」
「首を刈っても、根があればいくらでも蘇る。鎌で、根ごと剥がすのだ!」
首、蘇る、なんとも重たいワードではないか。
「上からでなく、下から。抜くのではなく、剥がすのじゃ」
「分かりました。やってみます」
思わず敬語になってしまった。鎌は、買ってあったステンレス製のものがあったはず。とってくることにした。

これがステンレス鎌


これは、雑草ウオーズの初期にころに購入したものだ。
草の増殖に追いつかずに、すぐに物置の住人となったものである。
それが、いまになって日の目をみることになるとは。
物置から戻ってくると、さきほどの老人は消えていた。
どこへ行ったのだ。
戦いの行方を見守らなくてよいのか。
勝利を確信しているから?
それとも、、、
とにかく、私は目の前の雑草との戦いを続けなくてはならない。
ステンレス鎌の刃を根の少し下から入れてみる。
バリバリ!
地下に張った根がちぎれるけたたましい音は鳴り響いた。
(な、なんだこれは!いままでにない感覚だ)
下の土と分離した草を持ち上げてみる。
べリリーッ!
またしても新感覚。
絨毯がはがれるように、40cm四方の雑草が一気にとれた。
まさに、剥がれるという表現がピッタリくる。
次々のに剥がしていき数分後、、、
雑草は綺麗に剥がれ、土がむき出しになっていた。

境界線くっきり


よし!
いける。
ギア5に目覚めたワンピースの主人公モンキー・D・ルフィのごとく私は作業に夢中になった。
4時間ほど経過したであろうか。
とれた草を積み重ねると山になっていた。
このあとゴミ袋に収納。


総量
90L×7袋
70L×2袋
トータル770L
とてつもない量である。
まだ少しは残っているが、大方とれたであろう。

雑草の山。中から何か出てきそうな気配
スッキリ


しかし、このまま土をむき出しにしているとまたどこからかタネが飛んできて発芽してしまう。
自然循環に入るのを全力で拒絶しよう。
さてどうするか。
また、あの「雑草師匠」が現れるのを待つか。
偶然に期待するより、自分でも調べてみよう。
そして、今度遭遇したときに「草が、地球上から全滅したら、人間も全滅してしますのではないですか?」と問いかけてみよう。




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