ストレスと解放⑥～クラッツとコーヒーとアイスモナカ～

今日もイライラした。

お客様商売になりがちな、なんでも店のせいにするお客が原因である。

曰く、以前契約したときにパスワードを全てお店に人に設定してもらったから自分は知らないと。

そのときの控えは、こちらに残ってないのかと。

「お客様、個人情報保護のためこちらに個人情報は残っていないのです」

そんな説明で、納得するわけもなくアレやコレやと押し問答の末、とうとうあの一言が放たれた。

「オレを誰だと思ってるんだ。お客様は神様だぞ！」

無知なお客ほど、使われるこの言葉。

本人は、水戸黄門の印籠ばりのキラーワードだと思って使っているのだろうが、こちらとしては大したダメージにはなっていない。

そもそも、「お客様は神様です」と最初に言ったの故・三波春夫だと言われている。これとて、お客様が全て神様だと言ったのではなく、仏壇に向かって歌うときに、「今日のお客様は神様です」と言ったのが定説となっている。

つまり、「お客様→神様」ではなく「神様→お客様」と、三波春夫本人は言いたかったのではないかという説が、大多数を占めている。

論理が逆なのだ。

タネを知ってしまったマジックに驚かないように、裏事情を知ってしまったキラーワードなどに、こちらはかゆみすら感じないのである。

結局、そのお客様「もう来ねーよ」とこちらもたいして効果のないキラーワードを発して帰宅された。

さて、帰ったところでこちらの怒りはスッと消えることなどないのである。

それに９月の店の営業成績も悪く、そのことが余計にイライラを加速させた。

ストレスマックスである。

帰宅時間になっても収まることはなく、コンビニ行き決定である。

ローソンに寄ろうかと思ったが、閉まっていた。

従業員でコロナがでたらしい。消毒のため、しばらく休業するとの張り紙。

ナ、なんと。

無いものねだりはしない主義。近くのセブンイレブンに寄ろう。

なにかショッパイものが食べたい。それも濃厚なのが。

入口近くの消毒液を手にまぶし、店内を徘徊する。

目に入ったのがこれだ。

これは、濃厚なパンチが期待できそうだ。

するとどうだろう。甘いコーヒーが飲みたくなってきた。

私はパブロフの犬状態である。

以前オリジナルコーヒーと飲んで美味しかったな、記憶が蘇ってきた。

これだ。思わず手に取る。

これで終わりかと思った矢先、レジ前のアイスボックスのこれが目に止まった。

これもいっちまうか。３個はいくらなんでも食べすぎじゃないか？と思ったが、一つは飲み物だしと勝手に自己完結して、アイスも会計してしまった。

所詮人間は、感情の動物なのである。

「ペイぺイ!」

いつもどおり、なんとも大きな声である。もし、PAYPAYに買った商品を読み上げる機能がついていたら、プライバシーもなにもあったものではない。

ま、それはそれとして。

車に戻ってクラッツの袋を開ける。

濃厚ベーコンの匂いが車に充満する。たまらねーな。これは。

ありないくらいの量を一気にほうばる。

口の中が塩辛さでいっぱいである。

チルドコーヒーにストローを差し、ひとすすり。

コーヒーの甘さとクラッツの辛さが戦っている。

ゴクン！その戦いにピリオドを打ったのは私である。

戦いの後に残されたのはこれだ

ぶかぶかのモナカに固めのチョコ。チョコの壁を破るとでてくるイチゴアイス。今日の時点のベストトリオである。

コーヒーとクラッツの戦いのあとなので、いつもよりアイスが溶けている。

それも程よい加減で。

多いかなと思った３品を食べ終えたらさすがに、少し苦しかった。

明日からまだがんばろう。

追伸

次の日、出勤したら自称神様が来店予約をしていた。

それも、私指名で。